NECアクセステクニカから、モバイルWiMAXルータの新モデル「AtermWM3800R」が登場した。従来モデルの「AtermWM3600R」に比べて小型化・軽量化がはかられているほか、携帯端末への給電など新機能も搭載している。発売日は2月7日を予定。価格はオープンで、店頭予想価格は18,000円前後となる見込み。本稿ではAtermWM3800Rの搭載機能を紹介していきたい。

モバイルルータ AtermWM3800R。本体カラーには、ピンク、ホワイト、ブラックの3色を用意する。本レビューに用いたのはピンクモデル

AtermWM3800Rはどこが進化した?

AtermWM3800Rは、手のひらに収まるサイズのモバイルWiMAXルータ。サイズは約89.6×52×12.8mm、質量は約80gで、前モデル「AtermWM3600R」よりさらに小さく軽くなった。WiMAX最大通信速度は下り40Mbps、上り15.4Mbps。本体前面には小型の有機ELディスプレイが搭載された。

ACアダプタのほか、USB通信ケーブル、USB給電ケーブルなどを同梱する(写真左)。本体側面にはmicro USB端子と専用クレードルとの接続端子を備える(写真右)

前面には電源とSETボタンを搭載。小型ディスプレイには電波受信レベルや電池残量、接続状態などが表示される

別の側面には、ストラップホールとRESETスイッチを配置する

スマートフォン向けには専用アプリケーション「AtermらくらくQRスタート」が用意されている。製品に同梱されるQRコードをAndroidスマートフォンのカメラで読み込むとGoogle Playに誘導されるので、当アプリをダウンロード/ インストールし、再び同じQRコードを読み込むと本製品との接続を完了できる。この便利な機能を利用すれば、開通までに面倒な設定・作業をする必要は一切なくなる。

スマートフォン向けに用意されている専用アプリ、AtermらくらくQRスタート。使い勝手がよく考えられている

本製品には新たに給電機能が搭載された。AtermWM3800Rとスマートフォンを付属のUSB給電ケーブルで接続すると、AtermWM3800Rの内蔵バッテリでスマートフォンに給電できる。給電状態は、本製品のバッテリ残量があるレベル(20%、40%、60%)に達した時点で自動停止することができる。WiMAXの利便性の高さゆえに無線LAN機能を使い続けてしまいスマートフォンのバッテリがなくなる、というケースはよくある。緊急的な用途にはなるが、ルータから給電できるというのは心強い。

スマートフォンに給電する様子

そのほかAndroid向け専用アプリを使い、休止状態のAtermWM3800Rを復帰させる機能も搭載された。本製品は小さくて軽いので、なかなかカバンの中から探せないということがあるかも知れない。しかし本機能を利用すれば、使いたいときにいつでも手元で通信を復帰させることができるわけだ。AtermWM3800Rのバッテリ温存にも一役買うことだろう。

仕様を確認

内蔵バッテリでの駆動時間は、連続通信が最大約8時間、連続待受(Wi-Fiオン/WiMAXオフ)が最大約20時間、休止状態(Wi-Fiオフ/WiMAXオフ)での待機が最大約250時間。休止状態からは約6秒で復帰する。充電はACアダプタで行えるほか、PCのUSBポートと接続すれば充電とWiMAX通信を同時に行える。

無線LAN(Wi-Fi)は2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応。ルータ機能のセキュリティは、MACアドレスフィルタリング、マルチSSID(ネットワーク分離機能)、WEP(64bit/128bit)/ WPA-PSK(TKIP/AES) / WPA2-PSK(TKIP / AES)。接続機能は「らくらく無線スタート」とWPSをサポートする。Wi-Fi対応端末は、同時に最大10台まで接続可能。

対応する公衆無線LANサービスはUQ Wi-Fi、Wi2 300/プレミアム、BBモバイル、ホットスポットに加えて、ワイヤレスゲート、ケーブルTV Wi-Fiを新たにサポート。これらの公衆無線LANサービスと契約していれば、WiMAX接続と公衆無線LAN接続を自動的に切り替えて使用できる。WiMAXを優先する、公衆無線LANを優先するといった設定も可能。

なお、オプション品として専用クレードル「PA-WM08C」が用意されている。価格はオープンで、店頭予想価格は3,000円前後になる見込み。PA-WM08CにはAtermWM3800Rの充電機能を備えるほか、背面に100BASE-TX対応有線LANポートが搭載されており、AtermWM3800Rをホームルータとして利用できるようになる。

専用クレードルPA-WM08Cの利用例

(記事提供: AndroWire編集部)