既報の通り、KDDIはAndroid OS、Windows Mobileを搭載したスマートフォン2機種「IS01」「IS02」を6月上旬以降に発売する。au携帯電話としては初のAndroid端末を含み、高橋誠取締役執行役員常務は、「auらしさを出していく。今後にこうご期待」と強調する。

新端末を掲げる高橋誠氏。左がIS02、右がIS01

心地よいスマートフォン「IS01」

IS01は、シャープが開発したQWERTYキーボード搭載のAndroid端末。国内のAndroid端末でフルキーボードを搭載したのは初めてだ。ノートPCのように液晶部を折りたたんで閉じる形で、通常の携帯電話として利用するよりも、テキスト入力を中心に利用することを想定している。

フルキーボードを備えたIS01。革の手帳をイメージし、上質で高級感のあるボディを追求したという

本体カラーはBLACK、LIGHT BLUEの2色

高橋氏によれば、PCには画面の大きさや入力しやすさ、携帯・スマートフォンには携帯性の良さや起動の速さが求められているという。このことから、IS01はネットブックとスマートフォンの中間という位置づけとなる。

ソーシャルメディアのアカウントを4個持ち、PCやスマートフォン・携帯で利用されている

PC、携帯それぞれにはそれぞれの良さがある

オープンプラットフォームと携帯の良さを併せ持つ端末がコンセプト

さらにIS01は、ネットブックとスマートフォンの中間を目指した

UIはAndroid標準ではなく、ocean observationsが開発したオリジナルUIを採用。横画面に適したインタフェースで、カード型メニューやアイコンを自由に配置できるホーム画面に加え、画面に触れたときに鳴る音を含めて、「心地よいUIを求めた」(高橋氏)という。

カード型メニューで直感的に利用できる

自由にアイコンを配置してカスタマイズできる

実際の画面。液晶は高解像度で視認性が高い

こちらはアドレス帳

1タッチで表示できるタスク一覧。ここからタスクの切り替え、終了ができる

Webブラウザの表示。960×480ドットの高解像度のため、PCサイトもらくらく表示できる

本体サイズは暫定値で約83(W)×149(H)×17.9(D)mm、約227gとなっており、画面サイズは5.0インチと大きい。液晶はNewモバイルASV液晶で、解像度はフルワイドVGA++(960×480ドット)と高解像度で、PC向けのWebサイトも見やすい。

CPUはSnapdragon 1GHzで、ユーザーメモリは2GB、microSDHCカードは16GBまでをサポートする。カメラは有効画素数527万画素CMOSセンサーを採用し、AFに対応。タッチした部分にAFを会わせる機能も備えている。なお、PCに接続してのモデム利用はできない。

キーボード操作に加え、タッチパネルにも対応。IS01が採用するAndroid 1.6はマルチタッチをサポートしていないが、IS01では独自にマルチタッチ操作をサポート。Webブラウザや写真、Googleマップといったアプリではピンチイン・アウトといったマルチタッチ操作が利用できる。

アウトカメラを使っての撮影。タッチした場所にAFが合う

画像表示では独自にマルチタッチをサポート

OSバージョンが最新の2.1ではないが、今後バージョンアップは検討する。同社では基本的にキャリア独自の機能は少なくして、OSのバージョンアップにはできるだけ追随していく考えを示しているが、高橋氏は発売時に最新バージョンのOSが搭載されるかどうかについては明言しなかった。

日本語入力にはiWnn IME - SH editionを搭載

OSバージョンは1.6

IS01は、従来の携帯にあった「日本人が大事にしているソリューション」(同)として、ワンセグと赤外線通信を搭載。電話番号などのアドレス交換が簡単にできるようにした。ワンセグは視聴だけでなく番組録画も可能。ダビング10もサポートし、microSDHCカードに保存した番組を、対応するHDDレコーダーなどで再生することも可能だ。

赤外線ポートはこの位置にある

ワンセグ画面。録画にも対応

アウトカメラとインカメラの2つを搭載。インカメラは自分撮りを想定している

パンタグラフキーで打ちやすさにこだわったというキーボード

カーソル移動に使えるトラックボールも搭載

さらに、携帯向けのEメール(@ezweb.ne.jp)も今後サポート。8月下旬以降にアップデートを行い、携帯メールをサポートするアプリを提供。絵文字やデコレーションメールにも対応する予定だという。

今後EZwebメールにも対応する

バッテリー。microSDHCカードスロットとSIMカードスロットは同じ位置にある

高橋氏は、「心地よさ」という言葉を繰り返し、UIやカスタマイズ性、日本独自のサービスへの対応といった点でIS01をアピールする。

iPhoneひとり勝ちの中、複数のスマートフォンで挑む

スマートフォンでは、ソフトバンクのiPhoneが「ひとり勝ち」(高橋氏)の様相を呈する中、NTTドコモもAndroid端末「Xperia」で追撃を図っている。auはスマートフォン事業で後れを取っており、高橋氏は「AndroidがCDMAに対応していなかった」ことを遅れの原因の1つと話す。

今回、同社では6月上旬以降発売の端末を早々に発表し、auでもスマートフォンに注力していることを示した形だ。その分、価格などは決まっておらず、現時点では5万円台後半が設定されているが、「べらぼうな(高額な)売価にはならない。届けやすい価格にする」(同)考えで、何らかの料金施策も示唆している。

料金プランに関しては、従来のau携帯電話と同じものが利用可能で、パケット定額プランを利用すれば、上限額5,985円で通信が利用できる。インターネット接続にはさらに月額315円のIS NETへの加入が必要だ。

新たな割引施策も展開し、「ISデビュー割」を提供する。端末発売後、9月30日までにISシリーズを購入して新規契約した場合、2年間で最大26,280円を割り引く。誰でも割適用時のプランEシンプル(月額780円)とIS NET月額料(315円)に相当する1,095円を24カ月割り引く形で、仮に通常携帯との2台目として使った場合でも、ISシリーズは基本料不要で利用できることになる。1台目に購入した場合も割引は行われる。

ISデビュー割

高橋氏は、「もう1機種」のAndroid端末を用意していることを明らかにしており、会見の中で一瞬だけ端末の外観イメージを披露している。こちらの端末はキーボードのないフルタッチ端末になる模様で、携帯とスマートフォンの中間と位置づける。FeliCaにも対応するようだ。

この端末は秋から冬にかけて発売をする意向で、さらに高橋氏は、複数のAndroid端末を今年中に発売する考えを示している。