パソコンのデザイン性の高さを追求し、オリジナル商品の統一コンセプト「NEC Direct ORIGINAL PROJECT」を発表したNEC Direct。「デザイン」「エコ」「ファッション」「アクティブライフ」の4つの柱で、新しい展開を企画中だ。
そこで、デザインPCの第一弾として発売された「木村敏子モデル」の木村敏子氏を中心に、アートディレクション担当のくろやなぎてっぺい氏、そしてNECパーソナルソリューション事業部の柳田球地氏、同じく中務幸子氏にお話をお聞きした。インタビューを記念して、すてきな読者プレゼントもご用意! 詳細はインタビューの最後にて。
(左)イラストレーター木村敏子氏 (右)アートディレクター くろやなぎてっぺい氏 |
天板を「ギャラリー」に見立て、何か飾れるようなデザインを目指す
--今回、「NEC Direct ORIGINAL PROJECT」のデザインPCに木村敏子氏のイラストを起用した経緯と、狙い、商品コンセプトなどをお聞かせください。
「NEC Directは、NECだからこそできることをコンセプトに運営」中務幸子氏 |
NECの直販サイトであるNEC Directでは、「NECだからこそ、できること」をコンセプトに運営しています。私たちは、そのNEC Directのオリジナル商品を企画・開発をしている部隊になります。
企画をいろいろと考えていく中で、私たちはパソコンの天板のスペースに注目しました。みなさん、お部屋の壁に絵やポスターを飾ったりすることがあるかと思います。そこで、私たちはパソコンの天板の部分を「ギャラリー」に見立て、「何か飾れるようなスペースとしてデザインしていこう」というコンセプトが生まれました。
今回のデザインPC「木村敏子モデル」は、くろやなぎさんとの出会いから始まりました。東京国際アニメフェアに、くろやなぎさんが個人でブースを出していて、そこでお声をおかけしたのがきっかけです。
くろやなぎさんとアート系デザインPCの企画検討を進める中で、くろやなぎさんにアートディレクションという形でのご参加を相談しました。
そして、くろやなぎさんからの提案のひとつに、木村敏子さんのイラストを使ったデザインがあったのですが、木村さんのイラストがとても素敵で、NECのメンバーもひと目で気に入ってしまったことから、この企画がスタートしました。
デザイン、エコ、ファッション、アクティブライフの4本柱で展開
--今までは、アニメのキャラクターなどが多かったかと思いますが、アート系のイラストを採用する経緯を教えてください。
NECパーソナルソリューション事業部 柳田球地氏今回のコンセプトは、「部屋の雰囲気やインテリアに合うデザインパソコン」です。部屋の中に溶け込むような、日常生活の中でパソコンであることを意識させない商品を作りたいと考えています。 極端に言うと「パソコンの機能を持った絵画」みたいに感じてもらえるものができれば理想ですね。
2008年の2月5日、木村さんのイラストを採用したデザインPCと、エコPCを発表しました。そのとき、「NEC Direct ORIGINAL PROJECT」のコンセプトも発表させていただいています。
基本的な柱は、「デザイン」「エコ」「ファッション」「アクティブライフ」の4本です。その中のデザインプロジェクトの第一弾が、木村敏子さんのデザインということです。もちろんこの「NEC Direct ORIGINAL PROJECT」の中で、ファンの方々をターゲットにしたキャラクターや芸能人とのコラボレーションによるオリジナル商品も、継続して企画していきたいと思っています。
カラーイラストデザインモデルとアニマルデザイン刻印モデルを並べる関係者(左から中務氏、木村氏、くろやなぎ氏) |
キャンディの包み紙のようなイメージで、パソコンを包むコンセプト
--パソコンの天板のデザインとして、木村氏の商品をディレクションするにあたり、気をつけたことはありますか?
「初めにこのお話をいただいたときから、木村さんの絵がピッタリ合うのでは」と感じたという、くろやなぎてっぺい氏 |
最初、NECにご提案したのは8シリーズぐらいだったかと思います。男性や女性、20代や30代など、ターゲットもいろいろと分けてデザインしました。
僕は以前から木村さんの隠れファンということもありましたが、一番初めにこのお話をいただいたときから、木村さんの絵がピッタリ合うのではないかと感じていました。このお話のあと、すぐに木村さんに電話をして、過去の作品を借りに行きました。
時間をかけて、ラフイメージをいっぱい出しました。僕の一押しという提案になっていたと思います。そして、そのまま採用していただいたというのが経緯です。実は、木村さんとお仕事をするのは、今回が初めてです。ずっと一緒に仕事をしたいと思っていました。
--パソコンにデザインするということで、木村氏のイラストの作品をどのようにセレクトしていきましたか?
大きなテーマとして、パソコンは一般的に、精密機械で価格が高いというイメージがありますよね。そして、まだまだビジネス色が強い中で、それをどう払拭していくか、新しいユーザーを開拓していくかというのが今回の大きなテーマでした。木村さんの絵は、普段モノクロが多いのですが、そのモノクロの絵を料理の仕方でいろいろな表情が付けられると思います。
キャンディの包み紙のようなイメージで、パソコンを包めないかということを考えました。とにかく、デザインプロジェクト第一弾目でしたので、なるべく派手な感じにしたかったというのがありますね。
--街中の風景やカフェ、動物など、バリエーションをわけていますが、その辺の狙いはどのようにお考えですか?
カラーイラストデザインモデルのほうは、大きなくくりとして、「とある町の人々」をテーマにしています。架空の街に住んでいる人々のつながりや、いろいろな角度からの視点というのを意識して、セレクトしました。これらの街の名前は、木村さんがつけています。
逆に、アニマルデザイン刻印モデルはアイコン化できるイラストがいいと思いまして、線の美しい作品をセレクトしています。ただ、細かすぎる動物は、はずさせていただきました。パっとみて、認識できる物をチョイスしました。今回の刻印はレーザーマーキングの技術で、極細の線が使えるのが特徴でしたので、アウトラインの細い線が見事に再現できていますので、うまくいったと思います。