――『WORKING!!』のアフレコ当時を思い返して、何かエピソードなどはありますか?

福山「本当に最初からスムーズにいった現場でしたね。キャスティングも、キャラクターにうまくマッチングしていましたし、実際、オンエアが始まる前に収録が終わっているというぐらいスムーズな進行でした。とても制作状況が良くて、ほぼフルカラーの状態で収録ができたんですよ。なので、絵にあわせたタイミングや表情で表現できたので、みんなの芝居自体もすごくのっていたと思います」

――やはり絵ができているほうが芝居はやりやすいですか?

福山「やりやすいかどうかで言えば、100%やりやすいですね。特に『WORKING!!』のような会話で進んでいくコメディーの場合は、絵がちゃんとできているというのが大きなメリットになっていたと思います。もし絵のできていない状態でのアフレコだったら、ここまでみんなのセリフものっていなかったのではないかと思います」

――小鳥遊を演じる上で、平池監督から何か指示はありましたか?

福山「小鳥遊は時おり、『反吐が出る』とか、悪態をつく場面があるのですが、そういったシーンで、『そこのところははっきりと、もっとやってくれ』って言われました。『いい人を残そうとするな』って(笑)。そのあたりは僕自身も意識していた部分ではあったので、あまりキャラに対して大きな注文を受けたことはなかったですね。ただ、小鳥遊がちっちゃいものについて語るところでの普段とのギャップについては、自分でもどこまでやってよいのかがわからなかったので、ディスカッションを何度かさせていただきました」

――第1期では、小野大輔さん、神谷浩史さんと一緒にエンディングテーマを担当なさっていました

福山「オープニングやエンディングテーマは、本編の収録よりも先に作業をすることが多く、『WORKING!!』の場合も、アフレコの直前に収録を行ったんですよ。メンバーも知っているし、キャラクターもわかっていて、もちろん台本も読んだうえでの収録だったのですが、やはり作品がどのように仕上がっていくのかがわからない状態なので、歌の収録自体はとてもスムーズで、男性3人のコントラストが面白い曲に仕上がったものの、皆さんがどんな風にこのエンディングテーマを聴いてくれるのかがまったく想像できない感じでした。それが実際にできあがってみると、オープニングからエンディングまで、とてもバランスのとれた『WORKING!!』の世界になっていたので、それがとても不思議に思えた記憶があります」

――ちなみに、女性陣が歌っていたオープニングについては?

福山「オープニングでは、ずっと僕らが"ワンワン"と言っているのですが、そこのところはかなり無責任にやっていました。合いの手なんて緊張してやるもんじゃないですから(笑)」

――そんな第1期のオープニング、エンディングからずいぶんと時を経て、このたび小鳥遊のキャラクターソングがリリースされました

福山「ちょうど『WORKING!!』の第2期の製作発表が、エイプリルフール企画とあわせて行われたのですが、そのトレーラーで小鳥遊を演じていたので、キャラクターには、何の問題もなくすっと入り込むことができました。キャラクターソングに関しては、小鳥遊の日常がテーマで、誰とは直接言っていないのですが、たぶん聴いてくれる方が『ここの部分はこの人』といったことがわかるような歌詞になっていて、キー自体も小鳥遊として歌いやすいように作っていただいたので、歌っていてとても楽しかったです。カップリングの『ワグナリア賛歌』は、同じ歌を各キャラクターが歌うのですが、アレンジが全然違うものになっているので、聴き比べてもらえるととても面白いのではないかと思います」

――キャラクターソングの聴きどころはどのあたりになりますか?

福山「僕自身の感想でいうと、まずパッケージがとても新鮮だったんですよ。小鳥遊は基本的にあまりおしゃれをしないのですが、パッケージでは、何とクロップドパンツをはいている。パッケージではそこまで見えていないのですが、ストールを巻いて、カーディガンの腕をまくって、クロップドパンツをはいている。そんな小鳥遊が、ものすごく新鮮でした(笑)」

これが注目のパッケージイラスト

――聴きどころではなくて見どころですね(笑)

福山「ええ(笑)。でも、それぐらいのちょっとした楽しみが歌の中にも入っているので、そのあたりを楽しみにしていただけたらいいなと思います。小鳥遊に限らず、各キャラクターにあわせたタイトル、歌詞の内容になっていますし、さらにそこに隠された彼らの日常というものを見つけてみてください」

――なるほど。でもまずはパッケージを見ろと

福山「何か違和感を感じないか? と(笑)」

(次ページへ続く)