既報の通り、米Appleは10日(現地時間)にカリフォルニア州クパチーノの本社でプレスイベントを開催し、iPhoneシリーズの最新モデル「iPhone 5s」を発表した。日本においても同様に報道関係者向けのイベントが催され、実機に触ることができた。さっそくiPhone 5sの特徴をチェックしていこう。
まず、前モデルであるiPhone 5との大きさの比較だが、サイズは(H)123.8×(W)58.6×(D)7.6(mm)で、重量は112gと、全く同じである。デザイン上の変化は大きくないが、これまでのブラック、ホワイトを基調にしたカラーリングからは転換が図られ、スペースグレイ、シルバー、ゴールドカラーという3色のラインナップとなっている。
ホームボタンには「Touch ID」という指紋認証センサーが搭載された。ホームボタンに触れることでロック解除が可能なほか、iTunes Store、App Store、iBooks Storeでコンテンツを購入する際もパスワード入力無しでの認証が可能となっている。登録は数ステップで終わる簡単なもので、かつ、複数の指紋を登録することができる。実際に登録してロック解除を行ってみたが、それは驚くほどスムーズな動作であった。
カメラは8メガピクセルのiSightカメラ。センサーが従来より15%大きくなり、1.5ミクロンの画素、F2.2の開口部を採用している。新規に搭載された「バーストモード」では、1秒間に連続10回の撮影が行え、撮影した画像をリアルタイム解析することで、ベストショットを自動でセレクトしてくれる。また、フラッシュが白色LEDとアンバー色LEDの2種となり、被写体に最も合うフラッシュ強度と色温度を、これまた自動で選んでくれる。
さらに自動の手ぶれ補正、撮影の際にピンチ操作で最大3倍までズームできる「ライブビデオズーム」機能の外、秒/120フレームでスローモーション映像が撮影できるようになった(ただし、スローモーション撮影の際、解像度はフルHDから720Pに下がる)。その他、Instagramなどへ投稿するのに最適になるよう、スクエアで撮影できるモードを搭載し、各種フィルタまでも装備する。
効率よく集光する機能に加え、撮影モードでもバリエーションが増えており、カメラ機能の全般の強化は、今回の製品アップデートの目玉であると言えそうだ。
CPUとグラフィックスのパフォーマンスも向上しており、従来のA6チップの2倍の速さであるというA7チップを搭載。A7チップは64ビット仕様となっており、これはデスクトップクラスのPCに匹敵するという。またOpenGL ESのバージョン3.0に対応しており、これが繊細なグラフィックスや複雑なビジュアルエフェクトの再現を可能としている。
A7チップとは別に、加速度センサー、ジャイロスコープ、コンパスから送られるモーションデータの計測などのためにM7コプロセッサを搭載。M7コプロセッサは、センサリング関係の処理をつかさどることで、A7チップへの負担が軽減するので、バッテリー節約に一役買っているということだ。
通信面では、3G、LTEのほかに、Bluetooth 4.0、無線LANは802.11a/b/g/n(2.4GHzおよび5GHz)に対応する。キャリアに関しては、これまでのソフトバンクモバイル、KDDIに、新たにNTTドコモが加わった。料金プランなどは現時点では不明だが、いずれも販売は20日から開始となっている。なお、予約受付については、いずれのキャリアも実施しないとのことである。
本製品はiPhone 5cと同じくiOS 7を装備した端末として登場するが、最新の機能をフルに活用したい、楽しみたいという向きにはiPhone 5s一択となるのではないだろうか。