説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneの買いどきはいつですか?」という質問に答えます。

***

日本でiPhoneを扱うソフトバンクとau/KDDIのどちらも、2013年5月現在おトクなキャンペーンを実施していますから、つい「いまでしょ!」と答えたくなりますが、しばらく待ったほうがよさそうです。その理由は2つあります。

ひとつは、Appleが毎年6月に開催する開発者向けイベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)」が控えているからです。2008年にはiPhone 3G、2009年にはiPhone 3GS、2010年にはiPhone 4と、これまでiPhoneの新モデルを発表する場として利用された実績があります。

iPhone 4Sは2011年10月、iPhone 5は2012年9月の発表でしたが、再びWWDCが発表の場となる可能性も否定できません。WWDC 2013は6月10日に開幕、残すところ約1カ月です。

もうひとつの理由は、対応する周波数帯の問題です。つながりやすい「プラチナバンド」として、ソフトバンクはテレビ放送の地上デジタル移行に伴う再編で空きが生じた900MHz帯を獲得し、au/KDDIは800MHz帯に充実したエリアを保有していますが、両社とも課題を抱えているからです。

ソフトバンクは900MHz帯のエリアを広げていますが、まだじゅうぶんとはいえません。一方のau/KDDIは、iPhone 5が800MHz帯のLTEをサポートしていないため、現状LTEネットワークでは2.1GHz帯が頼りです。

au/KDDIは、今後800MHz帯をLTEのベースバンドとする意向を示していますから、800MHz帯のLTEに対応するかもしれない次期iPhoneを待つ価値はあります。ソフトバンクにしても、イー・アクセス買収により獲得した1.7GHz帯の拡充(ダブルLTE)は徐々に行うとのことですから、明確な効果が現れるまではしばらく時間がかかりそうです。

2013年5月上旬時点でいうかぎり、あと1カ月、場合によっては数カ月様子を見たほうが、長期的にはトクをするのではないでしょうか。あとは、皆さんの決断次第です。

写真で解説

おトクなキャンペーンが実施中の「iPhone 5」ですが、長い目で見て買いどきかどうかは……