説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「次のiPhoneは"5S"で9月発売なの?」という質問に答えます。
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iPhoneの新機種が発売される時期は、はっきり定まっているわけではありません。なにぶん私企業が決めることですし、公約されたわけでもありませんから、次世代機がいつ発売されても不思議はありませんが、これまでのiPhoneの発売日を振り返ると一定のサイクルが見てとれます。
振り返ると、初代iPhoneが2007年6月に発売されたあと、2008年にはiPhone 3G、2009年にはiPhone 3GS、2010年にはiPhone 4と、1年おきの6月に新機種が投入されてきました。その次のiPhone 4Sは2011年10月発売と4カ月後ろにずれたものの、現行機種のiPhone 5はほぼ1年後の9月下旬に発売の運びとなりました。このパターンに従うと、次のiPhoneは2013年9月か10月に発売される可能性が高いといえます。
ところで、約1年間隔で新機種を投入するパターンは継続されそうです。その理由のひとつがAppleの経営戦略で、2011年には世界で9千万台以上といわれる台数を販売しているだけに、新機種の投入がなければ売上が激減しかねません。膨大な数のデバイスを生産するためには、各種部品を世界各地の企業に発注せねばならず、発売直後に数百万台規模で売れるので相応の在庫を持つ必要もあります。物流のこともあり、準備に最低1年かかると言われれば納得です。
もうひとつは、ユーザ自身では交換できないバッテリーの寿命です。iPhoneに内蔵されているリチウムイオンポリマーバッテリーには寿命があり、正しく整備されると400回の充電が可能とされていますが、購入から約2年で当初の80%までしか充電できなくなり、使い続ければさらに劣化します。2年と1年では買い換えサイクルが一致しませんが、ハードウェアに大変更があると増える数字(3→4→5→6?)は2年間隔、その間を埋めるかのように「S」が付いたモデルが投入されていることを考慮すると、iPhoneユーザを2分しそれぞれに2年ごとの買い換えを勧めたいのが営利企業としての本音なのかもしれません。
前述したパターンに従えば、次のiPhoneの発売日は2013年9月、名称は「iPhone 5S」ということになります。ただし、パターンが完成してしまうとマンネリ化は避けられず、Appleもそれを潔しとはしないでしょうから、敢えて次回変えてくる可能性もあります。結局のところ、正式発表を待つしかありません。