※ 本稿は、動画コンテンツとして提供している『5分でできるスキルアップ』の実践編です。こちらをクリックすると現れますので、併せてご覧ください。なお、本誌「コンサルの極意」カテゴリのトップページには、ビジネススキル向上に役立つ動画コンテンツをその他にも用意しています。ぜひそちらもご視聴ください。

ITコンサルタントの根幹を成すスキルとは一体何か。この問いには、人によりさまざまな答えが出てくると思うが、SAPジャパンでコンサルタントとして数々の実績を残してきた室井氏が迷わず挙げるのが「コミュニケーションスキル」である。

では、そのコミュニケーションスキルを高めるためには何を意識すればよいのか。本稿では、現在、エデュケーション営業統括部長という立場でコンサルタント育成にも尽力している同氏に、「聞いてもらえる・理解してもらえる」から「納得してもらえる」までに昇華させる方法について解説してもらう。

室井 修一(Shuichi Muroi)
SAPジャパン フィールドサービス統括本部 エデュケーション・サービス事業本部 エデュケーション営業統括部長


メーカー系SEから1994年にSAP入社。マルチインダストリー、マルチソリューションを標榜し、コンサルティング、プロジェクトマネジメントなど多彩なロールで開発/導入支援を進める。

その後、エンタープライズSOAプロジェクトを経て、現在はエデュケーションセールスを担当。ユーザー定着化など、導入前から導入後の保守フェーズまでカスタマーとのエンゲージメントサイクル全般でサービスを提供している。

コンサルタントスキルの全体像

まず、SAPコンサルタントのスキル全体像(図1)をご覧ください。

図1: SAPコンサルタントのスキル全体像

4つのスキルが定義されています。この4つのスキルの中で、お客様から「どのスキルが一番重要ですか」と聞かれた場合、即座に「ソフトスキルです」と私は回答します。

意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この"ソフトスキル"は、コンサルタント能力のすべてを発揮するうえで大切な部分。ここがしっかりしていなければ、そのほかのスキルがどれだけ優れていても、十分な成果は上げられないと考えています。

コンサルティングのプロフェッショナルとして必要なソフトスキル・能力はさまざまです。ある方は"客観性"と考え、またある方は"バランス感覚"と考えるかもしれませんが、私自身は"コミュニケーションスキル"だと考えています。具体的には"お客様に提案をして受け入れてもらえるコミュニケーションスキル"です。

今回は、コミュニケーションスキルの必要性(図2)を説明しながら、私が考えるコミュニケーションスキルの全体感、そしてスキルを身に着けるために重点的に鍛えるべきポイントについてご説明したいと思います。

図2: コミュニケーションの必要性