第1回「ThinkPad SL500」はこちら

前回は、レノボ・ジャパンの「ThinkPad」から、コストも含めたトータルバランスが魅力のエントリー・ノートブック「ThinkPad SL」シリーズを取り上げた。今回は、ThinkPadの"エース"格であり、ThinkPadの先進性を象徴するパフォーマンス・ノートブック「ThinkPad T」シリーズを紹介したい。

ディスプレイサイズが15.4型と大きく、作業効率を重視した「ThinkPad T500」(左)と、ひとまわり小さな14.1型のディスプレイを採用し、携帯性とのバランスを重視した「ThinkPad T400」(右)

ThinkPadの特徴をフル装備したプロフェッショナル・ツール

ThinkPad Tシリーズは、デスクトップに匹敵するパフォーマンスと、携帯性&省電力性の両立が特徴の製品だ。ビジネスのあらゆる要求に応えられる、プロフェッショナル・ツールとしての使命を帯びたフラグシップモデルに位置づけられており、Tシリーズであれば、およそ、「ユーザーがThinkPadに期待するメリットは全て網羅している」と考えて問題ない。また先進のインテル vPro テクノロジーを搭載したTシリーズをビジネスに導入することにより、IT部門はPCの運用管理をより完全に行うことができ、データのセキュリティー確保、サポートコストの削減、システムの可用性向上を実現できるだろう。

まずハードウェアを見てみると、性能とのトレードオフがある超低電圧版CPUに頼ることなく、ベース基板設計にまで踏み込んでフルスペックのCPUを搭載していたり、ストレージのSSD化、堅牢性を追求する「ThinkPad RollCage/Hover」デザインの採用、快適な無線ネットワーク接続を約束する「ウルトラコネクト・アンテナ」技術、最新のセキュリティ対策など、挙げだしたら紙面が足らなくなるほど。ソフトウェア面でも、例えば「ThinkVantageプロダクティビティー・センター」の優秀さは定評通りで、使ってみればすぐにわかる、二度と手放せなくなる程の使い勝手の良さはさすがである。

高密度実装基板や、堅固なフレーム「ThinkPad RollCage」など、ThinkPad最先端のハードウェア設計を盛り込んでいる

モバイルでは非常に重要となる無線ネットワークの接続性でも、独自の「ウルトラコネクト・アンテナ」技術で高感度を実現

ThinkPadユーザーにはおなじみの青ボタン「ThinkVantageボタン」。ボタンひとつで「ThinkVantageプロダクティビティー・センター」へアクセスできる

「ThinkVantageプロダクティビティー・センター」のメニュー。システム状態の設定や、サポート情報へのリンク、システムのバックアップ/復旧もサポート

先進性という意味では、「ThinkPad X3xx」シリーズもThinkPadの最先端を行くシリーズだが、薄型・軽量の極限へのチャレンジなど、こちらは"フォーミュラーカー"ライクな、技術アピールの側面が強く打ち出されたシリーズでもある。X3xxシリーズで実用化された技術も、ついでThinkPad Tシリーズの開発にフィードバックされて行く。ビジネスの現場での実績に裏打ちされた、よりオールマイティーなツールが必要であるならば、ThinkPad Tシリーズが最良の選択肢であると言えよう。

ハリボテのスペックではなく、実力本位を追求

さて、ThinkPad Tシリーズの最新ラインナップには、ディスプレイサイズが15.4型と大きく、作業効率を重視した「ThinkPad T500」と、ひとまわり小さな14.1型のディスプレイを採用し、携帯性とのバランスを重視した「ThinkPad T400」、そして今年の6月にTシリーズに新たに加わった「ThinkPad T400s」という幅広い3種類のラインがある。T400sはT400と同様に14.1型のディスプレイを備える製品だが、X3xxシリーズの最新技術を豊富に採用し、薄型・軽量化をさらに進め、より携帯性を高めたTシリーズの新顔だ。

Tシリーズの最新ラインナップとして追加された「ThinkPad T400s」。Tシリーズの常識を打ち破る薄型・軽量化が施された

「ThinkPad T400s」はキーボードの大幅改良でも話題に。イノベーションはTシリーズからはじまるのだ

ひと括りに「Tシリーズ」と言っても、上記のようにラインナップにはそれぞれ強い個性があるが、共通しているのは、先にも述べた、パフォーマンスと携帯性&省電力性の両立という特徴だ。シビアなビジネス向けPCである以上、性能を安易に犠牲にしたPCはThinkPadとしては存在させないという、実力本位のプロフェッショナル・ツールとしての一貫した"哲学"を、武骨なまでに守っているのが、このTシリーズなのである。

では、そのパフォーマンスと携帯性&省電力性の両立という点を、少し具体的な機能例でも説明しておこう。特にわかりやすいのは、T500/T400が備える、バッテリ寿命を最大限に延ばせるチップセット内蔵グラフィックスと、強力なグラフィックス性能を活用できる外付けグラフィックスチップをワンクリックで切り替えられる「スイッチャブル・グラフィックス」機能だろう。

「スイッチャブル・グラフィックス」機能の実際の切り替え画面。簡単かつシームレスな切り替えが可能だ

同機能は、よくある切り替え時にシステムの再起動が必要なものではなく、システムを起動したままでも簡単な手順で切り替えが可能という、ThinkPadシリーズらしい実用的なものに仕上がっている。実際に使ってみると、切り替え手順は、タスクバーのバッテリアイコンの左クリックメニューから任意のグラフィックス機能を選択するだけといたって簡単。一部のアプリケーションをのぞき、アプリケーションを起動したままの状態でも画面が乱れることもなく、非常にスムーズに完了できる。

ドッキングデバイス製品の例。ポートリプリケータの機能を内蔵していたり、バッテリ拡張の機能を備えるものなどもあり、一見地味だがメリットは大きい

他にも、ドッキングデバイス製品などに代表される豊富な周辺機器オプションも、スイッチャブル・グラフィックスと同様の優位性を提供してくれる。ThinkPad Tシリーズでは、T500からT400sまで、ありとあらゆるビジネスニーズに対応できる広範かつハイ・バランスなラインナップを取り揃えるだけでなく、ドラスティックなビジネスの現場であっても常に最適なパフォーマンスを発揮できる柔軟さも確保しているのだ。初期導入コストこそスタンダードな製品に比べ上昇してしまうかもしれないが、そのコストに見合うだけのメリットは容易に実感できることだろう。

主な仕様T400(お買い得 ビジネスOSパッケージ)
[プロセッサー]インテル(R) vPro(TM) テクノロジー搭載 インテル Core 2 Duo プロセッサー P8400 (2.26GHz 1066MHz 3MBL2) [初期導入OS]Windows Vista Business 正規版 [ディスプレイ]14.1型液晶(WXGA) [グラフィック]Intel グラフィックス・メディア・アクセラレーター X4500 [メモリー]1GB PC3-8500 DDR3 (1スロット使用) [ハード・ディスク・ドライブ]160GB ハード・ディスク・ドライブ (5400rpm) [オプティカル・ドライブ]DVDスーパーマルチ(2層)(ウルトラベイ・スリム) [WEB直販価格] 119,910円(2009年8月12日現在)

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