会場となったロエベ表参道直営店

LVJグループ ロエベ ジャパン カンパニー、頓智・(トンチドット)、ソフトバンクテレコムは、ロエベ表参道ブティックにおいて、iPhoneのアプリケーション「セカイカメラ」を使用した世界初の新作展示会「ロエベ アマソナ展」を開催する。実施期間は9月18日から10月12日まで。

3社は17日、展示会開催に伴い、「セカイカメラ」を使用した体験会を実施。本稿ではその様子をお伝えする。

セカイカメラは、頓智・が提供する、iPhoneアプリケーション。AR(拡張現実)技術を用いたアプリで、ユーザーが任意の場所でiPhoneをかざすと、ディスプレイにはその方向にある商品や建物などの詳細な情報が表示されるというもの。GPSや無線LANを利用して、携帯電話の現在位置を特定することで、データセンターから必要な情報が提供される仕組みだ。

ロエベは160年の伝統を持つ、皮革製品で世界的に有名なスペインのブランド。そうした老舗が今回、同社の表参道ブティックにおいて行われる新作展示会「ロエベ アマソナ展」で最新のIT技術と融合した。

展示会では、店舗内にロエベの160年にわたる歴史や製品の由来など、ブランドのストーリーを伝えるコンテンツがブティックの空間内と店舗周辺に展開される。来場者は、セカイカメラを利用して、これらのコンテンツを閲覧できる。

店舗では、「iPhone 3GS」が貸し出される。ユーザーの向いている方角にあわせて、エアタグも種類を変える。知りたい情報があれば、タッチパネルで簡単に閲覧が可能だ

店舗には過去の製品も展示されており、ロエベの歴史の一端にも触れられる。エアタグの情報画面は保存することも可能なので、購入を迷っている商品があるときには保存し、後でゆっくり考えるという使い方もできる。ロエベ アマソナ展は、10月12日まで開催される

17日に行われた体験会で、ロエベ ジャパン カンパニー プレジテント&CEOの丸山武氏は、「まずユーザーに店舗まで足を運んでもらい、材質、質感を肌で感じてもらった後に、セカイカメラで商品の歴史・伝統、デザイナーの情報などを知ってもらえればと考えている。昔の製品など2,000点ほどのアーカイブがあるので、博物館のような感じでユーザーに情報を提供できれば、それも面白いでしょう」とコメント。今回の取り組みへの期待感を示すとともに、新たなサービスの可能性を見出した。なおセカイカメラの商用利用は、今回のロエベ社が世界初となる。

頓智・CEOの井口尊仁氏によれば、同アプリの一般公開は「Coming Soon」とのこと。一般のユーザーには無料でダウンロード提供する予定。「これからも色々なベンダー、商店主に同アプリを提供し、エアタグが使える店舗を増やしてゆく。カタログやクーポンなどがセカイカメラを通じて手に入るなどして、ユーザーの利便性を高めたい」との話だった。

頓智・CEOの井口尊仁氏

また、今月24日から幕張メッセで開催される東京ゲームショウ2009にも出展予定で、未来のゲームのコンセプト展示をする。セカイカメラの機能を使えば、「例えば現実の世界で『桃太郎電鉄』のようなゲームができる日も遠くない」(同氏)。小売の店舗用に、企業の広告用に、旅行者のナビゲーション用に、バーチャルなゲームソフト用にと、様々な利用シーンが想像できる同アプリである。

ソフトバンクテレコムでは今後、インフラの充実を図るなどして、セカイカメラの利用拡大をバックアップしてゆく方針。例えば、エアタグの利便性を高める「エアタグマネジメントシステム」や、屋内で位置情報を取得するための「Wi-Fiロケーションサービス」を提供してゆくなどの取り組みを予定している。