iOSでは、アプリごとに「URLスキーム」を定義することが可能である。URLスキームとは、アプリおよびアプリの機能を呼び出すことができる予約語の一種で、有名なところでは「http:」が挙げられる。メールなどに貼られた「http」から始まるハイパーリンクをクリックすると、Safariが起動され該当ページが開かれるのは、このURLスキームの仕組みがあるからだ。

いまやURLスキームは、アプリ間の連携に利用されている。iOSでよく知られたものとしては、マップの「maps:」、設定の「prefs:」、カレンダーの「calshow:」がある。試しに、SafariのURLバーへこれらの文字列を入力してみよう。

URLスキームは、サードパーティー製アプリも利用できる。わざわざURLバーへ手入力するのは便利な使い方とはいえないが、あるアプリが別のアプリを呼び出せる数少ない手段だ。URLスキームの存在を公開しても問題はないため、Webサイトなどで使い方を紹介している開発者も少なくない。

Googleが先日公開した「Google Maps」も、独自のURLスキーム「comgooglemaps:」を持っており、Googleはサポートページでその使い方を紹介している(リンク)。「メモ」などiOS標準装備のアプリのうちいくつかは、URLスキームと判断した文字列に対して自動的にハイパーリンクを設定するため、わずかな作業でGoogle Maps起動用ショートカットを作成できる。工夫次第では、便利な使い方ができるはずだ。

たとえば、以下に示す手順では、Google Mapsを起動するとともに、経度35.691304/緯度139.75796を基準として地図を表示し、あわせて「郵便局」というキーワードで検索を実行している。

操作手順をカンタン解説

1 「メモ」を起動し、適当な位置に「comgooglemaps://?q=検索語&center=経度,緯度」の要領でURLスキームを記述する。その後、右上の「完了」ボタンをタップする

2 URLスキームの書式に誤りがなければ、ハイパーリンクが設定される。これをタップすると、Google Mapsが起動する

3 指定した経度/緯度を中心に地図が表示されるとともに、指定したキーワードを目的地として検索が実行される

(提供:iPad iPhone Wire)