Googleが2005年に開始したフィードリーダーサービス「Google Reader」が、2013年7月1日をもって終了する。その決断に至った背景と、現時点で考えられる代替サービス/アプリについて考えてみよう。
Google Readerが終了した背景
RSS(RDF site summary)は、Webサイトから見出しや要約などのメタデータを抽出し、XML形式で構造化した文書フォーマット。気に入ったサイトのRSSを受信するよう設定しておけば、サイト更新情報の要約を気軽に入手できる。ブログやニュースサイトの多くがRSSをサポートしているため、お気に入りのブログが更新され次第、ニュースサイトに新着記事が掲載され次第、その大意をいち早くつかむことができる。
Google Readerは、そのRSSを受信/閲覧するWebベースのアプリケーション。2005年にサービスを提供開始してからは、ブログやニュースサイトの定期巡回から解放してくれる便利ツールとして、Webから情報収集を行う人のマストアイテムとして、短期間で定番RSSリーダーとしてのポジションを確立した。
そのGoogle Readerが、7月1日をもってサービスを終了する。発表の場となったGoogleのオフィシャルブログには「A second spirng of cleaning」という見出しが掲げられ、あわせて「Google Cloud Connect」や「Google Building Maker」の提供終了も発表されていることから、2011年以来断続的に実施されているプロダクト整理統合の一環であることがうかがえる。
しかし、Google Readerに関していうかぎり、寝耳に水かといえばそうではない。周囲を見渡せば、RSSに対応するアプリケーションやWebサービスは減少傾向にあるからだ。たとえば、2012年7月にリリースされた「Safari 6」はRSS表示機能を廃止、RSSリンクをクリックすると外部のRSSリーダーを起動する仕様に変更された。つい数日前には、TwitterがAPIの仕様を更新、RSSフィード機能は廃止された。
ここ数年で急激にシェアを伸ばしたスマートフォンにしても、iOSのSafariがRSS購読機能を事実上サポートしないなど、RSSというサービスの利用者増にはつながらなかった。これは、スマートフォン用のRSS登録ボタンを装備するWebサイトの少なさからいっても明らかだろう。
Googleの場合、2011年あたりから「Google+」への注力が鮮明となり、その一方Google Readerに対する積極方針は見られなかった。有り体に言えば収益に貢献するわけでもなく、ましてや「退潮傾向」にあるサービスのこと、終了という判断もありだろう。