「ブルーライト」とは、パソコンやテレビなどのディスプレイから発せられる可視光線の一種で、最もエネルギーが高く目の奥の網膜にまで届くとされる青色光のこと。ブルーライト対策を施したパソコン用メガネ「JINS PC」(2011年9月発売)が大ヒットして以降、続々と「ブルーライト対策商品」が登場している。「目」の健康を気遣う消費者が増え、対策商品の需要が広がりつつある動向がうかがえる。

ブルーライトカットモードを搭載するNTTドコモの春モデルスマートフォン「MEDIAS X N-04E」

9割の会社員が「目の負担」を懸念

トレンド総研のレポートによると、20~30代の会社員男女500名を対象にした意識調査の結果、63%が「現在スマートフォンを所有している」と回答し、「現在は所有していないが、今後購入予定」も18%に達した。また、所有者に「1日あたりのスマートフォンの利用時間」を聞くと、平日で「平均2.1時間」、休日で「平均2.6時間」にのぼった。さらに「パソコンやスマートフォンなどを長時間利用することは、目の負担になると思いますか?」と聞くと、61%が「とてもそう思う」、31%が「まあそう思う」と答えている。

トレンド総研による調査結果

続いて、「ブルーライト」という言葉の認知度を聞いた質問では、48%と約半数が「知っている」、28%が「詳しくは知らないが、言葉は聞いたことがある」と回答。現在、ブルーライト対策をしているかどうかを聞くと、すでに15%が「している」と答え、62%が「今後対策をしようと思っている」と回答した。トレンド総研では、ブルーライト対策が今後ますます一般的なものになっていくと予想。「現代の働く男女は、スマートフォンやパソコンなどのディスプレイから毎日長時間のブルーライトを浴びていることになり、目や身体への負担が懸念される」としている。

ジャーナリストに聞いた

同レポートではこのほか、トレンドに詳しい商品ジャーナリスト・北村 森氏に、ブルーライト対策の最新トレンドについて聞いている。

北村氏は、ブルーライト対策関連の商品は、現在1つの大きな市場を形成しつつあり、その中で見逃せないのが「スマートフォンにおける対策アイテム」としている。ここで3月1日に発売された、本体機能に「ブルーライトカットモード」を搭載したNTTドコモのスマートフォン「MEDIAS X N-04E」を取り上げ、スマートフォンにおいて画質や性能などだけでなく、ブルーライトへの配慮を取り入れることが、新たな「商品力」になり得ると述べている。

また、「MEDIAS X N-04E」のように、本体機器そのものに「ブルーライト対策」をほどこす動きは、スマートフォンやタブレット端末など、あらゆるデバイスで進んでいくと見ている。

NECカシオの商品企画部に聞いた

「MEDIAS X N-04E」を開発したNECカシオモバイルコミュニケーションズ・商品企画部の凌晶氏は、同商品を発売したきっかけについて、「現在、スマートフォンで長時間インターネットやゲームをする人が増え、知らず知らずのうちにブルーライトが眼精疲労やドライアイにつながる懸念が拡がってきた」と前置きし、そこで「人にやさしい」機能のひとつとしてブルーライトカットモードを搭載したスマートフォンを開発したと説明した。

またブルーライトカットモードと同機能を適用しない「通常モード」を通知パネルから簡単に切り替えられる仕様になっていると説明。文字さえ確認できれば良い時には、目にやさしい「ブルーライトカットモード」を、鮮明な映像・画像を楽しみたい時には「通常モード」を利用できるとのことだ。