3G/HSDPAに対応したイーモバイルのWi-Fiルーター「D25HW」は、無線LAN内蔵機器からケーブルレスでインターネットアクセス環境を提供する便利な端末だ。このD25HWにはSIMロックがなく、イーモバイル以外の通信事業者のSIMカードを入れて使うこともできる。後編となる今回は、D25HWでTaiwan Mobileの設定を行いネットワークへ接続するまでを説明しよう。

D25HWでTaiwan Mobileのプロファイルを作成する

プロファイルの新規作成は、EMOBILE D25HW設定ツール画面の左メニューから「設定」を選び、「3G設定」→「プロファイル設定」を開く。すると画面真ん中の「プロファイル名」のところにイーモバイルの通常設定である「emb.ne.jp」が表示されているはずだ。この表示文字を消去すると、その下の「ユーザー名」「パスワード」「APN」が編集可能な状態になる。

プロファイル名に適当な名前(今回はTaiwan Mobileとした)を入力した後、ユーザー名とパスワードは空白、APNには「internet」と入力する。なおデータ通信設定にはこの3つの項目が必要だが、海外のSIMカードはユーザー名とパスワードが不要(空白)なものが多い。

ここまで入力したら画面下の「保存」を押してプロファイル設定を保存する。次にこのTaiwan Mobileのプロファイルを使うために、再び画面左の「設定」から「3G設定」→「接続モード設定」を開く。「プロファイルリスト」の中から作成した「Taiwan Mobile」を選択し、画面下の「適用」を押せば完了だ。なお日本に戻ってEM chipに入れ替え、再びイーモバイル回線を利用する場合は「プロファイルリスト」の設定をemb.ne.jpに戻すことを忘れないようにしよう。

プロファイル設定画面で、Taiwan Mobileのプロファイルを作る。赤線部分が設定するところだ

接続モード設定で、ファイルリストからTaiwan Mobileを選択する

現地の安価な料金でインターネットへ接続

この後、しばらくするとD25HWのディスプレイにインターネット接続完了のアイコンが表示されるはずだ。これでTaiwan MobileのプリペイドSIMカードでデータ通信が可能になったわけである。料金はNTD 0.045/KB=0.13円/KB(2009年12月22日20時時点)。イーモバイルの国際ローミングサービスの20分の1と、やはり現地の料金は大幅に安い。

接続完了。移動中などに利用できる

ところで、海外のプリペイドSIMカードの中にはデータ通信定額サービスを提供しているところもある。Taiwan MobileのプリペイドSIMカードも、1日、3日、5日のデータ定額を用意しているが、申請はSIMカードを入れた携帯電話から電話をかけて行う。だが、D25HWは電話をかけることができないため、今回は空港のカウンターで定額サービスを申し込みしてもらった。海外でプリペイドSIMカードを購入してD25HWで活用する場合は、データ定額サービスがあれば利用方法をSIMカード購入時に確認し、場合によっては販売店にお願いしてみるのもいいだろう。

このように、現地のプリペイドSIMカードを活用すれば海外渡航中の通信費を安く上げることができる。また、他社のSIMカードを入れる場合も同様に新規プロファイルを作成すればよい。その際に必要な情報は繰り返しになるが、「ユーザー名」「パスワード」「APN」の3つ。たとえば台湾の他の事業者、FarEasToneのプリペイドSIMカード(3Gタイプ)を使う場合は、ユーザー名とパスワードは無し、APNを「f3prepaid」にすれば利用できる。日本ではイーモバイル、海外では現地SIMカード、と使い分けできるD25HWは海外渡航の多い人ならぜひ持ちたい端末だ。