今年も比較的大きめなブースを構えたNTTドコモ。さまざまな取り組みを「チャレンジ」という言葉で表現し、サービスの進化の方向性を示した展示を中心に展開している。
「チャレンジ」の1つが、「サービスのパーソナル化」だ。ユーザーひとりひとりのライフスタイルやニーズに合わせたサービスを提供することを通して、ユーザーの生活を豊かにする、という触れ込みである。
その取り組みの1つとして展示されていたのが、「マチキャラ」をよりユーザーと親密な関係にする、というテーマの元に行われた機能強化だ。現行端末で使える「マチキャラ」では、iコンシェルでのアラート表示などが、そのキャラクターを問わず定型文で表示される。
今回の展示では、「マチキャラ」にキャラクターに合った性格付けを行い、iコンシェルのアラート表示だけでなく、端末操作中に出てくる各種メッセージまでカスタマイズしてしまうというデモンストレーションが実施されている。
あくまで「参考出展」ではあるが、「今回はF-09Aのマチキャラ関連のソフトウェアを一部改変して展示している。開発的ハードルはそれほど高くない。ユーザーの反応をみて正式に提供するかどうか見極めたい」(説明員)とのことで、実用化に関するハードルはほぼ乗り越えているようだ。
他にも、パーソナル化の一例として「TPOで変化するメニュー」や「リアル行動ターゲッティング情報配信」が参考出展されていた。いずれも、「みんなのドコモ研究所」で実験的に提供されているもので、GPSの位置情報を応用的に利用したサービスとなる。「TPOで変化するメニュー」に関しては、現在もHT-03Aユーザー限定でダウンロードすることができるが、「リアル行動ターゲッティング情報配信」については、募集を終了している。
マチキャラとは異なり、GPSを利用するため、電源面など、実現のためのハードルも存在するが、「(CEATECでの)ユーザーの反応が良ければ、正式サービス化に向けて前進できるように取り組みたい」(説明員)とのことだ。
「TPOで変化するメニュー」は、GPSの測位情報と、その場所での滞在時間などの情報から、TPOを推測し、それに合ったメニュー構成に変更する技術。現在はHT-03A向けに試験配信中だが、「将来的には一般的な『きせかえツール』でもつかえるようにしたい」(説明員)とのことだ |
GPSなどで測位した位置情報や滞在情報の履歴をもとに、オススメ情報をレコメンドしてくれるのが「リアル行動ターゲッティング情報配信」だ。パソコン画面でも行動履歴をチェックできる。「将来的には、行った場所から、趣味・嗜好を推測してレコメンドする機能も搭載したい」(説明員)という |
他にも、ドコモの「チャレンジ」は多く展示されている。その中でも、注目を集めていたのが、「友達レーダー」と「投げメール」だ。これらは、今はやりの「AR」(拡張現実)技術に関する研究で、HT-03Aユーザー限定で専用アプリケーションが「みんなのドコモ研究所」で配布されていた(現在は終了)。
GPSと電子コンパスを応用したサービスで、「友達レーダー」は、登録している友達がカメラで写している場所の近くにいると、バルーンで知らせてくれる。「投げメール」は、メールを作成後、その友達に向かって端末を投げる(振る)操作をするとメールが送れる、というものだ。ただ、その実現には「技術面だけでなく、端末を振りかざす等の行為そのものに関するモラル面等、解決しなければ行けない課題も多々ある。」(説明員)とのことである。