USBホスト機能、およびMHL規格による映像出力機能でスマートフォンの使い勝手はどのように変わるだろうか。手持ちのHTC J butterflyで検証した模様を2回にわけてお伝えしている。本稿は後編となる。

AndroWireレビュー - スマホのmicro USB端子には何が接続できる? 素朴な疑問を検証してみた(前編)

スマートフォンのmicro USB端子にUSBキーボードを挿すと無事認識し、キーボードでの文字入力が可能になった。次に、USBハブ+USBマウス+USBキーボードの組み合わせでつないでみた。すると、何の問題もなくマウスもキーボードも認識した。画面が小さい点をのぞけば、ほぼPCである。文書作成も楽に行えることだろう。

USBハブ+USBマウス+USBキーボードの組み合わせも成功(写真右)。これならマウスもキーボードも自由に使えるので、PCライクに作業を進められる

さらに、USBハブの余っている端子にUSBフラッシュメモリを挿しこんでみた。すると外部メモリーとして認識した。前回、USBハブにUSBフラッシュメモリを4本挿したらハブの電源が落ちたが、USBハブ+USBマウス+USBキーボード+USBフラッシュメモリという組み合わせならば運用できるようだ。

USBハブ+USBマウス+USBキーボード+USBフラッシュメモリの組み合わせもOK

続いて、いろんな周辺機器を試してみた。普段、PCでゲームをする際にはUSB端子付きのゲームコントローラを使用しているのだが、これも難なく認識した。しかしGoogle Playにアップされているゲームタイトルは物理コントローラに対応していないものも多いようだ。プレイが捗るのではないか、とあてにしていたのだが残念。また、小型スピーカーの電源として利用することも可能だった。これは自給自足の実現である。

スマートフォンのゲームは、そもそも物理コントローラを必要としていなかった(写真左)。小型スピーカーでは、自給自足を実現(写真右)

卓上ライトの利用もできた。しかしこれは電気を無駄遣いしている印象しか受けなかった。仮にスマートフォンがE-Inkのようなディスプレイを搭載していたならば、きっと良い使い道があったことだろう。

卓上ライトは明るくて良いのだが、使い道に迷う(写真右)

夏になるといつも使っているUSB扇風機も、使うことができた。今後はスマートフォンと一緒に持ち歩き、暑くなったらつけようと思う。そしてUSB端子から充電することが多いBluetoothヘッドセットの充電も行えることを確認した。外出先でバッテリが切れる、なんてことは日常的にあり得る。必要に応じて適宜、充電できるのは嬉しい。

扇風機も動かせた(写真左)。真夏の満員電車で利用したいと思う。Bluetoothヘッドセットの充電も可能だった(写真右)

これまでの例から、micro USB端子には外部ストレージや、充電したい機器をつなぐのが有効であることが分かった。ではスマートフォンを接続すれば、ストレージも利用でき充電も行えるのではないだろうか? そう思い、USBホスト機能を搭載していない古いスマートフォンをつないでみた。すると充電はできたものの、ストレージとしては認識されなかった。

スマートフォン同士でつないでも、データのやりとりは行えなかった(写真左)。充電中の古いスマートフォンには、ACアダプタで充電していると認識されていた(写真右)

HDMI出力させてみる

次に、MHL - HDMI変換ケーブルを利用して、スマートフォンと液晶テレビを接続してみた。するとスマートフォンの画面がそのままテレビの大画面に出力された。ちなみに筆者が購入したMHL - HDMI変換ケーブルは、市販の1,000円弱のもの。一端がmicro USB端子(オス型)、もう一端がHDMI端子(メス型)となっている。

筆者が購入したMHL - HDMI変換ケーブルは、1,000円弱のもの(写真左)。映像出力機能を利用しながら、スマートフォンの充電も行える仕様となっている(写真右)

いわゆるミラーリング表示で、テレビに映像を出力しつつ、スマートフォンのタッチディスプレイも点灯し続ける仕様。ブラウザでのWebサイトの閲覧をはじめ、ゲームやアプリの利用、音楽や動画ファイルの再生、ストリーミング動画の再生などを行うことが可能だった。音声はテレビからのみ流れる。スマートフォンのスピーカーは無効になっていた。

スマートフォンとテレビをMHL - HDMI変換ケーブルで接続すると、スマートフォンの画面が映し出され、タッチディスプレイも点灯し続ける

Google Playでダウンロードしたレンタル映画を楽しむことも可能だった。2時間の映画を、鮮明な映像で1回のコマ落ちもなく視聴できた。個人的にはこれまで、スマートフォンの小さな画面で映画を鑑賞する気になれず、Google Playでレンタル映画を視聴することには消極的だった。しかしこうしてテレビに出力できるのであれば、今後は積極的に利用したいと思う。

子どもの頃にみた「E.T.」を30年ぶりに視聴(写真左)。映画の視聴中、スマートフォンの画面は灰色一色になっていた(写真右)

マウスとキーボードを使い、大きなテレビ画面で仕事ができないものか。そう思ったのだが、MHL - HDMI変換ケーブルを接続しているためmicro USB端子は使用できない。そこで、BluetoothマウスとBluetoothキーボードを利用してみることにした。PCライクな環境は実現できるのか。

BluetoothマウスとBluetoothキーボードを利用。オフィスアプリを起動させ、テレビ画面に映してみた

文書作成には、OfficeSuiteプロ7+(PDF&HD)アプリを利用。試してみるとWord文書の作成、Excelワークブックの作成ともにうまくいった。自宅にいるときは、この方法でAndroidスマートフォンをPCライクに利用できそうである。

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これまで、スマートフォンを充電するときにしか使用していなかったmicro USB端子。だが専用ケーブルをつなぐだけで、意外と便利な使い方があることが判明した。USBフラッシュメモリを活用したり、周辺機器を充電したりといった用途で、今後は多用していこうと思う。