レノボのビジネス向けモバイルノート「ThinkPad X200」にWiMAX通信モジュール内蔵モデルが登場した。モバイルノートによる業務は、ここ数年でCPU性能が向上し、バッテリー駆動時間も伸び、現実的なものとなってきた。ただ、それでもオフィス内と決定的に異なっていたのがネットワーク環境だ。Wi-Fi無線LANが普及しアクセスポイントも増えたが、どこでも繋がるというわけではない。携帯電話網を利用するWWANも登場したが、転送速度は遅く、料金も高い。そこで、次世代高速無線通信の最有力と見られているのがWiMAXだ。ThinkPadのなかでも最もモバイル色の強いX200に、次世代高速無線通信WiMAXを組み合わせたこのモデルをチェックしていこう。

ThinkPad X200 WiMAX通信モジュール内蔵モデル

ベースモデルはモビリティ性能の高いThinkPad X200

ThinkPad X200 WiMAX通信モジュール内蔵モデルは、外観からは通常のThinkPad X200との違いはわからない。そこでまずはThinkPad X200の基本スペックから紹介していこう。ThinkPad X200の特徴はまず何よりThinkPad Xシリーズ中最小のボディサイズが挙げられるだろう。液晶ディスプレイサイズは12.1型ワイド(1,280×800ドット)で、フットプリントはThinkPad X301など13.3型ワイドモデルよりもひとまわり小さい。厚さに関しては、ThinkPad X301には敵わないところがあるが、小さなボデイはビジネスバッグへの収まりは良好。質量も約1.42kgと軽量クラスだ。

液晶ディスプレイは12.1型ワイド(1,280×800ドット)。モバイルノートとしては標準的かやや大きめだが、このサイズのおかげでフルサイズのキーボードが搭載され、モバイルといっても快適なキータッチが得られる

ThinkPad X200は光学ドライブを搭載しないワンスピンドルモデルだ。光学ドライブはUSB 2.0接続の外付けドライブか、またはThinkPad X200シリーズで利用できる「ウルトラベース」およびそれに搭載した光学ドライブを用意することで利用可能となる。もっとも、最近ではネットブック等の人気から、徐々に光学メディアを利用しないインストール、例えばインターネット経由でのダウンロード販売や、USBメモリをメディアとするパッケージなどが登場しており、そこまで不便ではなくなったのも事実だ。光学ドライブを搭載しないことによるコンパクトさ、軽量さがThinkPad X200のメリットとなってくる。

光学ドライブを搭載しないThinkPad X200だが、ドッキングデバイス「ウルトラベース」と接続することで光学ドライブを利用可能となる。接続用のコネクタは本体底面にあり、装着時は本体と一体化する

ThinkPad X200にはインタフェースも豊富に用意されている。プロジェクタ等と組み合わせられるアナログRGB出力に、3ポートのUSB2.0端子、モデム、ギガビットイーサネット、802.11n対応無線LAN、Bluetooth v2.1 + EDR、メモリカードリーダーに加えExpressCard 34/54スロット。モバイルWiMAXの他にもこれだけの接続手段、通信手段が搭載されており、とくに小さいながらもExpressCardが利用できる点は拡張性という面から見逃せない。

他のThinkPadよりもひとまわり小さなボディだが、ExpressCardスロットやアナログRGB出力、そして有線LAN、モデムといった端子を備えている

また、ThinkPad X200では、CPUに同クラスのモバイルノートと比較して高クロックなプロセッサを搭載していたり、そうしたプロセッサを搭載しつつも長時間のバッテリ駆動を可能としているのも特徴である。今回のWiMAX通信モジュール内蔵モデルの場合、CPUにはデュアルコアのIntel Core 2 Duo P8700(2.53GHz)が採用されている。デスクトップPCに劣らぬパフォーマンスをモバイルできるのがThinkPad X200だ。バッテリは、標準で4セルタイプが付属する。WiMAX通信モジュール内蔵モデルの標準構成では、約3.8時間の駆動時間とされているが、オプションには9セルバッテリがラインアップされており、2倍以上、8時間程度にまで駆動時間の延長が可能だ。