とある単発企画の打ち合わせの時に、担当が言った「USBって便利ですよね」という一言。これについては異論はない。が、次の「ただ、充電が遅いのがイライラしますね」という件については「?」である。

どういうことかというと、趣味の情報だけを得るためだけに持ち歩いているという「iPad」の充電が遅いというのだ。何を使って充電しているのかと聞けば、答えは「パソコン」。そう、USB経由で充電していたのである。彼にとっては「USB」とは「コンセント」であり、「パソコン」とは充電するための「モバイルバッテリ(ブースター)」なのである。

USBを充電に利用するというユーザーは多いことだろう。スマートフォン(以下、スマホ)が普及している現在、この傾向は顕著だ。だからこそ、USBの充電環境について考えてみたい。

USBとは何かをおさらい

まず、USB(Universal Serial Bus)とは、ホスト機器に周辺機器を繋げるためのインタフェース規格のひとつだ。汎用性が高く、今では当たり前のように利用されているインタフェースでもある。

そんなUSBは、1.0/1.1、2.0、3.0と規格が拡張されている。基本的にデータ転送速度の向上が拡張の骨子だが、1.0から1.1への拡張の際、消費電力についても規定された。いわゆる「USBバスパワー」である。

1.1と2.0では、1つのUSBポートから供給できる値を「5V(Min4.75V/Max5.25V) 100mA」(Low Power)と「5V(Min4.75V/Max5.25V) 500mA」に、3.0では「5V(Min4.75V/Max5.25V) 150mA」(Low Power)と「5V(Min4.75V/Max5.25V) 900mA」に規定している。(ちなみに資料は、こちらで確認できる)

この点を踏まえて、担当の状況を考えてみよう。