家中どこでも自由に持ち運べる15.4型ワイドのVAIO「type L」は、手軽な操作で音楽や地上デジタル放送の視聴が楽しめる「ボードPC」。今回は、家にいるときには「type L」、外出するときには“ウォークマン”「NW-S739F/ST」で映像と音楽のあふれる毎日を楽しんでみた。

15.4型ワイド液晶のエンターテインメントPC「type L」

今回使用したVAIO「type L」15.4型ワイドのオーナーメードモデル「VGC-LJ92S」と、ポータブルオーディオプレーヤー“ウォ-クマン”「NW-S739F/ST」。いずれもソニースタイルオリジナルモデルだ

15.4型ワイド液晶搭載のVAIO「type L」は、本体背面のハンドルを持って、家中どこでも手軽に持ち運べる「ボードPC」。クリアパネルを使用した浮遊感のあるデザインが魅力的なデスクトップ型のPCだ。キーボードは閉じて収納することができ、閉じた状態なら、奥行き約14cmと置き場所を選ばない。約3時間使えるバッテリーを内蔵し(※1)、ワイヤレスLAN機能を使えば、ケーブルレスで作業ができる。

PCを使わないときには、キーボードを閉じた状態で、音楽プレーヤーとしても使えるので、常に音楽のある生活を楽しむことができる。専用の音楽再生ソフト「SoundFLOW」では、気分やシーンに合わせた「おまかせチャンネル」を選択するだけで、音楽CDやVAIOのハードディスクに取りためた音楽から自動選曲してくれる。チャンネルは、楽しい曲を集めた「ファイン・デイ」、しっとりとした曲を聴きたいときには「レイニー・デイ」など感覚的なものや、時間帯に合わせたおすすめの曲が聴けるものが用意されている。

さらに「SoundFLOW」では、キーボードを閉じた状態の画面半分の壁紙「スクリーンアイテム」を換えて雰囲気を変えることもできる。この壁紙は、最初から入っている14種類に加え、購入特典として、ソニースタイルオリジナルデザイン9種類がダウンロードできるようになっている。

※1:プロセッサーにCore 2 Duoを選択した場合。

キーボードを閉じると「SoundFLOW」が起動して、壁紙や時計、カレンダーを表示できる。タイマー設定で目覚ましとしても使える。本体向かって右側にあるアクリルパネル部のクリアタッチボタンを使えば、音楽プレーヤーとしても使える

DVDドライブはスロットローディング方式。音楽CDをすっと挿入して、アクリルパネルの透明なボタンで再生や停止、音量操作ができる。なお、暗い部屋でディスプレイの光が気になるときには、電源スイッチの脇にある「DISPLAY」ボタンを押せば、ディスプレイが消える

ラインアップはデスクトップ。でもその心は……

15.4型のVAIO「type L」は一体型デスクトップ「ボードPC」のラインに含まれている。しかし、24型や20.1型の「type L」や「type J」、「type R」といった他の「ボードPC」とは異なり、姿形は小さく、なんと言っても持ち運べる手軽さが異彩を放っている。スペックを見てみると、チップセットは、ノートPC向けのモバイル インテル GM965 Expressまたはモバイル インテル GL960 Expressが搭載されるようになっている(※2)。つまり、見かけはデスクトップPCだが、心はノートPCというわけだ。フットワークの軽いデスクトップがあってもいい、そんな要望に応えた1台だともいえるだろう。なお、モバイル インテル GM965 Expressおよびモバイル インテル GL960 Expressは、いずれも卓越した3Dグラフィックス性能を誇る「モバイル インテル グラフィックス・メディア・アクセラレーター X3100」を内蔵。ビデオやテレビを美しく鑑賞することができる。

※2:プロセッサーにインテル Core 2 Duo プロセッサー T8100を選択した場合、モバイル インテル GM965 Express、Celeron プロセッサー 550を選択した場合、モバイル インテル GL960 Expressが搭載されます。

本体左側面には、上からPCカードスロット、ExpressCardスロット、“メモリースティック”スロット、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力と主なメディアのスロット類が並ぶ。右側面には、DVDスーパーマルチドライブ、USBコネクター×2が並ぶ

開閉型のキーボードは、薄型なのにしっかり打てて頼もしい。右端には、FeliCaポートとタッチパッドがある。キーボードを閉じれば、奥行き約14cmの省スペースとなる(本体傾斜時)

リアカバーを外すと、スタンドの脇にはLANコネクターと電話回線ジャックがあるのがわかる。ずらりと縦に並ぶのは、上からi.LINK端子、マイク入力、オーディオライン入力、光デジタル出力、USBコネクター×3。その右側にはワイヤレスON/OFF切換スイッチがある

地デジの視聴と録画は「TV Enhance for VAIO」で

VAIO「type L」では、VAIOオーナーメードでテレビチューナーを選択すると、地上デジタル放送を楽しむことができる。地上デジタル放送を受信するには、B-CASカードの挿入と地上デジタル放送対応のUHFアンテナ線の接続を行い、地上デジタル放送の視聴・録画を行うソフトウェア「TV Enhance for VAIO」で初期設定を行うだけ。設定は、地域設定やチャンネルスキャンなどを、ウィザードの画面の指示に従うだけで完了する。

B-CASカードの挿入位置は本体の背面、ハンドルの手前にある。右の写真は、地上デジタルテレビの同軸ケーブルを接続したところ。スタンドの後ろには、電源入力端子、サブウーファースピーカーもある

「TV Enhance for vaio」で番組を視聴しているところ。しっかり見るなら全画面で、他の作業をしながら見るなら小さくウィンドウに表示して見られる

番組内で紹介された商品や店舗の情報、CMの詳細情報は、「Video Explorer」で閲覧できるから、あわててメモを取る必要もない(参考画面)

「TV Enhance for VAIO」の録画機能は、見たい番組を予約録画したり、番組視聴中に気になる場面をその場で録画することもできる。録画した番組は、DVDへ書き出すことも可能だ。ただし、地上デジタル放送を録画する際には、「ダビング10」対応のアップグレードが必須となるため、事前に必ずVAIO Upgradeを実行しておこう。アップグレードを行わないでDVDの書き込みを行うと、コピー制御機能「CPRM」対応のディスクとなり、再生環境(WinDVD)をCRPMコピー制御対応にするまでディスクが読めないなど、面倒な作業が発生することになるので気をつけよう(何を隠そう、著者は失敗したからこそ気づいたことなのだ)。

“ウォークマン”史上最薄ボディ「NW-S739F/ST」

ポータブルオーディオプレーヤー“ウォークマン”「NW-S730」シリーズは、サイズW約42.9mm×H約89.5mm×D7.5mmと“ウォークマン”史上最薄ボディ。なかでもソニースタイルオリジナルモデル「NW-S739F/ST」は、“ウォークマン”として初めてアルミ素材にエッチング加工を施したスペシャルモデル。輝度感を維持しながら、独特の凹凸を持たせたハードな仕上がりになっている。さらに、側面には、しっとりとした感触を持つ塗料を使用して、素材感の違いを楽しめるようになっている。

容量は16GB、ディスプレイは2.0型TFTカラー液晶。高精細な画面につい見入ってしまう。サイズはW約42.9mm×H約89.5mm×D7.5mmと“ウォークマン”史上最薄のボディだ。ソニースタイルオリジナルモデル「NW-S739F/ST」独特のキラキラ感は、他のモデルとの違いを際立たせる

付属のヘッドホンを挿入して、背面下にある「NOISE CANCELING」スイッチを左にすると、ノイズキャンセリング機能が有効になる。好きな音楽に集中したいときなど、周囲のノイズを抑えたいときにありがたい機能だ

“ウォークマン”Sシリーズは、10種類のテーマと壁紙がプリインストールされている。お気に入りの写真を壁紙に設定することもできる