中国Huawei Technologiesは2月24日、スペイン・バルセロナでプレス発表会を開催し最新のスマートフォン「Ascend P2」を発表した。発表会に登壇した同社取締役でコンシューマー事業グループCEOのRichard Yu氏は、SamsungやAppleのフラッグシップ機種と比較し、優位性を強調。LTEに対応した世界最速モデルとアピールした。欧州市場での予想価格は399ユーロ、2013年第2四半期に日本を含むグローバルで発売を開始するという。
Ascend P2は、2月25日より4日間、当地で開催される「Mobile World Congress 2013」にあわせて発表された。Huaweiは今年1月の「CES 2013」でAscendブランドで、最新のスマートフォンを2機種発表している。この日発表したAscend P2は、CES 2013で発表され世界40カ国以上で発売されたという「Ascend P1」の後継機種となる。
AscendはHuaweiのスマートフォンブランドで、「P」シリーズはファッションやデザイン重視のハイエンド製品ラインとなる。このほか、最新技術を搭載したハイエンドの「D」、ミッドレンジの「G」、それに若者向けの「Y」の4シリーズで展開している。
Ascend P2は、Android 4.1(Jelly Bean)を採用。通信方式はLTE Cat4(カテゴリー4)をサポート、下り最大150Mbps、上り最大420Kbpsでの通信が可能という。下り速度について、Yu氏は、「iPhone 5」や「Galaxy S III」よりも高速だと強調した。
ディスプレイは4.7インチのIPS画面で、世界初というHD In-cell技術を採用。第2世代のCorning Gorilla Glassを搭載し、耐傷性や防水機能も備える。カメラは第3世代のBSI(裏面照射型)技術とHDRに対応した画素数13メガピクセルカメラを搭載。カメラ専用ボタンを備え、すぐにカメラに切り替わる。1080pの動画録画・再生も可能だ。バッテリーは容量2420mAhのものを搭載。独自開発の省電力技術「QPC(Quick Power Contorol)」と「ADRX(Automated Discontinuous Reception)」により電力消費を最大30%改善するという。チャージも改善し、2Aに対応したクイックチャージ機能を搭載し、充電時間を25%改善するとのこと。このほか、1.5GHz動作のクアッドコアプロセッサ(子会社Hi-Silicon製)を搭載。RAMは1GBで、NFCにも対応した。
Pラインの特徴となるデザイン面では、優雅さをキーワードに開発。サイズは136×67×8.4mm、重さは122g。ユーザーインターフェイスも特徴で、2012年のIFAで発表し、Ascend Mateなどでも採用されている独自の「Emotion UI」を搭載。ユーザビリティ強化のためのシンプルなマルチUI「Uni HOME」などを利用でき、100以上のテーマから自分の好みの画面にカスタマイズも可能だ。このほか、単語を選択して検索、Wikipedia検索、翻訳などのアクションを起こす「Smart Reading」などの独自技術も特徴となる。ストレージ、バックアップ、同期、紛失や盗難時に電話を探すPhone Finderなどを備えたクラウドサービス「Cloud+」も提供する。
このほかHuaweiは、最新のブランディングキャンペーンを展開することも発表した。これまで相手先ブランドで製造するODMで力を付けてきた同社だが、今後はOEMにシフトする。すでにスマートフォンではトップ3入りを果たしており、今後はトップブランドを目指すとしている。
デバイス事業部グローバルブランド担当ディレクターのAmy Lou氏は「数年後にグローバルブランド・トップ100入りを目指す」と述べ、ブランド戦略をさらに強化していくことを明らかにした。Yu氏も、2012年デバイス事業は75億ドル規模になり、出荷台数は前年比60%増の3200万台に達したと報告し、今後はフィーチャーフォンからスマートフォンを主軸としていくと戦略を語った。
なお、この日の会場となったCasa Llotjaは、Nokiaが過去のMWCで2回利用した会場だ。多くのプレスが詰めかけたため、会場は立ち見が出るほどの盛況ぶり。Huaweiの勢いを感じさせた。なお、Huaweiは1月のCESで「MWCで2機種を発表する」と述べていたが、この日は1機種となった。これについて聞かれたYu氏は、「夏に最新機種を発表する」と述べた。
(記事提供: AndroWire編集部)