――今回はエンディングテーマですが、オープニングとエンディングということで意識することはありますか?
スネオヘアー「これまでにオープニングのオーダーをいただいたことがないので……やっぱり俺はオープニング向きじゃないんだなって思うんですけど(笑)、やはり終わりのほうが好きですね。そこで一旦終わるんだけど、最終回じゃない限り、また次に続くわけじゃないですか。エンディングはそんな期待感も持ち合わせている。すごく魅力があると思います。ただ、今は昔と違って、オープニング、エンディングといってもいろいろですよね。僕のイメージだとエンディングは『ルパン三世 愛のテーマ』みたいな感じなんですけど(笑)。いずれにせよ、自分の曲が流れたのを聴いたとき、作品と一緒になっているなって感じられると、すごくうれしくなります」
――今回の「Slow dance」を作る際のテーマなどはありますか?
スネオヘアー「具体的にキーワードやメッセージがあるわけではなく、漠然とした中で何とも表現できない感情を表現したいなと。自分にすれば、過ぎ去りし10代のときにしか感じられない時間や感情、そしてそこから出てくる言葉……そういった時期の、何となく幼稚に感じられるんだけど、どこかで自分が失ってしまったピュアな気持ち、甘酸っぱさを感じてもらえたらいいなと思っています」
――その中でも特に注目してほしい部分はありますか?
スネオヘアー「どうしてもTVサイズになるとズバッとカットされてしまうので、いろいろと難しいのですが、そんな中でもエンディングとして、非常にシンプルで懐かしい作り、リフレインしていく感じを捉えてほしいですね」
――ちなみにTVサイズの90秒という時間は、曲を作るときから意識なさるのですか?
スネオヘアー「作っているときは意識しないです。だからTVサイズにする際は、かなりの大手術が必要で、無理やり90秒に押し込めている感じがないわけではありません。なので、ぜひフルサイズでも聴いていただきたいですね。90秒間では収まりきらなかった美味しいポイントがあったりしますから。ただ、エンディングテーマとして、こういう音で始まって、こういう感じで終わっていくというような流れ、自分でイメージしたときにグッと来るなっていうポイントはしっかりと押さえられていると思います。このあたりは、自分の主観でいくしかないんですけど」
――スネオヘアーさんの楽曲には毎回趣向を凝らしたミュージッククリップが用意されますが、今回もいろいろな仕掛けが用意されているのでしょうか?
スネオヘアー「まだ出来上がっていないので、はっきりしたことは言えませんが、今回も楽曲にはほとんど寄り添っていないものになりそうです(笑)。監督の話を聞く限りでは、『成就しない恋』がテーマになるということでしたが……」
――ミュージッククリップを作る際は、ご自身の意見ややりたいことを盛り込んでいくほうですか?
スネオヘアー「やりたいことがあるときは言います。たとえば『死にたい』とか……(笑)。あと、カワイ子ちゃんにビンタされたいとか。やりたいことがあるときは言いますが、基本的にはお任せですね。あまり出演したくないとかはいつも言ってますけど」
――スネオヘアーさんの場合は、ご自身が出演なさりたいほうではないのですか?
スネオヘアー「いやいやいや、出たくないですよ。本当は出たくないんですけど……」
――MVを観させていただく限りは、かなり生き生きと演技なさっている気がしますが……
スネオヘアー「あまり、自分が自分が、みたいになるのは嫌なんですよ。せっかくクリエイターの方が作ってくださるのですから、化学変化を期待したいというか、その人がやりたいことをまず見てみたいんですよ。もちろん、自分が作ればこうするだろう、ということもありますが、出会いによって生まれてくるアイデアとか、そういったものを大事にしたいと思っています」
――「逆様ブリッジ」のときのMVはかなり印象的でした
スネオヘアー「今回も同じ監督なので期待していただいてもいいと思います(笑)。『赤いコート』も同じ監督だったのですが、あの時は『逆様ブリッジ』でやりすぎた部分を押さえて作っていたので」
――すると今回はまたその反動で……
スネオヘアー「僕の肌感覚としては、『逆様ブリッジ』と近いものに仕上がるんじゃないかなと思っています」