先日、社内メールで1カ月後に社内のTOEICがあることを知った。この夏は発音に力を入れようと思っていた矢先だったが、急遽予定を変更し、TOEICスコアアップに重点を置くことにした。名づけて、

ひと月でTOEIC 50点アップ大作戦!

3年前の955点から下がり続けて、今年の3月には875点までになってしまったスコアを何とか50点アップさせたい。今回は925を目指したいと思う。

この作戦を通して、

  • TOEIC対策というものは本当に効果があるのか?
  • これまで蓄えてきたHack系知識は有効なのか?
  • ヒトはどこまでやれるものなのか?

こういったことを検証していきたい。

うーん。発音学習より楽しそう! 久しぶりに英語の勉強のやる気が出てきた感じ!!

このワクワク感はなんともいえない高揚感を与えてくれる。しかし同時に、私の長年の英語学習経験から、この高揚感は長くは続かないこともわかっている。

はじめのやる気というものは、あっという間に失われ、自分ってだめだなあと思う。弱いもの、それが人間だ。

やる気を出させる仕組みとして、今回はマネジメントシステムを使ってみたい。皆さんはPDCAという言葉を聞いたことがあるだろうか。

PDCAとは、plan-do-check-actのサイクルを回しながら業務を改善していく手法であり、それぞれ次のようなことを行う(以下、wikipediaより)。

  • Plan(計画) … 従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  • Do(実施/実行) … 計画に沿って業務を行う
  • Check(点検/評価) … 業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
  • Act(処置/改善) …実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

CheckとしてTOEICを年に一度受ける方法もあるが、今回は1週間でPDCAを回すため、Checkは別の方法で確認する

このPDCAを英語学習に適用しようと思う。以降は、ひと月でTOEIC50点アップ大作戦!のためのPDCAなので、内容が特化している。皆さんも自らの目標に向かって、自分なりのPDCAを作るとよいだろう。

まず、Planであるが、今後1カ月間の学習計画を以下のように立てた。

(1) TOEICにおける自分の弱点を知るために、『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』を解く。この問題集にはTOEIC 2回分の問題があるので、まずは1回分を本番の時間通りに受けてみる。

<解説> TOEICでは、問題用紙を持ち帰れないので、自分が間違えた問題を確認することが難しい。そのため効果的な対策をするためには模試を受けて、どのパートのどんな問題を間違えたのかを確認することが有効だ。TOEICを受けたことのない人も模試を受けて、テスト形式に慣れておくことはやっておいたほうがよい。

(2) 間違えた問題を分析して自分の弱点、どのパートが弱いか、どんな問題が弱いか、を把握する。

(3) TOEIC新公式問題集での復習が終わったら、手持ちの別のTOEIC問題集を使い、弱点部分を中心に勉強する。

<解説> 最近読んだ『STUDY HACKS!』に書いてあったことだが、大人の勉強時間は限られているので、資格試験の勉強法としては、間違えた問題を中心に繰り返すことが効果的だということだ。TOEICでいうと正解率の低いパートを中心に学習すべきだ。

(4) TOEIC新公式問題集vol.3の2つ目の模試を解いて、弱点が改善したかを確認する。

(5) 補強されていない弱点に対する対策を講じる。

<解説> 1カ月間全体で見れば、(1)(2)がPで、(3)がD、(4)がC、(5)がAということになる。本番のTOEICで英語力を定期的にCheckするという、本来のTOEICの使い方の場合のPDCAである。ただし今回は1カ月後がゴールなので、PDCAを1週間単位で回したい。そのための毎週のCheckのやり方については次回説明する。

(6) 勉強時間と場所を確保する。

  • 通勤時(片道1時間)に、いつも聞いている日本語のPodcastをやめて、英語のAudio Bookを聞いて耳を英語耳にする。
  • 夜は上記(2)(3)を30分、土日は1時間は行う。
  • 夏季休暇が1週間あるので、毎日2時間をTOEIC学習に当てる(無理かなぁ)。
  • 場所は自宅を基本とする。集中できないときは喫茶店などで勉強する。計画が遅れてきた場合は通勤の朝、最寄り駅のファストフード店に立ち寄り、学習時間を確保する。

(7) やらないことを決める。

  • 朝はテレビをつけずに、さっさと出勤。
  • 夜や休日はその日のTOEIC学習が終わるまでテレビをつけない(自分への報酬その1)。
  • 本は1日のTOEIC学習が終わった後に読んでもよい(自分への報酬その2)。

<解説> これは重要。なぜなら、上のようなことを新しく始めるためには、今までやってきた何かをやらないようにしないと、時間が24時間では足りないからだ。今回は、テレビと本にあてる時間を減らしたいと思う。

以上、今回はPDCAのPについて計画してみた。次回以降、進捗をリアルタイムで報告していきたい。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる