既報の通り、ソニーはAndroid搭載タブレット端末「Sony Tablet」を国内でも正式発表し、報道関係者向けに披露した。9.4型ディスプレイ搭載の「Sシリーズ」が9月17日から、2画面のディスプレイを搭載した「Pシリーズ」が10月下旬の発売となっている。ソニーのコンスーマープロダクツ&サービスグループVAIO & Mobile事業本部VPで副本部長の古海英之氏は、「ソニーらしいエンターテインメント体験を提供していく」と意気込む。

発表会に登壇した(中央左から)ソニーマーケティング松原昭博氏、ソニー古海英之氏、NTTドコモ板倉仁嗣氏

4つの特長で独自のエンターテインメント体験を

Sony Tabletは、同社が以前から開発表明をしていたタブレット端末で、本体の片側に一枚板を折り曲げたような曲線を描く偏心デザインを採用した9.4型ディスプレイ搭載「Sシリーズ」と、5.5型ディスプレイを2つ搭載して中央で折りたたんでコンパクトに収納できる「Pシリーズ」の2モデルを用意。Sシリーズは無線LAN対応モデルのみ、Pシリーズは無線LAN対応モデルに加えて3G搭載モデルも提供する。

Sony TabletのSシリーズ(左)とPシリーズ

9.4インチディスプレイを搭載するSシリーズは、大画面を生かして家庭内で「リッチメディアエンタテイメントを実現する」(古海氏)ことを狙った端末。プラスチックボディで軽量化を図り、サイドの膨らみと偏心デザインによるボディバランスによって長時間の片手持ちでも疲れにくいようにした。

5.5インチディスプレイを2画面備えるPシリーズは、左右に異なる表示をしたり、一方にソフトキーボードを表示したり、1つの画面として大型画面として利用したりが可能な折りたたみデザインで、「気軽に携帯でき、モバイルエンタテインメントを楽しめる」(同)ことを狙った。

古海氏は、「Sony Tabletの4つの特長」として、「優れたデザイン性」「サクサク・エクスペリエンス」「ネットワークサービス」「テレビなどさまざまな機器との連携」を挙げ、映像や電子書籍、ゲームなどを気軽に楽しめ、快適に楽しめるように考えたと説明。

デザイン性では、偏心デザインや曲線を生かしたデザインなど、持ちやすさ、持ち運びやすさを追求したという形状で、大型のSシリーズでも、片手で安定して持てるという。Pシリーズでは、デュアル画面を生かした使い方を提案するデザインとなっている。

Sony Tabletの4つの特長

持ちやすさ、使いやすさにこだわった独特のデザイン

「操作性、操作感にこだわった」(同)というサクサク・エクスペリエンスは、クイックビュー、クイックタッチといった「ソニーの技術をふんだんに使って、快適な操作性を実現した」(同)。単純なハードウェアスペックだけでなく、これらの技術で体感速度を向上させ、使い勝手をよくしている。

ネットワークサービスでは、映像配信サービスの「Video Unlimited」を含む「Sony Entertainment Network」に対応。さらにタブレット端末として初めて「PlayStation Certifiedプログラム」に対応し、初代プレイステーションのゲームタイトルなどを楽しめるようになっていて、「みんなのGOLF2」「Pinball Heroes」の2ゲームがプリインストールされている。

ソニーの各種サービスに対応

電子書籍サービスの「Reader Store」も10月以降に対応。これにあわせて、Reader Storeでは写真集や雑誌、ムックといったカラーコンテンツもサポート。Sony Tabletを電子書籍端末として活用できるようになる。

Reader Storeでは、新たに写真集などのカラーコンテンツも提供

また、写真・動画共有サービスの「Personal Space」も対応し、撮影した動画像をアップロードして共有したり、オンラインアルバムをSony Tabletから閲覧できる。Sシリーズでは、ソニーのオンラインアルバムサービス「Life-X」の画像を充電中にスライドショー表示するフォトフレーム機能も搭載している。

Sシリーズ向けにLife-Xの自分の画像や、ソニーのデジタル一眼レフカメラ「α」シリーズのユーザーによる「α cafe」の画像をスライドショーで表示できるアプリも搭載

Pシリーズ向けには、100万カ所のスポット情報を有する「PetaMapガイド&ナビ」アプリを搭載する

機器連携では、DLNA対応テレビなどと連携し、Sony Tablet上のコンテンツをテレビなどに「スロー(投げる)」ことにより、ワイヤレスで簡単にコンテンツをデジタル家電上で再生できる。画像や動画を大画面テレビで閲覧したり、音楽をネットワークオーディオプレイヤーで再生したりといったことが可能だ。DLNAでは対応機器の電源制御はできないため、Sシリーズには赤外線ポートも搭載し、テレビなどのリモコンとして利用できるようにした。リストからメーカーと機器を選択するだけで簡単にリモコン設定ができるほか、機器のリモコンを使った学習リモコン機能も搭載している。