中堅~大規模企業が標準機として導入しやすいPCを目指しているのが、デルのデスクトップシリーズ「OptiPlex」だ。すっきりとスマートに使えてエンドユーザーも満足、高い管理・運用性でシステム部門も満足という状態を実現する「OptiPlex」の、ミッドレンジモデルである「OptiPlex 780」シリーズを紹介する。
万全のセキュリティでリモート管理にも対応
デルには法人向けメニューが2種類ある。従業員数500人を境に、それ以下の中小規模企業と、それ以上の大規模企業を区分し、ニーズに合わせたマシンを提供しているのだ。本稿で紹介するOptiPlexは、大規模企業向けの製品と位置づけられている。
OptiPlexには3つのラインアップが展開されている。インテル(R) Core(TM) i7 プロセッサー、インテル(R) Core(TM)2 Quad プロセッサーをはじめとする最新CPUを搭載可能で、静音性などを重視したハイエンドモデルが900系だ。クリエイティブな現場や、高度な処理を必要とする業務での採用が多い。
また、リモート管理などの機能を盛り込まず、安価に購入できるベーシックモデルとして用意されているのが300系。そして、最新すぎるパーツは採用せず、いわゆる"枯れた"信頼できる構成で機能を充実させ、先進的なリモート管理を行えるインテル(R) vPro(TM)テクノロジーへの対応やセキュリティ機能を充実させたミッドレンジモデルが700系となっている。
豊富なラインアップの中で、最もベーシックなマシンが、インテル(R) Core(TM)2 Quad プロセッサーやインテル(R) Core(TM)2 Duo プロセッサー対応のOptiPlex 780SFF(スモールフォームファクタ)だ。一見するとごく一般的な省スペース型デスクトップPCだが、ビジネスPCとして十分なスペックとともに、セキュリティと管理性を確保しているのが特徴だ。特に700系と900系は、全機種がHDD内部データの暗号化に加えて、特定のマザーボードとHDDの組み合わせでなければ動かないセキュリティチップも搭載している。データとしての漏洩に加えて、HDDの持ち出しにも対応しているわけだ。
特に管理性という点で、インテル(R) vPro(TM)テクノロジーに準拠している点が大きい。インテル(R) vPro(TM)テクノロジー インテル Core(TM)2 プロセッサー搭載デスクトップは、ハードウェアに組み込まれたセキュリティー機能と運用管理機能によって、TCO削減に加え生産性向上を実現できるためだ。ダウンタイムを最小限に抑えるべく設計されたインテル(R) vPro(TM)テクノロジーにより、PCの電源がオフの場合やOSが応答しない場合でも、遠隔地からのPC監視や問題解析、修復が可能になり、デスクサイドでのサポートを低減できる。
たとえば中規模以上の企業の場合、同じ社屋内でも担当者がサポートに回るのは大きな負担になる。さらに、地方支社や小規模な支店にまではシステム管理者を配置できていない場合であれば、簡易な処理であるにもかかわらず担当者が出張するというケースが少なくない。リモート管理に対応することで、システム管理者の負荷を軽減し、出張コストなどの削減を実現する。
本稿では最も多く導入されている700系にスポットをあてているが、OptiPlexシリーズは混在導入が可能であることも大きな特徴となっている。たとえばベーシックな事務処理を行う本社部署には300系、開発現場には900系を導入し、機密情報を扱う部署や遠隔サポートが必要となる支店には700系を導入するといった使い分けもできる。ケースもタワー型からコンパクトタイプまで用意されているため、拡張性が必要な部署だけにタワー型を導入という選択ができるのも魅力的だ。
見た目や詳細なスペックは違っていても、「標準化」が考慮されたシリーズらしく多くの部品が共通化されており、交換パーツの発注やデルへのサポートを受けるのにスムーズなのはもちろん、社内でも扱いやすい。ケースは手回しネジだけで開閉できる上に、内部部品の取り外しも簡単な構造であるため、ちょっとした部品交換や確認といった問題対応も即座に行える。
一体型のスマートさとセパレートの管理性を両立させる「780 USFF」
OptiPlexのラインナップ内で異色を放っているのが、OptiPlex 780USFF(ウルトラスモールファームファクタ)だ。ネットボックスのような印象の極端に小さな筐体ではあるが、中身はしっかりビジネスPCの仕様になっている。サイズはW6.5×D23.6×H23.9cm。非常に小型で、机の上に置いて邪魔にならないのはもちろん、引き出しの中や机脇の棚を活用して、そこにPCがあることすらわからないような形で使うことも可能だ。縦置き・横置きの双方に対応しており、ラバーの足が2面に取り付けられている。フロントベゼルは通気性を重視したメッシュ構造だから、吸排気の邪魔をしないようにだけ気をつければ、かなり設置方法に工夫ができるはずだ。
非常にコンパクトで、厚さはノートPC2台分ほど。横置きで設置しても場所をあまりとらず、棚にもすっぽり収まる |
インタフェースは充実しており、eSATAポートに加えUSB 2.0ポートも多数用意されている |
コンパクトではあるものの、性能的にはビジネス用途ならばまず問題はない。唯一、HDDは2.5インチのものが1台しか搭載できないため、RAID構成にしたいユーザーには力不足な端末ではあるが、一般的なオフィスワーカーであれば通常利用には問題なしと太鼓判が押せる。また、これほど小さくても電源はきちんとケース内部に格納されているため、大きな電源はケーブル途中にあるという邪魔な状態でもない。本当にコンパクトに設置できるビジネスPCなのだ。
さらに、この小ささを活かした設置方法が、デルのディスプレイと組み合わせての「一体型PC風」の設置だ。大型ディスプレイ登場以来、ディスプレイ後ろに横向きに置くことでPC本体を隠してしまうという方法は提唱されてきた。それを発展させたのが、現在コンシューマー向けで人気のボードPCスタイルだ。しかしデルはあえて、別個のディスプレイとPC本体を組み合わせ配置することにこだわった。ディスプレイ背面にちょうど780USFFを置けるだけの台座が設けられており、ぴったりと本体が収まる。
また、ディスプレイからPC用電源を取れるような工夫がされているため、付属の短いケーブルでディスプレイと780USFFを接続すると、PCから後ろにはディスプレイにつながる1本の電源ケーブルが存在するだけになる。実際に設置した状況は、完全にボードPCスタイルだ。
ここまで「一体型風」でありながら、なぜ本当の一体型ではいけないのか。これはOptiPlexがあくまでも企業向け製品であり、ビジネスの現場で活躍すべきマシンだからだ。たとえば、ノートPCはキーボードに水をこぼしてしまったらPCが丸ごと使い物にならなくなる。同じように、一体型PCもディスプレイ側に不具合があった場合に、PC内部のデータを取り出すことが難しくなる。もちろん、知識のあるユーザーが余剰部品を使える環境にあるならば、たとえキーボードが動かなくなったりディスプレイの割れたノートPCでも、外部ディスプレイやUSB接続のキーボードを活用して中身のデータを救出したり、そのまま仕事を続けることはできるだろう。
しかし企業ではそうしたユーザーは決して多くない。トラブルがあるたびに情報システム部門が呼び出され、メインPCが動かないとなれば代替機を要求され、さらにはデータを取り出せなければ仕事にならないのにどうしてくれるのだ、などと理不尽なことまで言われたりもする。そんな状況では、エンドユーザーも管理者も疲弊してしまうし、生産性も低下する。
その解決策が、この特異なスタイルなのだ。小型であり、普段は一体型にしか見えないマシンだが、実際には役割ごとに全ての部分が独立しているため、トラブル時には該当箇所だけ入れ替えれば済む。スッキリとした見た目と、管理負荷の低減を両立させている。
充実のサポートサービス
デルの企業向けブランドの中で、中小規模企業向けのVostroは最新テクノロジーをいち早く製品に反映させることで「安くいいものがほしい」というニーズを満たしている。一方で、OptiPlexが強く意識しているのが、企業での標準機としての採用だ。事業所の増設や新入社員の入社という機会に順次追加導入するという利用方法を想定し、15カ月に1度という間隔での新モデルリリースが行われている。また、モデルチェンジする場合でも安定したパーツをできるだけ流用することで、メンテナンス性を確保し、部品調達を容易にしているという特徴がある。
また、サポートサービスもVostroは「引き取りサービス」であるため、一時的に手元からPCがなくなってしまうのに対して、OptiPlexは「デルプロPC保証」において「出張サービス」とすることで、問題発生時に失われる時間を低減する仕組みを採用している。標準では連絡をした翌日に技術者が来訪するシステムだが、追加サービスを契約すると当日に駆けつけてもらうこともできる。本体には電源投入時に起動状態に合わせて光るインジケータを搭載しており、電話やメールでも「どの状態で止まっているのか」をサポートチームが把握しやすくなっている。そのため、適切な交換用パーツを持って現場を訪れることができ、迅速な修理が実現している。
■デルプロPC保証(OptiPlex 780SFF/780USFFの場合) | |
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価格 | |
+10,500円 | |
+5,250円 | |
0円(標準) | |
+10,290円 | |
+15,540円 | |
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価格 | |
+27,090円 | |
+18,690円 | |
+10,290円 | |
+20,580円 | |
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価格 | |
+27,090円 | |
+18,690円 | |
+10,290円 | |
+25,830円 |
デルPCの修理などだけでなく、OSや各種ソフトの使い方などPC全般の操作についてのサポートを受けられる有料サービスも存在する。これらを活用すれば、IT部門を丸ごとアウトソーシングすることもでき、社内に専門家が存在しない、または少ない企業にとって心強い存在となるはずだ。
■OptiPlex 780スモールフォームファクタシャーシの主な仕様 | ||
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スタンダード構成 | Nシリーズ スタンダード構成 | |
インテル(R) Celeron(TM) プロセッサー 450(2.20GHz、512KB) | ||
インテル(R) Q45 Express チップセット(ICH10DO搭載) | ||
1GB(1GBx1) DDR3-SDRAM | ||
3.5インチ 160GB SATA HDD(7,200回転) | ||
DVDスーパーマルチドライブ(Roxio Creator 10.3) | ||
インテル(R) グラフィックス・メディア・アクセラレーター 4500 | ||
ADI 1984A High Definition Audio Codec、ライン入力×2、ライン出力×2、Dellビジネスオーディオスピーカ(モノラル) | ||
10/100/1000BASE-T対応有線LANビット(インテル(R) 82567LM ギガビット・ネットワーク・コネクション) | ||
DisplayPort、D-Sub、USB 2.0×8、内部USB 2.0×1、eSATA、シリアルポート、パラレルポート | ||
Dell Entry 日本語キーボード (USB、ホットキー無、黒)/Dell マウス(USB、2ボタン、ホイール付、黒) | ||
OptiPlex 780 スモールフォームファクタ | ||
約W9.26×D34.0×H12.4cm | ||
Windows Vista Home Basic SP2 正規版 (日本語版) 32ビット | FreeDOS | |
[エンドユーザ・プロサポート] 3年間 翌営業日対応オンサイト保守サービス | [ベーシック] 3年間 翌営業日対応オンサイト保守サービス | |
Energy Smart対応 | - | |
Systems Management(MEBx Engine)なし/ASF構成 | ||
77,367円から | 63,822円から(すべてデル オンラインストア価格/2010年5月31日現在) |
■OptiPlex 780ウルトラスモールフォームファクタシャーシの主な仕様 | ||
---|---|---|
スタンダード構成 | Nシリーズ スタンダード構成 | |
インテル(R) Celeron(TM) プロセッサー 450(2.20GHz、512KB) | ||
インテル(R) Q45 Express チップセット(ICH10DO搭載) | ||
1GB(1GBx1) DDR3-SDRAM | ||
2.5インチ 160GB SATA HDD | ||
DVDスーパーマルチドライブ(Roxio Creator 10.3) | ||
インテル(R) グラフィックス・メディア・アクセラレーター X4500 | ||
ADI 1984A High Definition Audio Codec、ライン入力×2、ライン出力×2、Dellビジネスオーディオスピーカ(モノラル) | ||
10/100/1000BASE-T対応有線LANビット(インテル(R) 82567LM ギガビット・ネットワーク・コネクション) | ||
DisplayPort、D-Sub、USB 2.0×7、eSATA、シリアルポート | ||
Dell Entry 日本語キーボード (USB、ホットキー無、黒)/Dell マウス(USB、2ボタン、ホイール付、黒) | ||
OptiPlex 780 ウルトラスモールフォームファクタ | ||
約W8.9×D25.2×H26.3cm | ||
Windows 7 Professional 正規版 (日本語版) 32ビット | FreeDOS | |
[ベーシック] 3年間 翌営業日対応オンサイト保守サービス | ||
Energy Smart対応 | - | |
Systems Management(MEBx Engine)なし/ASF構成 | ||
79,992円から | 69,597円から(すべてデル オンラインストア価格/2010年5月31日現在) |
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