説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「なぜ「Apple ID」を登録する画面が2つあるの?」という質問に答えます。

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iPhoneを使いこなすには、Appleが提供するオンラインサービス「iCloud(アイ・クラウド)」の機能が欠かせません。たとえば、パソコンやiPadなど他の端末と「カレンダー」や「メモ」のデータを共有することや、iPhoneで撮影した写真をすぐ他の端末で見られるようにする「フォトストリーム」は、iCloudに含まれる機能です。

iCloudを利用するには、事前登録が必要です。そのとき登録したメールアドレスとパスワードが「Apple ID」で、以降iCloudを利用するときの認証に利用されます。といっても、毎回入力が求められるわけではなく、『設定』の「iCloud」という項目へ登録しておけばいいのです。

Apple IDには、もうひとつ別の役割があります。それは、「iTunes Store」と「App Store」で音楽やアプリを購入するための目印です。このオンラインストアからダウンロードしたコンテンツは、有償・無償にかかわらず、Appleのサーバに利用履歴として保存されます。なんど音楽やアプリをダウンロードしても、いちど購入したものは多重払いする必要がないのは、その利用履歴がApple IDにヒモ付けられたうえでAppleのサーバ(iCloud)に保管され、ダウンロード時にチェックされているためです。

iTunes StoreとApp Storeで使うApple IDは、iCloudとは別のものを登録できます。設定画面も、それぞれ別に用意されています。

その理由は「個人情報(メールや連絡先などiCloudで扱うデータ)」と「デジタルコンテンツ(音楽やアプリ)」を分けるためだと考えられます。家族3人で3台のiPhoneを使うことを想像してみてください。音楽やアプリは共有できても、メールの内容を見られるのは困りますよね? Apple IDは、iCloudとiTunes Store/App Storeで別々に登録できるほうが、ユーザにとって好都合なのです。

写真で解説

iOSには、Apple IDを登録しておく画面が2つあります。同じIDを登録してもかまいませんが、別のものを登録しておくこともできます