先日、愛用のMacBook Airを落として液晶を割り、ディスプレイ部分丸ごと交換という憂き目に遭った私ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最初はかわいい虫ぐらいのサイズだった液晶のヒビは日ごとに勢力を増し、紫キャベツを煮出したような色のシミが画面の左半分をほぼ征服する頃には文字の判読すら困難になっておりました。「まだまだァ!」といらぬ根性で踏ん張ってまいりましたが、とうとう仕事に支障を来すようになったため泣く泣く修理へ。あっさりと諭吉が4枚ほど飛んでいきました。何も買っていないのに(私は物欲の権化です)! このやるせないむなしさを一体どこにぶつければよいのか。あのとき私がマシンを落とさなければ、4人の諭吉とは別れなくてもよかったのに……。というか、落としても割れなければよかったんじゃないの……?
この自分の不注意を棚に上げての恨み節を聞いた編集が「じゃあこれ使ってみたらいいんじゃない」と送ってきたのがこちら。
──これiPhone用じゃないか。
そう口答えすると、「あんたiPhoneも割ったことあるだろう。今のもいつ割れるかわからん。貼っておけ」とぐうの音も出ない返し。さらに「貼ったら使い心地を詳細にレポートしろ」と。優しいのか鬼なのか……。
さて。今回手にいれましたのはPATCHWORKS Japanの「USG - Impossible Tempered Glass for iPhone 4/4S」(直販価格2,625円)。クールなデザインのパッケージには「IMPOSSIBLE」(不可能)と大書してあります。何が不可能なのかしら。ドキドキ。
本体とご対面。よくある液晶保護フィルムかと思いきや、一線を画すのはその厚み。力を入れてみましたがほんのわずかにわん曲するのみで非常に硬いことがわかります。なにしろ、表面硬度はもっとも硬い9Hの鉛筆でも傷をつけることができないということを示す9H。素材は強化ガラスフィルムで、指紋や擦り傷といったiPhoneユーザーの天敵から液晶を守ってくれるのだとか。この頼もしさ、仙道なみです。
両面の保護フィルムをはがし、付属のクロスでこれでもかと磨きぬいたiPhoneに装着します。くり抜かれているホームボタンと上部スピーカー部分を目印にそっとオン……したところ、空気が勝手に両端へと抜けていくのを見て「ええ~何コレすごい」と思わず素で声が出ました。1人でしたけどね! これは接地面が超薄型のシリコンフィルムでできており、これが気泡を防止する機能を果たしているそうです。もし貼り付けに失敗しても粘着力が衰えることはないため、一度取り外してやり直すことも可能です。不器用なユーザーに優しい仕様ですね。
横から眺めると「薄いガラスが乗っている」のはわかります。その程度には「厚い」です。今まで貼ってきた保護フィルムに比べればやはりその厚さは歴然です。でも、それが何らかの支障を来すかと問われれば完全に否。スワイプもなめらか、ディスプレイの見え方にも変わりはありません。むしろ、クリアになって見やすくなったかも。
そして……。やっぱりコレはやらないとダメですよね。
要求されているのは「使い心地の詳細なレポート」でございますから。「カッターでも傷を付けることができない」と言われたら、それを検証しないといけないという道理は赤ちゃんだってわかりましょう。しかしそこは心配性の団塊ジュニア世代(関係ない)。ほんとに大丈夫なの? 刃がガラスを突き抜けて私のiPhoneにグッサリいっちゃうんじゃないの? と不安はぬぐいきれません。
しかしそこは諦めのよい辰年やぎ座(関係ない)。「スマン!」と半泣きで、しかし一思いに切りつけました。
──無傷。超無傷。アトすらついていません。本当にカッターナイフで傷を付けることができませんでした。ものすごくなめらかに表面をつるーっと滑るだけ。これはJAROの出る幕はありませんね。だって全部本当なんだもの。
商品名にあるUSGとは、「Ultimate Screen Guard」の略です。つまり、究極なんです。究極の・画面・保護。不慮の事故で液晶を割って、愛しい諭吉との苦しい別れを強いられる前に、これを貼ってぜひとも保護しましょう。心の傷も予防してくれますよ。