ニーズにぴったりのパソコンを、お得にゲットできるのがBTOパソコン。ただ、自分でスペックを選ぶBTOパソコンは、普通のパソコンに比べるとすこし難しく感じるかも。そこで今回は、誰にでもカンタンにわかるBTOパソコンの選び方のポイントを、全3回の連載で紹介しよう。

鈴木家の登場人物

父:鈴木一郎
都内の技術系大手企業に勤める40代。総務に所属しているがコンピュータには明るく、社内でも評判だとか。結婚15年目。妻と長男、次男の4人暮らし。
息子:鈴木次郎
公立中学校に通う平凡な中学三年生。最近の若人らしく、勉強不得手のゲーム好き。家族の仲は良好ながらも、やや反抗期が出始めている。

都内に暮らす鈴木家。物語の始まりは、帰宅後の食卓だった。

息子 あっ、お帰り。父さん。
父 おぉ。今日はもう部活は終わったのか?
息子 もちろん、もうシャワーも浴びて夕飯も終わったよ。
父 じゃあ、父さんも夕飯を食うかな。
息子 父さん、ちょっと相談あるんだけど。
父 ん?
息子 オレ専用のパソコンが、そろそろ欲しいんだ。

鈴木家には、父親専用のパソコンとは別に家族で使えるパソコンを一台用意していたが、母親は料理のレシピ検索や掲示板、弟はWindows OSに付いてきた簡単なゲームを楽しんでいた。息子はもっと使いたいのだが、学業や部活が忙しくなりつつあったため、満足に楽しむことができなかったのだ。

父 専用かあ。うーむ……。
息子 だってさ、母さんや弟が使ってばかりで、オレが学校から帰ってから使おうとすると、いつも「ダメ」って言われるんだよ。
父 誰に?
息子 母さんに。「ご飯食べなさい」だの「お風呂入りなさい」って、のんびりする間もないんだよ。ようやく落ち着いたら「もう寝なさい」だし。
父 だから自分の部屋にパソコンが欲しいんだな。
息子 そう! そうなんだよ!!

一郎は箸を置き、しばし思いを巡らせていた。息子は中学三年生。自分がパソコンに触れたのは、8ビットパソコンが市場に出回り始めた1970年代だが、当時「マイコン」と呼ばれていたものに夢中になっていた。もちろん個人で所有することはなく、近くの大型電気屋に行って、延々と触りまくっていたのだが、その間は寝食を忘れるような集中力で、今にして思えば夢のような時間だった。そのせいか、今の技術系会社に勤めたものの開発系部署とは縁がなく、もっぱらの趣味がパソコンとなってしまった一郎には、次郎の言うこともおぼろげながら理解できるのである。

父 しかしなあ。この不況でボーナスも厳しいしなあ。忙しくて自分でパソコンを組むのも大変そうだし……。
息子 これ見てよ。

次郎がテーブルに置いたのは、パソコンショップのカタログだった。そこには、パソコンショップが用意したBTOパソコンが数多く掲載され、一郎も軽く目を奪われた。そろそろ自分のパソコンを買い換えたいと思っていたところだったため、息子のことを忘れて、スペックを凝視していた。

息子 父さん!
父 おっ、おお。案外安いなあ。
息子 でしょ。BTOパソコンって言って、好きな組み合わせで注文できるんだって。
父 BTOぐらい知ってるよ。今はIntelとAMD、どっちがいいのかな。
息子 よくわからないけど、この小さいのがカッコイイよ。

「Radiant CXシリーズ」

次郎が指を指したのは「Radiant CXシリーズ」だった。机上におけるコンパクトさに惹かれたのだろう。キューブ型デスクトップは、拡張性に乏しいとよく言われるが、同シリーズのAMDモデルのマザーボードは「Shuttle SA76G2」のため、標準でビデオとサウンドがオンボードであるほか、拡張用にPCI Express x16およびPCIの空きが1スロットずつ確保できる。

父 ふむ、小さいけど拡張性も一応あるんだな。ところで次郎、自分のパソコンで何をするんだ?
息子 えっ!? メールとかネットとか……。
父 なんだ、何も考えてないんだな(笑) そうか。そうなると軽いスペックのパソコンでも大丈夫だな。
息子 そういうことはわからないけど、買ってくれる?
父 ちょっとまて。

そうやって話をさえぎった一郎は、リビングに設置したパソコンの電源を入れ、カタログにあったサイコムのURLをWebブラウザに入力した。仕事で培ったのか、長年の趣味で身につけたたまものなのか、さすがにキータイプスピードは速い。Webページが表示されると、「Radiant CXシリーズ」のページから、おもむろに「CX990A76」をクリックした。

父 基本スペックだと44,800円から、か。普通のパソコンより安いな。
息子 ディスプレイはどうするの?
父 しょうがないから、オレのお古をやるよ。キーボードやマウスも必要だな。
息子 新しいのが欲しいんだけどなあ。
父 そのぐらいは我慢しろ。アレだって22インチ液晶だから、買うと高いんだぞ。
■CX990A76のBTO例
CPU AMD Athlon II X4 635
マザーボード Shuttle SA76G2
メモリ DDR2 PC6400 2GB(1GB×2)
ストレージ 250GB/7,200rpm/8MB SATA2
グラフィックス 内蔵
OS Windows 7 Home Premium 32ビット版
参考価格 62,260円

実のところ一郎は、一緒に新しいディスプレイを注文し、自分のお古を押しつける気だった。実際、数年前は高価だった液晶ディスプレイも簡単に手が届く価格帯に落ち着き、そろそろ新しいものに取り替えようと思案していたのだ。例えばBTOオプションで選択できる「LG W2453V-PF」は、1,920×1,080ドットと作業領域が広く、多数のウィンドウを開くユーザーなら手元に置きたいスペックである。プラス22,480円の出費で追加できるのなら、少々無理をすれば決して難しくない。そう考えているところに、次郎の急かすような声が聞こえてきた。

息子 これなら今すぐ注文できるよね? ね?
父 確かに思ったほど高くないな。でも、こっちはどうなんだ?

「Radiant VXシリーズ」

そう言って一郎は「Radiant VXシリーズ」の「VX410G31」に目を向けた。同シリーズは、ミニタワーケースをきょう体にしたシンプルなモデルである。ちょうど一郎が数年前に購入したパソコンに類似しており、マザーボードもマイクロATXフォームのGIGABYTE GA-G31M-ES2Lを採用。通常のデスクトップPCと比較すると、拡張カードとHDDベイ数は若干ながら少なめながらも、一般的なレベルで言えば十分である。

父 かなり安くなるじゃないか。こっちでいいだろう?
息子 うーん、小さくないのは不便だなあ。
父 バカ言うな。こっちのパソコンなら後から機能を足せそうじゃないか。父さんのパソコンだって部品の入れ替えをやったけど、でかい方が簡単だぞ。
息子 そうなんだ……。うーん、わかった! これにする!

出費が一万円以上安く納まり、胸をなで下ろしながらも、先ほどから狙っていた新しい液晶ディスプレイの購入費に回そうと、こっそり微笑む一郎だった。

■VX410G31のBTO例
CPU Intel Celeron Dual Core E3300
マザーボード GIGABYTE GA-G31M-ES2L
メモリ DDR2 PC6400 2GB(1GB×2)
ストレージ 250GB/7,200rpm/8MB SATA2
グラフィックス 内蔵
OS Windows 7 Home Premium 32ビット版
参考価格 47,260円

コラム - 子どもに与えるパソコンのスペックは?

必ずしも子どもがパソコンに触れる必要はないものの、現在の社会生活を踏まえると、早期に買い与えても決して害になるものではない。数年前から、文部科学省では「情報活用能力」の育成を踏まえ、小学校の総合学習において、パソコンやインターネットの活用方法を学ばせるようにプログラム変更を行なっている。すでにお子さんをお持ちの方は、子どもらからパソコンを用いた授業の話を聞いたことがあるはずだ。

子どもとパソコン、というキーワードに立てば、パソコンのスペックは重要ではない。そこに子ども自身が自由に使えるパソコンが存在することで、子どもらはパソコン上で何をすべきか、何ができるかを学ぶチャンスを得られるのである。我々、父親世代の多くは学生時代からコンピュータという世界に触れているため、パソコン自体が趣味になっている方も少なくない。だが、子どもらには単なる道具となるパソコンは、早い時期から与えれば与えるほど、優れた道具として使いこなしてくれるのだ。

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