説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「Dockコネクタ搭載のステレオにiPhone 5はつながる?」という質問に答えます。
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以前iPhoneに採用されていたコネクタ「Dock」は、ポータブルオーディオプレイヤー「iPod」で姿を現し、その後発売されたiPhoneとiPad全モデルに採用されました。しかし、Dockのピン数は30で開口部が大きく、それがボディデザインの自由度を妨げることにもなっていたため、ピン数を8に減らし約80%のサイズダウンを実現した「Lightning」がiPhone 5から採用されました。今後発売されるiOSデバイスは、Lightningを継続採用することでしょう。
DockとLightningは形状もピン数も異なりますから、直接接続することはできません。しかし、Appleから発売されている「Lightning - 30ピンアダプタ」などの変換アダプタを利用すれば、Dockを採用した周辺機器に接続できます。Dockコネクタ搭載のステレオでも、この変換アダプタを使えばiPhone 5の音楽を聴けます。
Lightningでは「すべての信号がデジタル」ということがポイントです。Dockを流れるオーディオ信号は、アナログとデジタルの2系統ありましたが、Lightningではデジタルのみです。
だから、USB接続でiPhone/iPodの音楽を聴くタイプのステレオ機器にLightningケーブルでiPhone 5を接続しても、音が出ないことがあります。数年前に発売されたステレオ機器には、USB経由でデジタルオーディオ信号を入力できないタイプの製品がありますから、その場合はステレオミニプラグで接続するかAirPlayなどワイヤレスを利用するかを考えなければなりません。
前述した「Lightning - 30ピンアダプタ」には、デジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換するIC(DAC)が内蔵されています。Dockを備えたステレオ機器のなかには、デジタルオーディオ信号を入力できないものもありますが、この変換アダプタがあればデジタル→アナログ変換されるので、デジタル出力のみ可能なiPhone 5の音楽を聴けるというわけです。