Vodafoneブランドのネットブック「Vitesse」

ソフトバンクモバイルが9月1日から発売する通信モジュール内蔵のネットブック「Lenovo IdeaPad S10」。同機は、通信事業者が直接ネットブックを販売する例として日本でも注目を浴びている。海外では携帯メーカーのNokiaがノートPC市場への参入を発表するなど、PCメーカー以外からもネットブックタイプの製品が登場する兆しが見えている。

香港でも8月から事業者販売ネットブックとして、SmarTone-VodafoneがHSPAモジュールを内蔵した「Vitesse」を発売した。本稿ではVitesseのフォトレビューをお届けする。

Vitesseのスペックは、CPUがIntel Atom 1.6GHz、メモリが1GB、ストレージドライブが16GB SSD。ディスプレイは1024×600ピクセルの10.1インチLCDを採用している。 HSPAモジュールはHuawei EM770Wで下り7.2Mpbs、上り5.76Mbpsに対応。このほか、無線LAN(802.11b/g)、USBポート×3、SD/Memory Stickスロット×1、Webカメラなどを搭載するが有線LANは非搭載。OSはWindows XP。

Vodafone Vitesseの外箱。最近のネットブック同様のスリムなパッケージ

側面にはスペック表記。IMEI番号があるのがHSPAモジュール内蔵を物語っている

パッケージを開けるとVitesse本体が入っている。Vodafoneロゴがなかなか美しい

付属品はVodafoneロゴ付きケース、ACアダプタ、バッテリーのみ

本体トップはツヤのある光沢仕上げ。シンプルにVodafoneロゴのみが配置されている

右側面(上)はUSBポート×2、マイク、ヘッドフォン。左側面(下)は電源コネクタ、USBポート、メモリーカードスロット

本体サイズは257×179.5×23mm。香港での価格は、SIMロック無しの単体で3,480香港ドル(約43,500円)。HSPA定額プラン(月額318香港ドル、約4,000円)の2年契約で本体価格が全額キャッシュバックされ、実質無料で提供される。キーボードのぐらつきもなく、ステレオスピーカーを搭載するなど、サブ機として利用する安価なノートPCというよりも、日常的にインターネットを利用できる通信端末といった仕上がりになっている。

SDカード、メモリースティックに対応。カードは本体から若干はみ出る

本体底面。VOIDステッカーのあるカバーの下にHSPAモジュールを搭載

SIMカードはバッテリーの下側に入る。接点は上向きに挿入する

HSPAモジュールはHuaweiのEM770W

バッテリー容量は1800mAh

本体を開く。外装のホワイトと対象的なブラック仕上げ、ディスプレイ下の赤いラインがVodafoneカラーを表している

右ヒンジ部分には3GとWi-Fiのインジケーター

電源を投入すると最初にVodafoneロゴが表示される

プリインストールソフトはHSPA接続アプリやOpenOfficeなど

HSPA接続アプリはHuawei標準のもの。接続/切断やSMS送信などを利用可能

VitesseはノートPCメーカーによる市販品の通信事業者向けカスタマイズ版ではなく、通信事業者であるVodafoneブランドのネットブックだ。通信事業者が直接OEMメーカーから調達したネットブックとして初の製品でもある。なお香港以外の地域での販売は現時点では未定。またVitesseの販売状況の結果によっては、今後他の大手通信事業者が追従する可能性もあり得るだろう。基本形状はオンキヨーのミニノート「SOTEC DC204」と類似しており、両者は同じOEMメーカーの製品であると考えられる。ただしSmarTone-Vodafoneは調達元のメーカーは公表していない。