ソニーモバイルコミニュケーションズは、世界最大級の携帯関連見本市「Mobile World Congress 2013」開催初日となる2月25日(現地時間)、プレスカンファレンスを開催し、Android搭載タブレット「Xperia Tablet Z」を発表した。すでに国内向けにはNTTドコモからの発売が発表されているが、今回はグローバルでのお披露目となった。LTE版と無線LAN版が用意され、無線LAN版は新たに日本でも追加販売が発表されている。

Xperia Tablet Z

こちらはホワイトモデル

Xperia Tablet Zは、1月に米国で開催されたAndroidスマートフォンXperia Zと同じデザイン、UIのポリシーで開発されている。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから、完全子会社のソニーモバイルになったことで、ソニーブランドのスマートフォンとタブレットが、いよいよ統一されてきた。

カンファレンス開催前には、CESでも上映されていた同社製品の組み立て動画。こちらはXperia Zの組み立て

ソニーモバイルとなって1年。プレスカンファレンスに登場した鈴木国正CEOは、ソニーモバイルとしてのMWC出展で個別のブースを構えたのは初めてだといい、これまで何度もMWCに参加したが、今回は「ソニーモバイルの1周年の記念日」という特別な日だと話す。

鈴木国正CEO

2012年は、鈴木氏自身も、ソニーモバイルの社員も「とても忙しかった」という。それによって、2013年は「ブレークスルーの年にしたい」と宣言。それを実現するために必要な3つの要素をあげる。

1つ目は「勝てる商品」を作り上げ、それを提供すること、2つ目が販売・マーケティングを成功させること、3つ目が優れた経営をすることだという。2つ目に関しては、Xperia向けに多くのサードパーティ製アクセサリが登場していることを示し、エコシステムができていると説明。3つ目に関しては、今回のMWCや今後の1年を通じて、さらに示していくことを強調する。

続いて、ゲストとして紹介されたのがソニーCEOの平井一夫氏。平井氏は昨年1年間、ソニーが一丸となって電機事業の再生に取り組んできたとアピール。ハードウェア、サービスなど、「ソニーだけ」が提供できる製品を提供していくと話す。モバイル事業においては、先端技術やリソースなど、全てを注ぎ込む、と強調し、注力するとしている。

ソニーCEOの平井一夫氏

Androidスマートフォンとタブレットのブランドを「Xperia」に統一し、1つのデバイスで優れたユーザー体験を提供できるプレミアムブランドとしていく。スマートフォンは今、電話だけでなく、Web閲覧、カメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ゲーム機など、1つで多彩な機能を備えている。底に、例えばソニーのブラビアエンジンなど、独自の技術を投入し、高度な製品を作り上げていくと話す。

製品、コンテンツ、サービスを提供するソニーだからこそできる体験を提供できる1つのプラットフォームとしてXperaを位置づける平井氏。そこで強調したのが「BE MOVED」という言葉。ソニーの製品やサービス、コンテンツによってユーザーの感情を「動かす」という目標を掲げた形だ。Xperia Zも、大画面液晶やカメラ機能の強化などでユーザーを「動かす」製品だと平井氏はアピールする。

ソニーの力を示す4つのユーザー体験。Xperia端末が、リッスン、クリエイト、ウォッチ、プレイという4つの独自のユーザー体験を提供する

最新モデルはスマートフォンのフラッグシップモデルである「スーパーフォン」Xperia Zで、すでに販売が開始されている日本では「もっとも売れているスマートフォン」だとアピールする。ほかにも、ドイツ・ベルリンのソニーストアでは、発売2時間で完売するなど、各国で好調だという。今週には、さらに世界60カ国での販売を開始する。

Xperia Z

ベルリンのソニーストアでの発売日の様子

Xperia Zのカメラ、ディスプレイ、音楽といった機能の説明をする中で鈴木氏は、SCEが発表した新型ゲーム機「PlayStation 4」にも言及し、据え置き型のゲームがモバイルでもできるようになる、とアピールする。

Xperia Zは同社のマイルストーンと位置づけられるが、その同じ設計思想で開発されたのがXperia Tablet Zだ。今回、日本だけでなく世界各国で、第2四半期から販売が開始される。7.9mm、500g以下という同クラスでは世界最薄・最軽量でありながら、防塵防水で「ビーチですら」使えるというのが特徴だ。もちろん、大画面に最適化されたブラビアエンジン2やサラウンドサウンド技術などによって、「最高のビデオ、オーディオ体験が得られる」と鈴木氏。

Xperia Zと同じ思想で開発されたXperia Tablet Z

同じアプリ、サービスがXperia Z/Tablet Z利用できる

デモでは、TV SideViewアプリやアルバムアプリ、NFCのワンタッチ機能などを紹介。また、ソニーでは最大級のXperiaキャンペーンを実施。Xperia Zはすでに出荷されているが、Xperia Tablet Zは世界でこの春に販売する。

基本的なデザインは日本版も同等で、ワンセグ・NOTTV用のアンテナがないぐらい

鈴木氏は、改めて「2013年はソニーのモバイル事業でブレークスルーの年にしたい」と意気込みを語り、さらなる成長を目指していく考えだ。

International CES 2013で、Xperia Z向けに行われていたデモのXperia Tablet Z版。防水性能をアピールする