編集部注: 本稿は、2012年8月3日にAndorid情報のWeb専門誌「AndroWire」に掲載した記事を再構成したものです。

JellybeansことAndroid 4.1には、「Google Now」(以下「Now」と略す)というどこかで聞いたような機能がある。これは、アンドロイドのグーグル検索機能に統合されているもので、現在の場所や時間、予定などの情報を元に、ユーザーの指示を受ける前に情報を提供する機能だ。

「Now」は、状況に応じて、「カード」と呼ばれる情報を提供する。カードのは、さまざまなタイミングで通知される。また、カード自体は、Googleの検索アプリ内で表示が行われる。このGoogle検索アプリや音声検索アプリ内では、検索結果を利用したカードも表示されるようだ。たとえば、「マイナビ」を検索すると、「マイナビ」を目的地とした「交通状況」カード(後述)が表示される。

「NOW」は、GPSや無線LANなどを使って位置情報を取得し、カレンダーの登録情報へアクセスする。これらを使って、ユーザーの居場所(スマートフォンが存在している場所)から、さまざまな判断を行いカードを表示させる。また、「自宅」と「勤務先」の設定により、通勤や通学などに関連する情報を表示する。

Google検索アプリは、画面下部から画面上部へ向かって指をスライド(スワイプ)させることで起動が可能だ。また、ホーム画面には、常に音声検索を起動するGoogleバーが表示されている。

Android 4.1には、サンプルのカードを表示するデモ機能があり、それによると、以下のような情報(カード)を表示する。

  • 交通状況
  • 公共の交通機関
  • フライト
  • スポーツ
  • 次の予定
  • 翻訳
  • 通貨
  • 自宅の時間
  • 場所

「交通状況」は、通勤、通学などの前と思われる時間帯やローカル検索の後に表示される。会社などの検索を行うと、それを目的地として解釈して、経路検索を自動で行うようだ。このときに、道路の混雑などについての追加情報が表示される。このカードから、ナビゲーションアプリまたは、地図アプリへと直接移動できる。

職場らしき場所に対して「交通状況」カードが表示され、ここを登録するかどうかを尋ねられる。「編集」をタップすると、住所の入力画面になる。その後は、「職場」への交通状況カードでカード右上のメニューボタンをタップして「編集」を選択して変更できる

「公共の交通機関」は、近くの場所にある駅やバス停などの情報を表示するもの。これはきちんと日本国内には対応してないようだ。

「公共の交通機関」カード。近くのバス停や駅の時刻表などを表示

フライトは、フライト情報を検索したあと、検索したフライトが出発する前(おそらくは、現在位置から空港までの必要時間などを見込んだ時間)に表示されるカード。このカードからは現在位置から空港までのナビゲーションを開始できる。

「フライト」カード。フライトの検索後に、そのフライトが近づいてきたときに表示される

スポーツは、過去に検索したチームの成績などを表示する。オリンピック関係の検索でカードが表示されるようだが、日本国内スポーツへの対応は不明。

「スポーツ」カード。スポーツチームなどの検索を行った後に表示される

次の予定は、カレンダーの登録項目から来るものだが、カレンダー側の通知(アラーム)の設定とは別になっており、移動が必要な場合などのその所要時間などから通知が行われるようだ。

「次の予定」カード。タップすると、カレンダーの登録項目へ移動する

また、自宅と違うタイムゾーンや、Android本体の言語設定とは違う地域(ロケール)、通貨が違う場合などには「旅行」と判断され、「通貨換算」、「翻訳」、「自宅タイムゾーンによる時刻表示」などが行われる。

「通貨」カード。通貨が「自宅」と違う場所にいったときに表示される

「翻訳」カード。言語が違う場所に行ったときに表示される。おそらくロケール情報を利用していると思われる

「自宅の時間」カード。タイムゾーンが自宅と違う場所になったときに表示される

そのほか、現在位置の近くにLatitude、Google+などでチェックイン可能な場所があれば、案内されるようだ。

「場所」カード。現在位置のそばにチェックイン可能な場所などがあるときに表示される。チェックイン可能な場所は、Google+やLatitudeから登録された場所が使われるようだ

設定項目からみると、Nowが対象とする項目は、

  • 天気
  • 交通状況
  • 次の予定
  • 旅行
  • フライト
  • 公共交通機関
  • 場所
  • スポーツ

となっている。設定では、この8項目で個別にカードのオン/オフを指定でき、さらにカードを表示する条件、内容などを設定できる。

Google Nowの設定画面。Google検索アプリの設定から「Google Now」を選択して開く

たとえば天気カードに関しては、タイミングとして「常時」、「朝」、「夜(翌日の天気)」の3つが指定でき、場所については自宅、職場、現在位置の3つが指定できる。そのほか、カード表示の優先度も指定できる。

また、設定はカードから直接行うこともでき、カードの出現頻度が高く、煩わしい場合などにはその場、設定を変更できる。

「交通状況」カードの設定は、「カードを表示する条件」、「交通モード」(経路検索を車にするか公共交通機関にするか)、「非常に混雑」となった場合、「平常通り」の場合の優先順位を指定できる

「交通状況」カードの「カードを表示する条件は、通勤通学の出発時や到着時や旅行などの条件を判断する。これには、ユーザーの過去の行動を記録する「ロケーション履歴」が使われる

なお、「Now」では、自宅と勤務先という2つの場所を特別扱いするが、これは、Latitudeで設定した情報があれば引き継がれるようだ。未設定の場合には、場所検索のあとに、表示されるカードに設定のための表示が追加される。また、PC上でWebブラウザからGoogleマップを開き、マイプレイスを表示させると、そこに「自宅」と「勤務先」という設定項目が登場する。このほか、最近開始された「ロケーション履歴」サービスのダッシュボードからも変更が可能だ。