多彩なラインナップのPCをそろえるマウスコンピューター。その中で最近注目を集めているのが「クリエイターモデル」だ。動画編集やCAD、3DCGなどプロ仕様のスペックを低価格で提供し、高い評価を受けている。今回はそれを長年使っている、映像制作や映像トレーニングの学校運営「電報児」に、その魅力を聞いてみた。

Quadro搭載でも低価格
魅力満載のクリエイターモデル

マウスコンピューターのクリエイターモデルは、グラフィックスカードにOpenGL(プログラムインタフェースのひとつ)に最適化されたNVIDIAのQuadroシリーズを搭載するPC。これはLightwave 3DやAuto CADなど、プロの現場で使われているCADや3DCG制作ソフトのほとんどに、OpenGLが採用されているためだ。7万円台のエントリーモデルから30万円近くのプロフェッショナルモデルまで、幅広いラインナップを誇り、プロはもちろんこれから3DCGなどを学ぼうと考えている人でも、十分購入できる価格帯にあるのがうれしいところだ。

マウスコンピューターのクリエイターモデル

また、ADOBE CREATIVE SUITE 5の動作確認モデルを発売するなど、最新ソフトに対していち早く対応するフットワークの軽さ・早さも大きな魅力だ。もちろん、ほとんどのモデルでパーツをカスタマイズして注文できるBTOに対応しており、目的や予算に合わせ柔軟にユーザーのニーズに応え、さらに国内生産の高い品質と安定した納期対応など、マウスコンピューターの大きな特徴はそのまま。24時間365日の電話対応など手厚いサポートも受けられる。

そのマウスコンピューターのPCを長年業務に使ってきた、映像制作や映像トレーニングの学校を運営するのが「電報児」(http://www.denpo.com/)。今回は、その「電報児」のスタッフに、Core i7 980XやQuadro 4000など、現在の最高峰のスペックを搭載する最新モデルをマウスコンピューターより貸し出し、ADOBE CREATIVE SUITE 5を使って、そのパフォーマンスをチェックしてもらった。最新モデルのスピードには、かなりの驚きがあったようだ。

今回のパフォーマンスチェックに利用した「MDV-ADG9180X-WS-ADB」。標準構成価格は367,500円(税込)
MDV-ADG9180X-WS-ADBの標準スペック [CPU] インテル Core i7-980X Extreme Edition    [チップセット] インテル X58 Express   [メモリ] 24GB   [SSD] インテル X25-M 160GB   [HDD] 1TB RAID0(1TB×2)   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] NVIDIA Quadro 4000   [ディスプレイ] オプション   [サイズ/重量] W190×D490×H410mm/約12.0kg   [OS] Windows 7 Professional(64ビット版)   [標準構成価格]367,500円(税込)  

大容量メモリで
RAMプレビューが快適に

マイコミジャーナル(以下マ):まずは電報児の業務内容から教えていただけないでしょうか。

電報児 田村隆匡氏(以下田村氏):主にテレビ番組やPVなどの映像制作の仕事をしております。また、その知識を活かしてAdobe認定校でのトレーニング業務も行っています。

映像トレーニング学校の塾長もつとめる電報児の田村隆匡氏
デジタルビデオの制作ノウハウといった授業を行っている映像トレーニング学校

:いままではマウスコンピューターのCore 2 Quad搭載マシンで制作業務を行っていたということですが、今回の最新モデルの使用感はいかがでしょうか。

電報児 加藤崇史氏(以下加藤氏):まず大容量メモリを利用できるのがいいですね。私は主にAfter Effectsで制作をしているのですが、RAMプレビュー(注:メモリ上のデータを書き出して完成型をチェックする作業)など、大量のメモリを必要とする作業がたくさんあります。いままではWindows XPの32ビット版の環境で作業をしていたので、メモリは約4GBが限界で、メモリ不足で作業が一時中断することがありました。今回の最新モデルでは、メモリは24GBもあり、メモリ不足は完全に解消されましたね。また、ADOBE CREATIVE SUITE 5では6コア(12スレッド)をうまく利用しているようで、レンダリングのような作業も速くなっています。

実際に作業をしながら快適ぶりを語る電報児の加藤崇史氏

田村氏・加藤氏のお二人にCore 2 Quad搭載マシン(ソフトはADOBE CREATIVE SUITE 4)と、今回のCore i7-980X搭載の最新モデル(ソフトはADOBE CREATIVE SUITE 5)で同一の処理を行い、その速度差を比較してもらった。ぜひ参考にしてほしい。なお、プロジェクトの内容は1920×1080、29.97fpsで1分間のコンポジションと、それを構成する複数のプリコンポジション、ムービーフッテージ、静止画等で、総レイヤー数は100枚前後となっている。

After Effectsの起動とプロジェクトを開く速度
(After Effectsが起動していない状態でエクスプローラーのプロジェクトファイルをダブルクリックで開き、コンポジションパネルに画像が表示されるまでの時間を計測)
Core 2 Quad搭載マシン 107.6秒
Core i7-980X搭載マシン 32.3秒
RAMプレビューを蓄えられる長さ
(同一のコンポジションでフル画質のRAMプレビューを作成)
Core 2 Quad搭載マシン 80フレーム
Core i7-980X搭載マシン 1800フレーム(1分)以上
レンダリング
(QuickTime非圧縮とH.264形式での書き出し。マルチプロセッシング)
QT非圧縮
Core 2 Quad搭載マシン 57分53秒
Core i7-980X搭載マシン 19分26秒
H.264
Core 2 Quad搭載マシン 58分57秒
Core i7-980X搭載マシン 18分46秒