「Candy」は、自分の写真や絵文字、デコメなどを自由に組み合わせて、好みのデザインの”ホムペ(Webサイト)”を作成できるスマートフォン向けアプリで、女子中高生を中心とした10代の若者を中心に人気を集めている。
サイバーエージェントが運営する「Ameba」では、このCandy利用者に対して、スマートフォンの利用に関するアンケート調査を実施。その結果を8月30日に発表している。同調査からは、10代の若者のスマホ利用の興味深い実態が見て取れる。
質問項目のひとつ「友達とのメインの連絡手段は? 」の回答では、1位の「メール」と2位の「LINE」が、3位の「電話」を大きく引き離し、圧倒的多数を占めている。その他の回答もSMSやFacebookメッセージなどのコニュニケーションサービスが挙がっている。どうやら、10代の若者は”無料”で使えるサービスに敏感なようだ。
これらの”無料”のサービスに敏感な10代の若者。各キャリアが提供する公衆無線LANサービス、いわゆる「無料Wi-Fiスポット」にも当然敏感だろう。この無料Wi-Fiスポットとは、簡単にいうと「3G回線では重くて見られない動画」や「3G回線では時間がかかる大容量アプリのダウンロード」をサクサク行うことができる通信環境を無料で提供する場所だ。
さて、この無料Wi-Fiスポットの設置を先駆けといえば、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」だろう。同サービスは、現在時点でマクドナルドやスターバックスなどのカフェ、コンビニ、都営地下鉄全線の駅構内など27万カ所(2012年8月時点)で提供されている。
ちなみに、ソフトバンクモバイルは、国内でのiPhone販売をいち早く手がけ、ユーザー同士の通話が無料になるプランの提供や、端末代金を”無料”にするキャンペーンの実施など、多くの「無料サービス」を仕掛けている。
一方、昨年からiPhoneの販売を開始したKDDI(au)は「au Wi-Fi SPOT」を提供している。同サービスは、2012年6月末時点で17万6000カ所。ソフトバンクの数と比較するとまだまだ少ないが、6月よりスターバックス店舗への設置を進めるほか、8月からはローソンと提携してサービスを開始するなどau Wi-Fi SPOTの拡充に力を入れている。
無料Wi-Fiスポットの提供で最も遅れをとっているのが、NTTドコモの「docomo Wi-Fi」で、4万1400カ所(2012年8月末時点)。前述のソフトバンクモバイル、KDDI(au)と比較すると大幅に少ない。だが、パケット定額サービス契約者など向けにWi-Fi接続の月額使用料を無料にする「docomo Wi-Fi永年無料キャンペーン」を9月1日から実施し、鉄道施設などのエリア化を勢力的に進めるなど、無料Wi-Fiスポットへの注力がうかがえる。
各社ともに力を入れる無料Wi-Fiスポット。現状では、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」が大きくリードしていると言えるだろう。今後も各社の動向に注目したい。