10万円を切る低価格が魅力のタブレットPC「HP Pavilion Notebook PC tx2505/CT」。AMDの新プラットフォームを採用した秋冬モデルのパワーアップ具合を、実機を用いて検証する。なお、今回使用した実機のスペックは、AMD Turion X2 Ultraデュアルコア・モバイル・プロセッサ ZM-80(2.1GHz)、物理メモリ4GB、HDD250GBとなっている。
低価格タブレットPC「tx2505/CT」 |
秋冬モデルにおける最大の変更点は、AMDの次世代ノートPC向けプラットフォーム「Puma」を採用している点にある。これは、CPUにTurion X2、チップセットにAMD M780G、グラフィック機能にATI Mobility Radeon HD 3000シリーズなどを配し、ブルーレイやHDコンテンツに対応した優れたグラフィックス性能と高速なワイヤレス通信、長寿命のバッテリを提供するものだ。
tx2505の上位モデルに搭載されるTurion X2 Ultraは、モバイル向けに開発されたデュアルコアCPUで、従来の2倍にあたる各コア1MBずつのL2キャッシュを備えている。
かけられる負荷に応じて電圧と動作周波数を切り替える機能を有しており、省電力性能の面でも優れている。駆動時間は4セルバッテリーで約2時間12分、6セルバッテリーで約3時間14分。
プラットフォームの刷新に伴い、物理メモリも高速化した。従来はPC2-5300(DDR2-667)だったが、今回からPC2-6400(DDR2-800)をサポートしている。また、BTOにおいては1GB(512MB×2)/2GB(1GB×2)に加えて、最大4GB(2GB×2)まで搭載することが可能となった。HDDは従来通りシリアルATA、5400rpmの250GBを内蔵する。
ハードウェア面で一番上積みの多いのがグラフィック機能である。AMD M780Gチップセットは、ノースブリッジにDirectX 10対応の「Mobility Radeon HD 3200」を統合しており、内蔵グラフィックとしては高いパフォーマンスを発揮してくれる。
また、本製品では現在のところブルーレイディスクドライブの搭載はできないが、ブルーレイディスクのデコードに特化した「Unified video decoder」を搭載。MPEG2、VC-1、H.264のフォーマットをサポートしており、高解像度のHDコンテンツを、CPUに大きな負担をかけることなく再生できる。
グラフィックのコアクロックは500MHz、メモリクロックは400MHz。物理メモリを4GB搭載時で、最大1470MBのビデオメモリを割り当てている。以前のモデルでは高ビットレートの動画を再生するともたつく場面も見受けられたが、評価機ではスムーズな映像を楽しめた。元々ゲーム用途のモデルではないため動きの激しいフル3Dゲームなどには適していないが、最高画質に設定しない限りある程度のゲームは十分に遊ぶことができるだろう。