ソフトバンクモバイルは21日、ソフトバンク銀座でiPhone 5発売記念セレモニーを開催、そのなかで同社の孫正義代表は、ソフトバンク版iPhone 5の優位性を繰り返し強調する一幕があった。セレモニー後の囲み取材の模様をお伝えしよう。
囲み取材で孫社長が強調していたのは、ソフトバンクでは広いエリアでiPhone 5用のLTE通信が利用できる、ということだった。総務省への免許申請済みのLTE基地局の数は、1万500に上った。いま現在、稼働している基地局は7,300を数えるという。一方で、ライバル会社では免許申請済みのLTE基地局の数は4,500ほど。稼働しているのはそれよりも少ない計算になる。
ソフトバンクでは、今年度末までに1万9,000基地局の稼働を目指す。実人口カバー率で91%となる予定だという。孫社長は「iPhone 5用のLTE基地局の整備は、これまで一切極秘で進めてきました。その結果、iPhone 5発売日までに、ライバル会社の2.4倍にもおよぶ基地局の整備が完了できました。今日現在、ソフトバンクが運用するLTE基地局の実人口カバー率は60%ほどです。これは世界でもっともiPhone用LTE基地局の整備が進んだ事業者、ということになるのではないでしょうか」と満足げに語った。
孫社長はパネルでも説明した。東京都23区内では、iPhone 5対応 LTE基地局免許許可数はソフトバンクが1,192局、他社が776局となっているという。来月(10月)末には、山手線内でもほとんどの場所でLTEが利用できるようになる見込みだ。
iPhone 5の使用感については、「これほどWebやマップの閲覧がスムーズにサクサクっといくと、触っていて感動します。デザイン面では、薄く軽く、持ちやすくなりました。是非是非、みなさんにも体験して欲しいと思います」とコメントした。
予約台数を教えてください、との質問に孫社長は「数については公表しないというのが従来からの方針です。iPhone 5は史上最大の納入をいたしましたが、それを大幅に上回る予約をいただいております。これからも続々と入荷予定です。少しでも早く、皆さんのもとにお届けしたいと思っています」と回答するにとどまった。
KDDI版iPhone 5との比較で、ソフトバンク版ならではの強みは何ですか、との質問には「通話中にインターネットでWebサイトの閲覧ができる、LTEのエリアが広い、下取りプログラムがあるので今後も安心してソフトバンクでiPhoneを何代でも使い続けられる、iPhone取り扱い年月が長いので販売店のスタッフも知識・ノウハウが多い」ことを強調。下取りプログラムにより乗り換えユーザーだけでなく既存のユーザーも大事にする用意ができた、と力強くアピールした。ちなみにソフトバンクで下取りした端末は、アフリカや南米などiPhoneがまだ行き届かない国へリサイクルする予定だという。
テザリングの開始まで時間がかかる理由については、トラフィックの整備を理由に挙げた。一部のユーザーがネットワークを占有した結果、ネットワーク障害が起きてしまう、ということがないように、現在慎重にマネージメントしているとのこと。「ソフトバンクでは過去2年間、全国規模のネットワーク障害を起こしていません。既存ユーザーに迷惑をかけることは、絶対に避けなくてはいけないことで、通信事業者の責務であると感じています」。
iOS 6の地図機能については「アップル社は熱心なので、これから一気に強化されるのではないかと思います」、コネクタの形状が変わりったことによる影響については「上下どちら向きに差しても大丈夫で、ユーザーにとっても利点が多いです」と回答。ドックの形が切り替わるとこれまでの周辺機器が使えなくなることもあるが、今後も素晴らしい製品がどんどん出てくるので影響は出ないだろうとの見方を示した。