富士通は20日、2012年冬モデル新商品記者発表会を開催した。発表会のメインは、NTTドコモ向けの新端末のアピールだが、注目したいのは、新モデム「COSMOS」について。携帯電話業界における富士通の現状と開発方針とあわせて、これらの点について発表会で語られた内容をリポートしよう。
当日登壇した富士通代表取締役副社長・佐相秀幸氏は、2012年の上期シェアについて「MM総研調べによると、富士通の国内上期シェアは17.7%を獲得。これは国内メーカーとしては1位、総合では2位です」と実績をアピール。「海外メーカーの勢いが増している中、下期を勝ち抜いて年間目標800万台を目指します」と下期における目標数値を語った。
さらなるシェア拡大を狙う富士通の戦略のカギを握るのが、この日発表となったNTTドコモ向けの4端末だ。
富士通モバイルフォン事業本部長・髙田克美氏は、富士通の開発方針として、「ブロードバンドリーダー」「デザイントレンドリーダー」「ケータイテクノロジーリーダー」という3つの柱を軸にした「世界一使いやすいユビキタス端末の具現化」をコンセプトに掲げる。その中心となる技術が、同社が推し進めている「ヒューマンセントリックエンジン」だ。
これは、意図しないタッチによる誤動作を防ぐ「うっかりタッチサポート」や、ユーザの年齢に合わせて画面の色味を調整し、識別しやすい配色を実現する「あわせるビュー」、指が届かなかった場合でもスマホ側で判断し、押したかった場所を自動でタッチしてくれる「おまかせタッチ」、電話相手の声がこもって聞きづらい場合に高域を強調して自動で聞きやすくしてくれる「スーパーはっきりボイス4」など、ユーザ一人ひとりに合わせてスマホ側が最適に振る舞う技術。"かゆいところに手が届く"だけでなく、"かゆいところを探しだしてかいてくれる"機能なのである。
富士通はこの「ヒューマンセントリックエンジン」を2012年冬モデルのスマートフォンにも搭載しており、ハイスペックと使いやすさの両立を実現したと髙田氏は自信をのぞかせる。