Oracle OpenWorld (OOW) 2009が10月11日(米国時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで開幕した。開催初日にあたる11日夜のキーノートには米Sun Microsystems会長のScott McNealy氏と米Oracle CEOのLarry Ellison氏が壇上に登場し、Sun買収後のこれからと、OracleからSunユーザーへの約束事項について説明した。
Oracleが買収してSunはどうなる? 創業者からのメッセージ
「Sunのハードウェアを買っても大丈夫なのか?」「MySQLはどうなるのか?」 - OracleのSun買収以後、OracleにはSunの製品やサービスに関する疑問や期待が数多く渦巻いているが、そうした疑念を払拭するかのごとくOOW冒頭のキーノートでMcNealy氏が登場し、ユーザーらの声に応えるべくSunの現状と今後について説明している。
キーノート冒頭ではScott McNealy氏の過去のビデオ映像が多数紹介され、さながらSun Historyの集大成といった印象だ |
米Sun Microsystems会長のScott McNealy氏。毒舌やライバル攻撃で知られる同氏だが、「今日は弁護士に止められている」と言いつつ、やっぱりお馴染みの「エンジニアを発狂させる10のテクノロジー」を題したネタを披露 |
同氏は4人いるSun創業メンバーの1人だが、安価で高性能なUNIXサーバで一躍シリコンバレーの代表的な企業へと成長し、Javaでソフトウェアの世界にムーブメントを起こし、ITバブル崩壊からOracle買収に至るまで、同社の27年以上にわたる歴史を見てきた。「Sunには確かな技術があり、これを実現してきた技術者や顧客に誇りを持っている」というのがMcNealy氏の意見だ。そして、Ellison氏はSun買収時にこうした資産を保護し、Sun時代よりもさらに技術開発投資を行っていく約束をしていると、既存顧客ならびに会場の聴衆に対して安心して製品を使ってほしいとアピールする。壇上にはJavaの生みの親であるJames Gosling氏も登場し、OracleがJavaに対して大きな貢献をしてきたことを紹介している。
まだ買収完了まで承認を待っている状態の両社だが、すでに協業の効果は現れている。その1つが先日Ellison氏が発表した「Oracle Exadata Version 2」だ。初代Exadataでは協業パートナーにHPを選択し、市場ターゲットもデータウェアハウス(DWH)が中心だったが、Version 2では協業バートナーに買収したSunを選び、市場ターゲットもDWHよりさらに大規模なトランザクション処理を必要とするOLTPとなっている。ライバルも従来のTeradataから、より強大な敵であるIBMになっており、Oracleにとってはさらなる挑戦だ。Exadata Version 2にはSunが新たに開発した高速フラッシュドライブ技術「Sun FlashFire Technology」が採用されており、これにOracleのソフトウェア技術を組み合わせてさらなるパフォーマンスの壁へと立ち向かう。またこの場で新製品の「Sun Storage F5100 Flash Array」も発表されている。こうしたフラッシュアレイのメリットは省電力とパフォーマンスであり、集積度が重要となるデータセンターでは大きな意味を持つだろう。