スマートフォンアプリで儲かる時代はもう終わった、と1、2年くらい前にささやかれていた気がするが、そんな悲観論もなんのその、いまだにアプリビジネスは花盛りだ。とはいえ、作れば必ずダウンロードされ、どんどん売れる、というわけではない。世の中のニーズに合ったものをいかにタイミング良く出せるか、あるいはいかにユーザーの心を惹きつけられるアプリか、というのは、以前から変わらない“売れる“ための重要な要素だ。

ところが、たとえそういうポテンシャルを秘めたアプリだったとしても、ユーザーの目に留まることがなければダウンロードすらされないことになる。なにしろAndroidとiOSのアプリを合わせると今や世界中に百万本以上あるのだ。初めの第一歩につまずけば、ライバルたちと同じ土俵に上がることすら許されない。新アプリをリリースしたことを多くの人に知ってもらうためには、地道なプロモーション活動も必須と言える。しかし、特に個人の開発者には、プロモーションする場も資金もないというのが実情だろう。

主要30サイトへの掲載を一括で簡単無料申請

バリューコマースが9月27日に提供を開始した「Applis(アプリス)」は、まさにそういった「プロモーション機会の少ないアプリ開発者」に向いた無料Webサービスだ。もちろん、アプリを開発したものの「具体的にどのようにプロモーションすればよいかわからない」という企業や個人にも適している。

「Applis(アプリス)」

仕組みとしては、開発者が「アプリス」で自分のアプリの詳細情報を登録し、その情報を見た「アプリス」に参加している出版社やニュースサイトの編集者が自社媒体でニュース記事にする、というもの。「アプリス」に参加しているメディアは、当マイナビニュースも含め、Web上のニュースメディアやアプリレビューサイト、紙媒体など計30箇所(11月22日現在)。その全媒体で、というのは難しいにしても、1媒体にでも取り上げてもらえれば、自分が開発したアプリの知名度をぐんと上げることができる。

「Applis(アプリス)」の仕組み

ただし、当然のことながら、そのメディアの編集者に自社媒体の記事として取り上げるにふさわしいアプリだと思ってもらえなければならない。うまく彼らのお眼鏡にかない、記事として掲載されれば、「アプリス」の管理画面上で掲載されたことが通知され、そのメディアの編集部から”評価”ももらえる。メディアとちょっとしたコミュニケーションができるというわけだ。

ユーザー登録から掲載申請まで30分以内に完了

利用するための登録の手順は難しくない。最初に個人または会社名義でユーザー登録を行い、管理画面にログインしたら、開発した自分のアプリの情報を登録する。アプリアイコンと、簡単な短い説明文などを仮登録したのち、詳細なアプリ情報として、配信プラットフォーム(iPhone/Androidなど)、配信端末、ダウンロードURL、価格や長めのPR文、スクリーンショットなどを登録する。さらに、プロモーション用動画へのURL、プレスリリースの公開URLなども指定でき、情報が多く丁寧に説明されているほど、参照するメディアの編集者が正確にアプリ内容を理解する助けとなるはずだ。一通りの入力が終われば、「アプリス」に参加している全メディアに向けて一斉に通知を送って掲載申請を行える。登録すべきアプリ情報が整っていれば、ユーザー登録から掲載申請まで30分もかからずに完了するだろう。

ユーザー登録画面

ログイン後のトップページ

アプリ情報の仮登録画面

詳細情報の登録画面

スクリーンショットは1アプリあたりなんと30枚までアップロードできる

アプリ情報の登録が完了すると、トップページに表示される

「一括レビュー申請」ボタンを押せば、メディアに掲載申請を送ることが可能

「アプリス」における登録や掲載申請などは、現時点では個人・企業に関わらずすべて無料で、メディアに掲載されたからといって金銭のやりとりが発生することも一切ない。ただし、メディアの編集者が「掲載に値する」と判断するためには、それなりに話題性のある(話題になりそうな)アプリでなければならないだろうし、アプリ情報を登録する際に、そのウリを明確かつ魅力的に見せる工夫も必要になるはずだ。

自分のアプリをいかに過不足なくPRするかがカギか

現在のところ、掲載申請して実際にメディアで記事になったのは、申請した数の14%ほどだという。なかなかハードルが高そうに感じるが、あくまでも個人的な想像では、おそらく、必要十分な情報が、第三者であるメディアの編集者にとってわかりやすく記入されていない、という例が多いのではないだろうか。良質なアプリを開発するのは大変難しいが、そういう面での”伝える”ための努力は、もしかするとある意味アプリ開発より難しいのかもしれない。

しかし、これまでは、自分のアプリをPRするための方法や、PRする先(いわゆるコネクション)がなく、ヒットするかどうかはまさに運まかせ、という開発者が多かったはず。アプリ開発が終わってほっと一息つく前に、あともうひと踏ん張りして「アプリス」でプロモーション活動をしてみてはいかがだろう。

■ アプリのレビュー申請はこちら