低価格なネットブック・ネットトップが登場し、パソコン自体の導入コストは相当下がってきている。しかし、例えば子供の成長記録ビデオの管理を任されてしまったお父さんなどには、映像編集ができるレベルの高性能パソコンがやっぱり欲しい。相応なコストに、お父さんはさぞかし苦労しているところだろう。どうしたものか……ということで、今回は10万円以下から選べるクアッドコアCPU搭載PC「Prime Monarch QX」を紹介したい。
Prime Monarch QXは、PCパーツショップ「ドスパラ」のオリジナルPC。なかでもインテルのクアッドコアCPU「Core 2 Quad」を搭載することでCPUパフォーマンスをとことん高めたモデルだ。今回チェックするのは「Core 2 Quad Q9550(2.83GHz)」を搭載した上位製品の「Prime Monarch QX Q9550モデル」。このスペックで89,980円(執筆時点)というお買い得モデルだ。ちなみに、サイズ的にはミドルタワーであり、デスク下に収めるPCとしては標準的なサイズだ。写真でお分かりの通り4段分の5インチベイに、2基分の3.5インチベイを備えた拡張性の高いケースが採用されている。
今回はPrime Monarch QX Q9550モデルを標準構成で用意した。ドスパラのPrimeシリーズは、注文時のカスタマイズに対応しており、望むのであればもっと高性能なPCとしても、もっとコストを切り詰めたPCとしても構成可能だ。ただ、この標準構成の価格、パフォーマンスのバランスはなかなかのもの。10万円以下でありながら、映像編集を目的とした高負荷な用途でも十分快適なスペックである。さて、さっそく内部の構成をチェックしてみよう。
側面板の取り外しはレバー2つと背面の手回しネジひとつ。HDDの増設作業など、PC内部へのアクセスは簡単だ |
Prime Monarch QXには、左の写真の左上にあるパンチング部と直結する導風ダクトが装着されている |
CPUは先述の通りCore 2 Quad Q9550(2.83GHz)。これに合わせるマザーボードはIntel P45 Expressチップセットを搭載した「MSI P45NEO-F」。P45チップセットはメインストリーム向けとしては上位と言って良い構成だ。メモリは標準的なPC2-8500(DDR2-800)メモリであり、計4GB搭載している。映像編集と言えばCPUパワーとメモリの搭載量がものを言う世界。最初から4GBという大容量なので、こうした用途にも安心してオススメできる。
計4コアを1つのCPUパッケージに収めたIntel Core 2 Quad Q9550を搭載 |
ダクトとグラフィックスカードを外すと、「MSI P45NEO-F」マザーボードが現れる。PCIスロット×3本、PCIe x1スロット×2本と拡張性も高く、ビデオキャプチャカードを追加搭載するにも好都合 |
導風ダクトがしっかりとCPUクーラー上に配置されており、CPUは常に冷たい外気で直接冷却される仕組みだ |
メモリはDDR2-800メモリを採用。標準構成で2GB×2枚なので、32bit OSを利用している間はとくに増設の必要は無いだろう |
HDDはSATA II接続で7,200rpm、容量500GBの製品を搭載している。一般的なPCであれば十分な容量だが、フルHDビデオを扱う際にはやや少ないかもしれないので、その場合はカスタマイズしてより大容量なドライブを選んでいただきたい。光学ドライブは全てのDVD規格に対応したスーパーマルチドライブ。DVD-R書き出し20倍速の高速ドライブなので、ビデオのDVD-R保存もストレス無く快適。もちろん、より高画質な映像を残したいならBlu-rayドライブのオプションも用意されているのでチェックしてみよう。
SATA II接続のHDDを標準採用。大容量HDDの安い今なら、HDビデオ編集に必要な大容量ストレージも低価格で導入できる |
光学ドライブにはDVDスーパーマルチドライブを搭載。カスタマイズでBlu-rayドライブにも変更可能だ |
そしてグラフィックスカードはメインストリーム向けのGeForce 9600 GTカードを搭載している。映像編集に最新グラフィックスカードは要らないのでは、と思うかもしれないが、実は昨今このグラフィックスカードが映像編集用途で注目を集めているのだ。2008年末から2009年にかけて、映像編集ソフトではグラフィックスチップによってビデオエフェクトをリアルタイムで適用したり、エンコードを高速化したりといった製品が登場してくる。これまでは全てをCPUで計算していたのが、今後はCPUとGPU双方を使うというように、大きく変わってくるのだ。これによるアクセラレーションは、従来のように数パーセント、数十パーセントといった比ではない。とても処理が重くて諦めていたような作業もGPUを活用することでサクサク動作してしまうような時代へと変わってくるだろう。こうしたソフトウェアに備えるためにも、メインストリームクラス以上のグラフィックスカードを積んでおくことをオススメしたい。
グラフィックスカードにはGeForce 9600 GTを採用。さらに高性能なグラフィックスカードにも変更可能だ。GPUアクセラレーションに対応したアプリケーションの登場を考えると、メインストリームクラス以上のカードを搭載しておきたいところだ |
ここでドスパラPrimeならではのオプションを紹介しておこう。Prime Monarch QX前面の5インチベイにはまだ3段分の空きがある。この3段分のスペースを使い、ビデオ編集におけるHDDの容量問題を一気に解決してくれるのが「テラパック」(詳細はこちら)というオプションだ。ビデオを扱っている方はご存じかもしれないが、フルHDビデオは1時間8GBほどの容量を要する。とにかく撮りためてから、そしてベストショットをピックアップするような使い方をしていると、あっと言う間にHDDがパンクしてしまうのだ。テラパックは5インチベイ3段に4台のHDDを搭載できるHDDケースとそこに搭載するHDDと思って頂ければよい。そして、HDDは前面から交換できる構造であるため、いちいちケースを開けることなく、足りなくなったら追加や交換していける。映像編集PCには特にオススメなオプションだ。
Prime Monarch QXは、映像編集作業を想定しても余裕なパワーと拡張性を備えているのがお分かりいただけただろう。今のパソコンのパフォーマンスに満足していないのであれば、冬のボーナスがまだ残っているうちにひとつ検討してみてはいかがだろうか。もちろん映像編集だけでなく、このパフォーマンスがあればゲームがしたい、地デジを録画したいといったお父さんの趣味の分野でも活躍することだろう。
■レビュー機の主な仕様 | |
製品名 | Prime Monarch QX Q9550モデル |
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CPU | Core 2 Quad Q9550(2.83GHz) |
メモリ | DDR2-800 2GB×2=4GB |
マザーボード | MSI P45NEO-F |
チップセット | Intel P45+ICH10 |
グラフィックス | GALAXY 96GFF6HUFEXX(GeForce 9600 GT 512MB DDR3) |
HDD | HGST HDP725050GLA360(SATA/500GB/7200rpm/16MBキャッシュ) |
光学ドライブ | LG GH20NS10BL3(20倍速DVDスーパーマルチ) |
電源 | SilentKing4 550W改 |
OS | 無し |
価格 | 89,980円 |
(マイコミジャーナル広告企画)
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