――五十嵐さんが最初にイラストを見たときの感想はいかがでしたか?
五十嵐「とにかく可愛いなと思いました。私は2次元の女の子が大好きで、自分で画集とかも買っちゃうぐらいなので、こういう形でイラストレーターさんと組んでお仕事ができるのはすごくうれしかったです」
――声のイメージはすぐに浮かびましたか?
五十嵐「あまりこういったファンタジー世界の作品に関わることは多くないのですが、今回は、イラストを見せていただいた瞬間、インスピレーションで声を決めることができました」
――現在、五十嵐さんが演じていらっしゃるひなちゃんと比べるとかなり違いがありますよね
五十嵐「そうですね(笑)。でも、元気だったり、無邪気だったりするところには共通点があるかもしれません。私は基本的に男の子のほうが得意だったりもするので、やはり元気な感じというのは演じていて楽しいです」
――ちなみに稲垣さんは最初に絵を見たときは、どのような印象をお持ちでしたか?
稲垣P「基本的に"可愛い女の子"とお願いしてましたので、まず最初はビックリしました。だって、ドラゴンがいるんですよ(笑)。でも、このドラゴンがいることによって、女の子がより魅力的に見えたので、このあたりはさすがだなって素直に感心しました。ただ、これまでにはなかった世界観だったので、ストーリーをどうしようって、ちょっと頭を抱えましたね」
――前回とは違って、今回は稲垣さんがお一人で脚本を書かれているんですよね
稲垣P「世界観的にはちょっと苦労しましたが、藤田さんが細かなディテールまでしっかりと描き込んでくださっていたので、セリフ自体はけっこう作りやすかったです。やはり特徴があるほうが書きやすいですよね。本当に今回もすばらしいイラストを描いていただけたと思っていますし、それに対して、五十嵐さんにもすごく良い感じで声をあてていただけてますし、満足度はかなり高いです」
――収録自体もかなりスムーズだったということですが、実際に演じるにあたって、気をつけたことはありますか?
五十嵐「普段はあまりテンションが高くないので、演じているうちに、だんだん落ちていってしまうこともあるのですが(笑)、元気っ子なので、テンションを落とさないように、パワフルな感じで頑張りました。収録前に、『セリフは好きなように直してもらってもいいですよ』と言っていただいていたのですが、特に変える必要もないぐらい、スムーズに収録できて、楽しかったです」
――演技に対して何か指示などはありましたか?
五十嵐「とにかく自由に、と(笑)」
稲垣P「台本とイラストを先にお渡しして、収録前にあらかじめイメージを作っていただき、それで問題なければ、特にこちらから注文をつけることはしないんですよ。今回も、五十嵐さんに作っていただいたイメージがピッタリとイラストにハマっていたので、そのイメージのまま演じていただきました。可愛い声でありながら、パワフルで、生命力あふれる女の子を演じていただけたと思っています」
五十嵐「ただ、やはり10秒という時間の制約の中で演じるのは難しかったです」
――10秒という時間はかなり意識するものなのでしょうか?
五十嵐「台本でちゃんと考えられているので、演じているときにそれほど意識することはないのですが、少しだけこぼれちゃったりすると、元が短いので修正するのにちょっと苦労しますね。あと、溜めた演技はというのも時間的にはかなり厳しかったりしますし」
――それでもきっちり10秒という枠の中に収めていくのはプロの仕事ですよね
稲垣P「『声優さんってやっぱりすごいな』っていつも思うところですね。どうしても収まらない場合は、セリフを削ったりもするのですが、やはり10秒となると削る要素がなかったりするんですよ。なので、『ちょっと巻きで』って簡単に言っちゃうんですけど、それにちゃんと応えてくださるので、いつも頭が下がる思いです」
五十嵐「私なんかはまだまだ全然ですよ(笑)。今回の収録に関して言えば、難しかったのは時間の制約ぐらいで、あとは本当に楽しく演じさせていただきました」