NVIDIAは17日、プロフェッショナル向け製品「Quadro」の国内発表会を開催した。
「Quadro 4000/5000/6000」および「Quadro Plex 7000」は、SIGGRAPH 2010にて発表されたプロフェッショナル向けのハイエンドGPU。Fermiベースのアーキテクチャが採用されている。米NVIDIAのQuadro製品 マーケティングディレクターのダニエル・シャピロ氏が来日し、Quadro新製品の特徴をデモを交えながら紹介した。
Quadroは、もちろんグラフィックスカードの様式をとったハードウェアであるが、開発環境、企業向けサポートを含めたトータルソリューションだ。CUDAに関してはすでに350以上の大学で教育されているとのことで、Quadroの地盤も整備されつつある。また、GPUを活用したアプリケーションもMotion DSPやAdobeのプロフェッショナル向け製品、医療分野ではCyberHeartの4D Cardiac CT Visualizationなどが紹介された。さらに別の視点からは、映画「アバター」で利用されたペイントソフト「MARI」のThe Foundry Visionmmongersから、MARIのプロダクトマネージャーであるジャック・グリーズリー氏も来日し、デモを行なった。
Tesla Quadro事業部のプロフェッショナルソリューション マネージャの福田敦彦氏はTeslaやQuadroがすでに市場で大きな支持を得ていると紹介しながら、今後は既存マーケット自体を拡大していくのが重要と説明した。
最新のQuadro 6000は旧世代のQuadro 5800と比べジオメトリ性能(SPECviewperf)で5倍。5倍複雑なモデルが表示可能とされる。また、倍精度演算性能(Linpack HPC Benchmark)では8倍高速とされることに加え、3D Vision Proにも対応し、企業や研究機関などで求められるワークステーションニーズに応える。新しいQuadroのパフォーマンスによって、これまでTeslaで演算、Quadro FXで視覚化していたような作業を1枚で完結することが可能になると言う。
また、このほかパートナー戦略も紹介した。DELL、HP、Lenovo、NEC、Fujitsuといったワークステーションベンダーに加え、ショップブランドのワークステーションを扱うマウスコンピューターやドスパラ、ユニットコム、ツクモといった秋葉原のショップ、Quadroカードを扱うエルザ、そしてワークステーション向けアプリケーションを開発しているソフトウェアメーカーなどが名を連ねている。