レッドハットは5月25日、今月初旬に米国にて発表された「CloudForms」および「OpenShift」の説明会を開催した。説明会には、両製品/サービスの責任者を務めるBryan Che氏が登壇。製品の概要や他社製品との違いを紹介した。
米Red Hat、Product Management & Marketing シニアディレクターのBryan Che氏 |
これらのうち、CloudFormsはハイブリッドクラウドの構築/管理を実現するIaaS基盤ソフトウェア。大きく「Application Lifecycle Management」、「Compute Resource Management」、「Infrastructure Service」の3つの機能群から成り、60以上のOSSが組み込まれている。
最大の特徴は、ハイパーバイザーの種類を選ぶことなく、仮想化環境を統合管理できる点。Deltacloud APIに対応したことで、KVM、Hyper-V、VMwareなど、複数のハイパーバイザーが混在するような環境でも、すべての仮想マシンをまとめて管理できる。また、Deltacloud APIを使ってパブリッククラウドも連携させることができるため、オンプレミスとパブリッククラウドのリソースを統合して表示したり、オンプレミスのリソースが不足した際に自動でパブリッククラウドに仮想マシンを移したりといったことも実現可能。「こうした、プラットフォームにロックインされない汎用性が他社製品にはない魅力」(Che氏)という。
また、CloudFormsには、管理者向けポータルや、ユーザーが仮想マシンの発行申請を行うセルフサービス・ポータルも用意されているほか、構成管理やパッチ管理など、アプリケーションの構築に必要な機能も組み込まれている。ハードウェア・リソースからアプリケーションまで一括して管理でき、各レイヤの間に潜む複雑性を隠蔽できる点も大きな特徴の1つとなっている。
一方のOpneShiftは、Red Hat Enterprise LinuxやJBossなど、同社が所有する技術やパートナーのソフトウェアを活用して構築したパブリックPaaSになる。Javaに限らず、PHPやPython、Rubyなど、さまざまな言語に対応し、DBMSも複数のプロダクトをサポート。他のクラウド環境への移行が容易という特徴もある。
OpneShiftでは、ディプロイが簡単で手軽に利用できる「EXPRESS」、プロビジョニングや監視機能、リソースの自動拡張機能などを備える「FLEX」、root権限なども与えられる「POWER」の3種類のサービスレベルを用意。サービスの利用開始後にプランを変更することもできるという。なお、EXPRESSについては、「開発での利用は無料で、運用を開始した時点で課金される」(Che氏)形態になる。また、POWERについては、現在サービス準備中という状況にある。