既報のとおり、ペンタックス(HOYA)製デジタルカメラ新モデルが9日に発表された。発表会には、「K-x」にひき続き、今回もコラボレーションを果たしたザリガニワークスのメンバーらが駆けつけ、ペンタックスならではの「遊びゴコロ」という付加価値をもつカメラをアピールした。

120種類のカラーバリエーションを用意した「K-r」。「ペンタックスの第2章が始まります」と語ったHOYA PENTAXイメージング・システム事業部 事業部長 井植敏彰氏(右)

ターゲットは「いい写真が撮りたいすべての人」

「ペンタックスのデジタル一眼レフカメラ史上、いちばん売れた」とHOYA PENTAXイメージング・システム事業部 事業部長 井植敏彰氏が説明するのは、2009年10月に発売されたデジタル一眼レフカメラ、K-xのこと。

デジタル一眼レフカメラの市場規模

デジタル一眼レフカメラの購入層が変化している

「K-x」購入者がデジタル一眼レフカメラ選びで重視したのは「デザイン」

ミドルクラス並みのカメラ性能を実現しつつも、APS-Cサイズの一眼レフ機としては最小クラスとなるコンパクト設計、そして「PENTAX K-x 100colors,100styles.」という従来にはなかったオーダーカラーサービスを導入するなど話題を呼んだK-xでは、ザリガニワークスとのコラボモデル「K-x コレジャナイロボモデル」、タワーレコードとのコラボモデル「TOWER RECORDS × PENTAX RAINBOW K-x」などのコラボレーション製品も積極的に展開。さまざまな取り組みを行った結果、「ユニークなことをやるブランドだと認知していただいている」(井植氏)という。

K-xの人気カラーランキング

ボディ20色の販売比率を見ると、万遍なく売れていることがわかる

ピンクを新たにレギュラーカラーとして採用した「K-r」

今回、新たに発表された「K-r」のコンセプトは、「小型軽量 ハイスペック」「簡単・便利 楽しい!」「もっと多彩な写真表現」。ターゲットはあえて絞らず、「いい写真が撮りたいすべての人」に向けたカメラを目指した。

高速タイプの新型CMOSセンサーを搭載

AF性能も大幅に向上させた

視野率約96%の明るいファインダーも採用

機能面では、約6コマ/秒の高速連写、ISO200~12800(カスタム設定時25600)対応、要望の多かった「スーパーインポーズ」の採用などK-xをさらに進化させている。また、好評だったクロスプロセスをより使いやすくしたほか、カスタムイメージ機能には「645D」に採用した「リバーサルフィルム」のほか、全体を引き締まった印象にする「銀残し」も搭載。さらに多彩な写真表現を楽しめるモデルになった。製品詳細はこちら

初心者にもわかりやすい「黄金分割表示」

2種類のバッテリーに対応(別売りの単3形電池ホルダーが必要)

赤外線通信機能を利用したゲーム機能も

新カスタムイメージとして「銀残し」を採用

クロスプロセスは「プリセット」「お気に入り」の機能を追加

手持ち撮影にも対応する、進化した「HDR」機能

レギュラーカラーは、K-xではレッド、ホワイト、ブラックだったが、レッドの替わりに女性から人気が高いピンクを採用(海外ではレッド)。ホワイト、ブラック、ピンクの本体に黒グリップを組み合わせた3種類と、オーダーカラー受注サービスでのカメラボディ12色とグリップ10色の組み合わせによる117種類を合わせ、K-xを上回る全120種類のカラー展開で"攻め"の姿勢をみせる。

高密度実装技術により、コンパクトサイズを実現

「夜景HDR」を採用したシーンモード

手ぶれ補正機構「SR」など撮影補助機能も充実

K-rのほか、交換レンズ「smc PENTAX-DA 35mmF2.4AL」も全12種類を用意(12種類のうち、ブラックはレギュラーカラー)。さらに、購入後にカメラのグリップパーツを別の色に変更できる「K-rグリップ交換サービス」も11月中旬より開始予定となっている。ちなみに、K-rグリップ交換サービスだけの特別カラーやデザインも検討されているというから、侮れない。

オーダーカラー受注サービスも用意。「好きな色にしたのに、写真を撮るときにグリップが見えない」という声に応え、ツートンデザインを採用。購入後のグリップ交換サービスも開始する

交換レンズも全12種類を揃える

2010年春モデル「Optio I-10」、「Optio H90」を投入したことにより、「ペンタックスはデザインがいい」という意見が急増している(同社調べ)のも追い風だ。もちろん、カメラは、「デザインだけで売れるものではない」(井植氏)。「いい写真が撮れるという基本的な部分をきっちり」しているからこそ、"+α"の部分で遊べるのだという。

「着せ替えカメラ」や「工作カメラ」も

K-xに続き、RS1000でもコラボレーションを果たしたザリガニワークスの武笠太郎氏(左)と坂本嘉種氏。坂本氏が手にしているのが今回のコラボモデル

デザイン面で独自路線を突き進むのは、デジタル一眼レフばかりではない。同日、発売された「PENTAX Optio RZ10」「PENTAX Optio RS1000」「PENTAX Optio NB1000」も、オリジナリティあふれる発想から生まれた製品だ。

特にRS1000と、その派生モデルであるNB1000に注目したい。RS1000は前面のアクリル製パネルが着脱可能となっており、その内側に好みの絵、写真などをいれることで外観を変更できる仕掛けを採用。"世界でひとつだけ"のオリジナルデザインを楽しめる「着せ替えカメラ」だ。

左から「PENTAX Optio RZ10」「PENTAX Optio RS1000」「PENTAX Optio NB1000」

付属の工具でパネルを取り外し可能

付属する3種類の着せ替え用シート

手書きのイラストや写真からもオリジナルシートを作成可能

ザリガニワークスによるデザインシート。右上の「K-r」版コレジャナイロボモデルの製品化は未定で「まだオファーがきていません…」

森チャック氏によるデザインシート。「ペンタックスのコンデジが好き」という愛情故に、4パターンを作成

パンソンワークスによるデザインシート。「キャラクターと目が合ったときに自然に笑みがこぼれるようなデザインを心がけた」という

専用サイトから無料でダウンロードできるRS1000用のデザインシートにもこだわりが。製品発表会には、ザリガニワークス、森チャック氏、パンソンワークスも駆けつけ、それぞれがデザインしたシートへの思い入れを語った。

「PENTAX Optio NB1000」では、付属のブロックのほか、市販のnanoblockを追加してオリジナルデザインを楽しむこともできる

東京スカイツリーつきで「もはやカメラは土台です!」

望遠レンズならぬ「妨害レンズ」。キャラクターを一緒に写しても面白い

NB1000は、ダイヤブロックの河田が手がける「nanoblock(ナノブロック)」とのコラボモデル。カメラ前面にnanoblockを装着することで、アイディア次第でデジタルカメラをさまざまな形に変容させることができるのだ。誕生日には「ケーキ」をつけ、冬には「サンタクロース」を、そしてカメラ自体をロボット型に…など、次から次へと繰り出されるアイディアに、会場は笑いの渦に。「商品企画に命を賭けていますから!」と、先日、同社に電話した際に耳にした言葉をふと思い出す発表会だった。

12種類用意された交換レンズ。好みの組み合わせを探せるはず

会場の外には、タカラトミーアーツによる「ガチャ」も設置。K-xと接続可能なK-xのカプセルトイが入っていた