説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneからSIMカードを取り外すとどうなるの?」という質問に答えます。
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結論から言うと、iPhoneからSIMカードを取り外して使うことは可能です。携帯電話としての機能は利用できなくなりますが、アプリを利用したり、音楽を聴くことも可能です。その意味ではiPod touchに近い存在となりますが、一部機能が異なります。
まず、携帯電話回線を利用した音声通話が、発信/着信ともできなくなります。SIMカードには電話番号とヒモ付けられた識別番号(IMSI)などの情報が記録されているため、携帯電話会社と通信できなくなるからです。同じ理由で、SMSとMMSも利用できなくなります。
一方、携帯電話会社と直接関係ないサービス/アプリの大半には影響ありません。SkypeやLINE、050plusといったIP通話サービスは、そのまま利用できます。テレビ電話機能「FaceTime」や、アプリ「メッセージ」を利用したやり取りは、携帯電話番号ではなくApple IDでサインインすれば、支障なく利用できます。
それではiPod touchとまったく同じになるかというと、そうではありません。iPhoneには、iPod touchにないGPSチップが内蔵されていますから、現在位置を高精度に測定できます。照度センサーの働きにより、周囲にあわせ画面の明るさを自動調節することも可能です。
決定的な違いは、ファームウェア(iOS)のアップデートです。マイナーアップデート(例:6.0.1→6.0.2)は問題ありませんが、iOS 5からiOS 6へといったメジャーアップデートのとき、SIMカード上の情報が参照されます。つまり、SIMカードを挿し込んでいればメジャーアップデートは可能です。
古いiPhoneをiPod touch化して有効活用したい場合には、携帯電話回線の契約解除後返却されるSIMカードを紛失しないよう注意しましょう。SIMカードなしにメジャーアップデートすると、機器認証(アクティベート)を完了できず、iPhoneが"文鎮"になってしまいますよ。