ニーズにぴったりのパソコンを、お得にゲットできるのがBTOパソコン。ただ、自分でスペックを選ぶBTOパソコンは、普通のパソコンに比べるとすこし難しく感じるかも。そこで今回は、誰にでもカンタンにわかるBTOパソコンの選び方のポイントを、全3回の連載で紹介しよう。

ニーズにぴったりのパソコンを、お得にゲットできるのがBTOパソコン。ただ、自分でスペックを選ぶBTOパソコンは、普通のパソコンに比べるとすこし難しく感じるかも。そこで今回は、誰にでもカンタンにわかるBTOパソコンの選び方のポイントを、全3回の連載で紹介しよう。

鈴木家の登場人物

父:鈴木一郎
都内の技術系大手企業に勤める40代。総務に所属しているがコンピュータには明るく、社内でも評判だとか。結婚15年目。妻と長男、次男の4人暮らし。
息子:鈴木次郎
公立中学校に通う平凡な中学三年生。最近の若人らしく、勉強不得手のゲーム好き。家族の仲は良好ながらも、やや反抗期が出始めている。

都内に暮らす鈴木家。三度(みたび)始まる物語は、週末の何気ないひとときのことだった。

父 ふぅ。
息子 どうしたの? 父さん。
父 母さんがな、オレとお前の新しいパソコンを見て、自分も欲しいって言い出したんだ。
息子 えっ、母さん専用?
父 そう。リビングのパソコンもかれこれ五年ぐらい経つだろ。Windows 7にしたいらしいんだ。
息子 Windows XPのままで良いんじゃないの?
父 俺もそう思うんだが、TVでやっていたのを見て欲しくなったんだと。
息子 ふーん。良いんじゃないの。オレのも父さんのもWindows 7だし。最近はパソコンは一人一台の時代、ってよく聞くし。
父 気軽に言うなよ! 俺は二台もパソコンを買って、夏のボーナスはもうないんだよ。ただでさえ財布が厳しいのに……。

業種によっては底を脱したとも言われるが、一郎が勤める会社は、まだ不景気の真っただ中。夏のボーナスを期待するのも厳しいが、学生時代から続く唯一の趣味であるパソコンには財布のひもも緩く、つい息子と自分のパソコンを購入してしまったのだ。

息子 でも、リビングのパソコンなら父さんのヤツみたいに、凄いヤツじゃなくてもいいでしょ?
父 それがな、母さんはPCゲームもやりたいらしいんだよ。
息子 えっ!? 母さんがゲーム? 想像付かないなあ。
父 何でも週刊誌で見た箱庭ゲームってのをやりたいそうだ。
息子 じゃあ父さんのパソコンを使わせてあげればいいじゃん。
父 しかし、母さんが何かの拍子に俺のデータを見たら……。絶対ダメだ。貸すわけにはいかん。
息子 ……じゃあ新しく買うしかないね。
父 うむ……。

息子との会話で置かれた状況と選択肢の少なさに気付いた一郎は、少しだけ覚悟を決めたようだ。おもむろに自部屋に設置した新しいパソコンを立ち上げ、サイコムのWebページへアクセスし始めた。目的のマシンを物色し始めると、目に付いたのが「Radiant G-Masterシリーズ」。最上位モデルとなる「G-Master BLADE2」と「G-MASTER Lance2」はいずれも大容量電源や拡張性といったPCゲーマー向きの構成を採用している。

父 このあたりかな。
息子 このピカピカ光るのカッコイイね。オレもこれにすれば良かったよ。
父 ……こんな凄いパソコンは自分で稼いで買ってくれ。さて、構成はどうするかな……。

PCゲームを前提としたパソコンの選択は難しい。なぜなら、PCゲームは日進月歩の勢いで進化するため、どのパーツに比重を置いてよいのか難しい判断を強いられるからだ。もちろんCPUは速ければ速いほど良いものの、その一方で重要なのがグラフィックスカード。描画を担うGPU(グラフィックアクセラレータ: ビデオ描画に特化したCPUのようなもの)を搭載し、複雑な描画を行なうPCゲームほど、GPUの能力が求められるのである。このグラフィックスカードを選択すると、NVIDIA社のGeForce(ジーフォース)か、AMD社のATI Radeon(ラディオン)の、いわゆる現代GPUの"2大メーカー"と呼ばれる会社の製品いずれかを選択することになる。

父 PCゲームなら伝統的にGeForceの方が良いけど、最近はRadeonもかなり良くなってきたから、ここはRadeonで決めるか。
息子 これって速いの?
父 うん。かなり速いぞ。それにDirectX 11に対応した最新のGeForce 400シリーズはまだ発売したてで高いから、Radeonで決まりだろう。PCゲームをやるんなら、できるだけ高性能で、新しい規格に対応していた方が長年使えるんだよな。
息子 ふーん。よくわからないけど、後はどっちを選ぶかだね。あとは母さんに任せれば?
父 いや、適当に選んで欲しいって言われてるんだ。どっちにしようかな……。
息子 そういえば母さんはExcelも使うんじゃないの?
父 そういえばそうだな。じゃあMicrosoft Officeも一緒に注文しなきゃな。うーむ。結構高く付くなあ。
息子 この安い方で良いんじゃないの?
父 そうだな。メモリは少ないけど、このぐらいあれば十分か。
■「G-Master BLADE2」のBTO例
CPU Intel Core i7-930
マザーボード ASUS P6T
メモリ DDR3 PC10600 3GB(1GB×3)
ストレージ 640GB/7,200rpm/16MB SATA2
グラフィックス ATI Radeon HD 5870
OS Windows 7 Home Premium 32ビット版
アプリケーション Office Personal 2007
参考価格 203,910円
■「G-Master Lance2」のBTO例
CPU Intel Core i5-750
マザーボード GIGABYTE GA-P55A-UD3
メモリ DDR3 PC10600 2GB(1GB×2)
ストレージ 640GB/7,200rpm/16MB SATA2
グラフィックス ATI Radeon HD 5870
OS Windows 7 Home Premium 32ビット版
アプリケーション Office Personal 2007
参考価格 181,910円

結局、鈴木家のリビングに設置されるマシンは「G-Master Lance2」に決まったようだ。今回はCPUは標準のスペックよりも、グラフィックスカードを優先したことと、家庭内でのヒエラルキーの力学(?)が作用し、スペック的には上位となる一郎の専用マシンとほぼ同等額になってしまったが、DirectX 11世代Radeonのなかでも上位にあたるHD 5870であれば、次にパソコンを買い換えるまで、あらゆる用途で十分現役で使えるだろう。

父 よし、これで注文完了だ。
息子 ねえ、オレもこのパソコン使っていい? たまにはPCゲームもやってみたいからさ。
父 いいんじゃないか。母さんや三郎(次男)が使わないときなら。ただ、次郎には自分のパソコンがあるんだから、ほどほどにな。
息子 うん!

結局、短期間で3台のBTOパソコンを購入することになった一郎だが、数年前に購入した某メーカー製パソコンの購入額を計算してみると、かなり安価に収まっていた。たしかに一部のメーカー製パソコンと比較すると、後じんを拝する部分もあるが、消耗品的な側面を持つパソコンは拡張性やコストメリット、堅ろう性などを優先した方が、長期的に見てお得になることが多い。結果的には大きな出費となったが、質実剛健なパソコンに入れ替えることができて、ちょっとした満足感を覚えた一郎だった。

コラム - グラフィックスカード選択のポイント

本物語で一郎も悩んでいたグラフィックスカードだが、Web閲覧や電子メール、文書作成といった基本的な操作であれば、オンボードタイプ(マザーボードやCPUがあらかじめGPU機能を搭載している)で十分。だが今回の物語のように、PCゲームといった明確な目的がある場合、グラフィックスカードを追加すべきだろう。現在主流となるGPUは、NVIDIA社のGeForce、AMD社のATI部門が開発するRadeonの二つにほぼ絞られる。現時点の状況を踏まえると、いずれも抜きつ抜かれつの性能争いを繰り広げているため、ハイエンドモデルを選択するのであれば、どちらを選択しても大きな間違いではない。

ここでポイントとなるのが、PCゲームという存在。Windows OS上でPCゲームを楽しむには、DirectX(Microsoftが開発したPCゲームやマルチメディア機能に対するAPIセット)が欠かせないが、最新版となるバージョン11のハードウェアレベルサポートは、Radeonが先行している(NVIDIAは2010年3月にDirectX 11に対応したGeForce 400シリーズを発表している)。

また将来的には、画像や動画の編集といった、一般的なアプリケーションに、GPUのパワーを利用するGPGPUという取り組みもあり、新たなPCトレンドになる可能性が高い。PCゲームはの用途ほどほどながら、未来のパソコン性能を先取りしたいといった向きにも、最新のグラフィックスカードを搭載しておくメリットがあるのだ。

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(マイコミジャーナル 広告企画)

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