説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「なぜ「無料アプリ」が成り立つの?」という質問に答えます。

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App Storeでは、多数の無料アプリが公開されています。米国の調査会社Gartnerの調べによれば、2012年時点においてモバイル端末向けアプリのうち無料のものは約9割を占めるといいます。この数値にはAndroidなど他のプラットフォームも含まれていますが、App Storeを見回してみれば、同じく相当な割合が無料だと気づくことでしょう。

では、無料アプリを開発した人たちは何を目的にしているのでしょうか? 9割のなかには、完全に趣味で開発されたものが含まれるでしょうが、すべてとは考えられません。経済的になんらかのメリットがあるからこそ、敢えて無料で公開している、と考えるのが妥当です。実際、無料アプリではおもに以下の方法で経済的・金銭的なメリットを得ることができます。

  • アドオンの販売

基本的な機能は無償で提供し、より高度な機能は必要に応じてアプリ内から購入できるようにする(In-App Purchase)しくみが、急速に普及しています。全機能が無料だが広告を非表示にするにはアドオンの購入が必要、という形が典型例です。ゲームアプリでいえば、第1ステージは無料で第2ステージ以降はIn-App Purchaseで購入する、などの例もあります。

  • 広告

アプリの下に表示されるバナー広告は、契約により多少の差はありますが、多くの場合クリックされるつど(あるいは表示されるつど)対価が発生します。単価は低くても、アプリのダウンロード数が多ければ露出回数は増えるため、長い目でみれば開発コスト回収の助けになります。オンラインストアの利用を促すアフィリエイト広告も同様です。

  • 企業活動の告知と促進

企業の広報活動や製品イメージ向上にも、アプリは利用されています。家電製品のリモコンなど、操作性や機能を向上させる目的でも活用されています。いずれも貨幣価値に置き換えることは難しいものの、企業の経済活動にプラスになるという意味で、無償公開してもじゅうぶんメリットがあるという考え方です。

写真で解説

アドオンが設定されているアプリは、説明文の末尾に「トップアドオン」という項目があります。これをタップすると、アプリ内から購入できる(In-App Purchase)アドオンを一覧できます