第3回「キーの下にある「打ちやすさ」の秘密」はこちら
今回はドッキング・ソリューションを取りあげる。前回はThinkPad X300を例に話しを進めたが、現時点で、X300用にはドッキング・ソリューションと呼べるアイテムが登場していないため、ちょっと古いモデルだが、ThinkPad X40などに対応したウルトラベース X4を例に紹介していこう。
オフィスとモバイルをシームレスに
ThinkPadシリーズの特徴として避けられないと思うのは、ドッキング・ソリューションなどの周辺機器の豊富さだ。ドッキング・ソリューションは、主にノートブックPCをデスクトップのように活用する際のケーブルマネジメント、そしてインタフェースやデバイスを補う用途に用いられる。ThinkPad用のドッキング・ソリューションは、大きく分けて「ウルトラベース」と「ドック」、「ポート・リプリケーター」の3種類に分けられている。前2つの製品は、ThinkPadシリーズに搭載されている専用の拡張ポートを用いて接続するが、ポート・リプリケーターに関しては拡張ポートを使う従来の製品と、USB端子に対応した最新の製品とがある。
今回紹介したウルトラベースは、基本的にThikPad Xシリーズの世代ごとに用意されている。ウルトラベースは製品名の頭または末尾に「X(数値)」と付いており、この数値の部分が世代を示す。ThinkPad X6xシリーズに対応しているのは「ウルトラベースX6」。最新の ThinkPad X200シリーズに対応するのは「ThinkPad X200ウルトラベース」である。「ThinkPad X200ウルトラベース」では、内蔵バッテリーチャージャー搭載により、スペアバッテリーの充電が可能となるなどいくつかの新機能が追加されている。
なお、XシリーズのなかでもThinkPad X300だけは拡張ポートを持たないことからウルトラベースは用意されておらず、USBポート・リプリケーターでの対応となる。
さて、写真の製品は「ウルトラベース X4」。実際に筆者がThinkPad X40で使っていたものだ。このウルトラベース X4を使ってドッキングデバイスがどのようなものかを見ていこう。まずは背面の端子。左からPS/2ポート、USB2.0ポート×3、モデムポート、ギガビット対応イーサネット・ポート、パラレル・ポート、シリアル・ポート、D-Sub15ピン・ディスプレイ・ポート、そしてACアダプタジャックがある。ウルトラベースを使っていると、普段はこのウルトラベースにACアダプタおよびイーサネットケーブルなど各種ケーブルを接続しておくことになる。
ウルトラベースの左側面にはデバイス・ベイがある。レノボの規格としては「ウルトラベイ・スリム」に対応するベイであり、筆者の場合はThinkPad X40が1スピンドルノートだったため、ここにDVD-ROMドライブを装着していた。デバイス・ベイ式をとっているため、光学ドライブ以外にも、「ウルトラベイ・スリム セカンドHDDアダプター」を介してセカンドHDDを搭載することも可能だ。一方、右側面には着脱用のボタンとレバーがある。このボタン & レバー式で着脱できるところも手軽で気に入っている。稼働中のThinkPad本体を取り外し持ち歩きたい時には、まずボタンを押す。すると「ハードウェアの安全な取り外し」が一括で行われる。このボタンひとつというところがポイントだ。
ウルトラベースの左側面には、ウルトラベイ・スリム対応ベイがある。右端のラッチはベイデバイス固定用、その横はベイデバイス取り外し用のレバー、左端はセキュリティロックスロット |
左から着脱用レバー、「ハードウェアの安全な取り外し」を行うボタン、右端にはデバイスをロックするセキュリティキーも用意されており、オフィスでの利用も安全 |
筆者の場合、出張時などでもこのウルトラベースを持参し、キーボード、そして外付けHDDなどを接続しておく。自宅の環境に限りなく近い構成を用意しておくのだ。そして、例えば出先のホテルのLANも繋いでおくことで、取材からホテルに戻ればデータをバックアップ、そして打ち慣れたキーボードで執筆を進められるという具合だ。いざとなればウルトラベースを装着したまま、2スピンドルノートの感覚で持ち運べること、なによりボタンひとつで着脱できるベース(基地)的な使い勝手が筆者の心をつかんで離さない。
ドックに関しても少し紹介しておこう。モバイルノート向けのウルトラベースに対し、さらにパワーを求められるモデル向けのドックでは、ケーブルマネジメントに加え、拡張ボックスという側面もある。ThinkPad Tシリーズなどが対象となる「アドバンスド・ドック」を例に挙げると、各種ポート類に加え、「ウルトラベイ・エンハンス」対応デバイスベイが1基、そしてグラフィックスカードを含むハーフサイズのPCI Express(帯域は1レーン)カードが挿せる拡張スロットを備えていたりする。デスクトップに近づく拡張性をもたらすとともに、合計2つのデバイス・ベイによりさらに柔軟な構成も可能だ。
一昔前であれば、独自のドッキングデバイスもめずらしくはなかったのだが、最近ではUSB周辺機器やワイヤレス通信が普及したため、これが少なくなってきている。考えてみれば、こうしたオプションをいちいち用意することは、メーカーにも負担なのだろう。ただ、筆者のように、これがあることで利便性が高まるというユーザーは確実に存在する。そういったニーズを細かく汲んでくれるからこそ、ThinkPadシリーズに信頼を置くという面もあるのだ。
(マイコミジャーナル広告企画)
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