いつどこで何に役立つのか、即座に確信することはできないが、なぜか使ってみたくなるアプリがある。一瞬の笑いとか宴会芸のためではない。本来、自分には必要ないのかもしれないけれど、欲しくなるのだ。それはまだ知らないアプリの可能性を見出すことかもしれないし、逆に何の意味もなかったと後で気付くかもしれない。だが、すぐに役立つとか、何かが便利になるとか、楽しく過ごせるとか、そればかりがアプリの価値だろうか。否、心踊る未来は、想像できる範囲の利得からは生まれ得ないのである。
iSurvival - Army Survival and Field Manuals (Premium)
「iSurvival」はサバイバルと身辺警護に特化した米軍兵士向けマニュアルのコレクションアプリ。緊急時にどうすれば生き延びることができるのか、想像してみたことはあるだろうか。このマニュアルでは、サバイバルの心理学からシェルターや食料の調達、救助サインの出し方など、様々なシチュエーションにおけるサバイバル技術が体系的にまとめられている。アプリとしての体裁はまあ置いておくとして、サバイバルの知識を身につけイメージを鍛えるには最適だ。身体能力と英語力の研鑽を積み、ソーラー発電対応のチャージャーも確保しておきたい。
Altimeter+
メカメカしいインタフェースと、ASTER(Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer)計測による地形高度という説明が、ガジェット好きにはけっこうツボだ。そんなアプリが「Altimeter+」。ASTERとは日本の経済産業省が開発した地球観測用の高性能光学センサーのこと。気候変動メカニズムの解明を目的としたNASAの「EOS計画」の一つとして人工衛星Terraに搭載され、2000年から地形・地質の詳しいマッピングや植生分布状況の把握、火山噴火のモニタリングなどを行っている。NASAが公開する観測データがこのアプリで活用されているのだ。ただし、地形データを基にするため飛行中の高度計測には適さないので注意が必要だ。