――今回の曲では衣装もかなりハデで、これまでのangelaのテイストとは少し違っていますよね

こちらもPVの収録風景より

atsuko「『普段着でいきましょう!』みたいなノリで、スタイリストさんと相談して決めたのですが、これまでは本当に誰も着ないような服で、さらに羽根をつけたりしていたところを、今回は、普通に原宿を歩いている人、みたいな感じで発注して用意してもらった衣装なんですよ。本当に普段着の延長みたいな感じで、かなり新鮮な感じがしました」

――普段着にしてはかなりハデだと思いますが……

atsuko「そうですか? angelaとしては新しい感じかもしれませんけどね(笑)」

KATSU「angelaのくせに笑顔の写真があったりもするんですよ(笑)」

――それもまた珍しいですね。ちなみKATSUさん的に今回の衣装はいかがですか?

KATSU「僕はやっぱり、勇気がいりました。ジャケット撮影のときも、ずっと笑顔みたいな感じだったんですけど、笑顔でいるのにも勇気が必要で(笑)。楽しそうにやってはいるんですけど、本当にこれでいいのかな? みたいな気持ちもありました」

atsuko「プロモーションビデオでは、さらに別バージョンの衣装も着ていたりするんですけど、私は真オレンジのジャージで、KATSUが真っ黄色。しかも上下ですよ! これもまた新しい感じなんですけど、アコースティックギターを持って出てくるので、とあるお笑いの方々みたいになって(笑)」

――赤と青じゃなくて良かったですね

atsuko「そうなんですよ。かなりハデなので、ちょっとちがうんですけど、やっぱり似てるよね、みたいな(笑)」

――さて、今回の曲も「オルタナティヴ」に続いて、結構な早口ソングですよね

atsuko「今回のサビの部分は、正直なところ、「オルタナティヴ」よりも難しいです。特に1番の『泳いで 無駄にね』というところが難しくて……。今もちょっと噛みましたけど(笑)」

――さらにハードルが上がっている感じですが、KATSUさんは毎回シングルをリリースするときは何らかのハードルを設けるとおっしゃっていましたが、今回のハードルは何ですか?

KATSU「今回のハードルは、『上手いと失敗だな』というところですね。演奏も、歌も、コーラスもそうなんですけど、上手いと失敗。とにかく勢いや元気みたいなものが表現できないと失敗なんですよ。これまでの曲はレコーディングもすごくシビアで、ここの歌詞はこうだから、こういったニュアンスで歌ったほうがいいとか、ここのピッチは気をつけてみたいに、すごくシビアにやっていたんですけど、今回はシビアに作ったら負けだと思ったので、とにかくatsukoのテンションを持ち上げて、『どうぞー』みたいな感じでレコーディングをしました(笑)。それはatsukoだけでなく、演奏陣もそうだし、コーラスもそう。上手いとダメなんですよ。ヘタクソでもいいから元気だけはある、そんな人を集めたかったんですね。なので、いつもはangelaの後ろで踊ってくれているダンサーの子たちに、コーラスに参加していただきました」

――ダンサーの方がコーラスをやっているんですね

KATSU「もし声優さんたちを集めてコーラスをやってもらうと、たぶん演技になっちゃうんですよ。演技になると、それはそれで負けなんですよね。それで今回は、とにかくレコーディング自体を楽しんでくれる人ということで、ダンサーの子たちにコーラスをやってもらうことにしました。普段のライブのときから楽屋が賑やかなのは知っていたのですが、今回はその賑やかさがほしかったんですよ」

――勢いを重視するというのは、シビアに突き詰めていくことよりも逆に難しくないですか?

KATSU「結果的に言うとそうですね。やっぱり、あの子たちもダンサーとしてプロの仕事をしているので、やはりスタジオに入ると、ここは綺麗にきっちりと決めようって思っちゃうんですよ。もうこれは職業病ですね。うまく歌おうとしちゃうんです。なので現場でも『ちがう! 上手すぎる!』とか言っちゃって(笑)」

――練習していくうちに慣れてくるのもやはりダメなんですよね

KATSU「そうなんですよ。だからそのあたりのコントロールがかなり難しかったですね」

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