トヨタのプレミアムブランドであるレクサスのブースでは、10月21日に正式発表(世界初出展)されたプレミアムスポーツ「LFA」のプロトタイプを中心として、日本初出展となる「LF-Ch」などが展示されていた。

シックな高級感を醸し出すレクサスブースはトヨタブースに併設

鳴り物入りで登場の「LFA」

レクサスは、2010年末発売予定の2シータープレミアムスポーツ「LFA」を10月21日に発表、プロトタイプを展示した。開発コード654Zとして2004年のテスト走行がスクープされ、2005年のデトロイトショーでは「LF-A」として発表された。今年のニュルブルクリンク耐久レースでも活躍した「LFA」が、市販にかなり近い形となって登場した。

パワーユニットには、新開発V10 4.8Lエンジンを搭載。チタン製コネクティングロッドや吸排気バルブ、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施した超軽量ロッカーアーム、クランクケース各室独立構造などを採用し、最高出力は560PS(412kW/8,700rpm)、最大トルク 48.9kgm(480Nm/6,800rpm)となっている。力強い動力性能を持つ一方で、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金などの軽量素材の採用や、既存のV8エンジンに比べ小型化することで、車両の重量低減、重量配分の最適化を実現。エンジンやトランスミッションなどの重量物をホイールベース内側に配置したほか、軽量・長寿命のCCM(Carbon Ceramic Material)ブレーキディスクの採用などにより慣性モーメントを低減している。また、エンジンのドライサンプ化など徹底した低重心化と併せて優れた運動性能や車両安定性を実現する。

駆動方式はフロントエンジン・リヤ駆動のFRレイアウト。高いコントロール性、直進安定性を確保しつつ、コーナリング性能、トラクション性能を高めるため前後重量配分をフロント48:リヤ52に設定している。オイルポンプやウォーターポンプなどのエンジン補機類をエンジン後方に配置したほか、トランスミッションと燃料タンクは後輪車軸の前、ラジエーターや電動ファンは後輪車軸よりも後ろに配置。慣性モーメントの低減と理想的な前後重量配分を追求している。

高いボディ剛性と軽量化を両立するCFRP(カーボン繊維強化樹脂)材を車体骨格に採用することで、同形状のアルミボディと比べ100kgの軽量化を実現。車両重量を1,480kgにとどめている。

販売台数は全世界で限定500台。販売価格は375,000ドル程度 (国内でのメーカー希望小売価格は3,750万円程度)と、性能同様価格もプレミアム。すでに購入希望の受付が2009年10月21日より始まっている。購入者決定時期は2010年春ごろの予定。

「LFA」プロトタイプは、白を基調としたカラーリングで登場

低いフロントノーズが特徴。ここにV10 4.8Lエンジンを搭載している

三角形に配置されたマフラーエンドが印象的なリアビュー。速度によって制御されるアクティブリアウイングは収納された状態

フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式のサスペンションを採用

ボディーサイズは全長4,505×全幅1,895×全高1,220(mm)。ホイールベースは2,605mm

エンブレム。レクサスのプレミアムスポーツを示す"F"の頂点に立つという意味

ルーフなど随所にカーボンやチタンといった素材が使用されている

コックピット内にもカーボンが多用され、レーシーな雰囲気。シートはフルサポートのバケットタイプを採用

LFAのシャシー展示。内部構造がよくわかる

今年4月にイタリアで展示された「LFA」のクリスタルオブジェも見ることができる

5ドアコンパクトのハイブリッド「LF-Ch」

先進のハイブリッドシステムを搭載したプレミアムコンパクト2BOXカー「LF-Ch」は、フランクフルトショーで参考出展されたが、日本出展は今回が初となる。

全長4,300mm、全幅1,790mm、全高1,400mm、ホイールベース2,600mmのコンパクトな5ドアのハッチバックモデル。卓越した動力性能と環境性能を両立する"レクサス・ハイブリッド・ドライブ"により、走行性能、静粛性、低燃費とCO2の削減、低エミッションを高次元で追求している。

「LF-Ch」は、コンパクトなボディーに2,600mmというロングホイールベースが特徴

ボリューム感がある「LF-Ch」のリアビュー。積載性能にも期待できる

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